令和6年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文（保谷武議員）

鉄道駅へのホームドア設置に向けた更なるスピードアップについて

Q　保谷武　議員（自民）

平成29年、蕨駅で盲導犬を連れた視覚障害者の方がホームから転落し、電車と接触してお亡くなりになるという痛ましい事故が発生しました。このような不幸な転落事故を防止するために、鉄道駅のホームドア設置が進められてきました。
さらに加えて、バリアフリーという観点だけからではなく、自殺対策という観点からもホームドア設置は有効であることが証明されており、切望されております。例えば、私の自宅最寄りであるJR東日本埼京線北戸田駅は、高架上にあり真っ直ぐで見通しが良いホームの構造と、通勤快速も、快速も止まらず、高速で通過する電車の本数が多い事情があることから、過去に多数の自殺事案が発生しており、それらのたび重なる自殺報道が更なる模倣自殺を呼ぶという魔のスパイラルが生じております。ホームドアの設置を一刻も早く実現してほしいと考えます。
ホームドアの設置には多額の費用がかかります。電車を運行しながら工事を進めるため、工事期間も長くなります。蕨駅の場合、2年間かけて工事を行い、12億円もの費用が投じられました。そのため、鉄道事業者の自主財源だけではなく、国や自治体の補助金によって設置を促進していこうというコンセンサスが既に確立しています。
当初、国の方針では乗降客数1日当たり10万人以上の駅に優先的にホームドアを設置することになっており、各鉄道事業者もこの方針に沿って設置を進めていました。令和3年4月には、国は移動等円滑化の促進に関する基本方針を施行し、利用者数条件だけではなく、転落、接触事故の発生状況、駅やホームの構造、利用形態、駅周辺エリアの状況などを勘案した上で優先順位を組み立て直しました。
さらに、令和3年12月にはホームドアを含む鉄道駅のバリアフリー化に係る費用を、受益者負担の原則に基づき運賃に広く薄く上乗せする鉄道駅バリアフリー料金制度を創設しております。令和5年3月以降、首都圏の多くの鉄道会社がこの制度を導入済みです。
これらの流れに並行して令和4年4月、JR東日本はホームドア設置対象駅を拡大し、更に整備時期を前倒しすることを発表しております。北戸田駅のホームドア整備計画についても、これ以前は令和14年度末頃までとされておりましたが、令和13年度末頃までと1年間前倒しされたと承知しております。
しかし、それでも北戸田駅を例にとると、最大であと7年間ほどホームドアが設置されるまで待たないとならないとのことであります。北戸田駅利用者の一人としては、とてもホームドアが恋しくて夢にまで出てくるほどでありますが、今後更なるスピードアップに向けて県としてどのように取り組むおつもりなのか、伊藤副知事にお聞きいたします。

A　伊藤高　副知事

ホームドアの整備促進は、鉄道利用者の安全確保の観点から、大変重要であると認識をしております。
JR東日本、東武鉄道、西武鉄道においては、バリアフリー料金制度を令和5年3月に導入しているところです。
この制度の導入によって、議員御指摘のとおり、整備完了時期の前倒しや、整備予定駅の拡大につながっています。
また県においては、県内の駅でのホームドア整備を加速させるため、令和2年度から、対象となる駅の利用者数を10万人以上から1万人以上へ緩和する補助制度の拡充を行い、ホームドア整備に取り組む鉄道事業者を支援しているところです。
加えて、鉄道事業者に対しては、ホームドア整備の必要性が高い全ての駅について早期の計画策定や、北戸田駅など整備計画のある駅については可能な限りの早期整備を強く要望してまいります。
今後も、補助制度や要望活動を通じて、北戸田駅をはじめ県内各駅のホームドア整備の更なるスピードアップにつながるよう鉄道事業者の取組を積極的に後押ししてまいります。

 

• 上記質問・答弁は速報版です。
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