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掲載日:2024年12月27日
Q 保谷武 議員(自民)
先月発表された国立社会保障・人口問題研究所の推計によると、75歳以上のひとり暮らし世帯は2050年には704万人に達する見込みです。生涯未婚率の上昇と晩婚化、就職氷河期世代の経済的な不安定さなどにより、子供を持たない、あるいは持てない夫婦が増加していること、そして核家族化や都市化による親戚付き合いの希薄化が、この傾向に拍車をかけています。
従来、福祉の担い手は家族、市場、政府の三つに分類されてきました。我が国では伝統的に家族に福祉を依存してきましたが、親戚付き合いが希薄化する現在においては、親戚付き合いが薄いおひとり様高齢者に対する市場と政府の役割がより重要になってきます。
ある程度の資産を持つ層については、できるだけ市場に委ねるべきであります。民間企業が営利ベースで提供するサービスを全額自己負担で利用することになります。今は、まだそのような民間のサービスの品ぞろえは充実していませんが、巨大なビジネスチャンスが起業家の皆さんの目の前に横たわっております。
しかし、資産の少ない層については、行政による支援が不可欠です。具体的に親戚付き合いが薄いおひとり様高齢者が直面する可能性のある課題として、例えば以下の3点が挙げられます。
一つ目は、賃貸住宅の入居審査です。死亡リスクと家賃滞納リスクが高いので、賃貸住宅の入居を断られる場合があります。
二つ目は、認知症発症時のサポートです。同居人がいないと、発症したことに気が付くのが遅れたり、適切なケアを受けられなかったりする可能性があります。
三つ目が、死後の遺産、家財の処分です。遺産、家財といっても経済的価値があるものばかりではなく、処分費用がかかるのみで価値のないものもあります。死後の手続をしてくれる人がいないため、トラブルに発展する可能性があります。
私個人的にも切実な問題で、うちの夫婦は子供はおらず、妻との年齢差などを考えると、私の方が先に死亡することはまず間違いないので、妻はおひとり様高齢者となります。親戚付き合いはあるとはいえ、一人残した妻が認知症を発症したら一体どうなるのだろうか、看取ってくれる人もなく、孤独死することになったらどうしようかと、想像すると不安でたまりません。
親戚付き合いが薄いおひとり様高齢者が直面する以上三つの課題について、それぞれ県はどのように取り組んでいるのか、お尋ねいたします。
まず、(1)賃貸住宅の入居の保証、死亡その他の様々なリスクへの備えについて、都市整備部長にお伺いいたします。
A 伊田恒弘 都市整備部長
まず、賃貸住宅の入居の保証につきましては、家賃を滞納した場合に保証業者が立て替える家賃債務保証の活用が考えられますが、高齢者などは審査に通りにくい傾向があります。
そこで、本年6月に、住宅セーフティネット法が改正され、高齢者などの家賃債務保証を原則として断らない業者を国が認定する制度が創設されるなど、家賃滞納リスクの軽減が図られています。
次に、死亡その他の様々なリスクへの備えについてです。
賃貸住宅の賃借人が亡くなると、賃借権と残置物の所有権は相続され、退去手続が困難となるため、大家が高齢者の入居を断る傾向があります。
そこで、賃貸借契約の解除や残置物の処理などに関して、高齢者などの入居を支援する居住支援法人の活用など、入居の段階で死亡その他の様々なリスクに備える取組が始まってきたところでございます。
県では、国の制度が更に浸透するように、家賃債務保証や残置物処理などの業務の担い手となる居住支援法人を増やすとともに、県民や不動産関係団体に制度を周知することにより、高齢者が入居しやすい環境づくりを推進してまいります。
再Q 保谷武 議員(自民)
住宅セーフティネット制度について御説明を頂きましたけれども、まだまだ登録件数が少なくて、先月私が検索したときには蕨市での登録してあって、なおかつ今借りられる空き家の状態の借りる人を探している状態の物件が、僅か1件か2件しかないような有様でございました。この種の制度、制度はあるけれども、有効に機能していないというのが現状ではないかと思います。
特に、保証を誰に対して提供するかというと、賃貸物件のオーナーとか不動産業界に対してこの保証、仕組みがあれば、おひとり様高齢者の入居に伴うあらゆるリスクに対応できると、万が一リスクが顕在化しても、すなわち損失が発生しても補填されるのだと安心して認識できる、その認識を提供できるかどうかということが重要なのではないかと思いますが、今現状、そのような認識や安心を賃貸物件のオーナーや不動産業界に対して提供できているのかどうか、お考えをお聞きしたいと思います。
再A 伊田恒弘 都市整備部長
現在、県内の居住支援法人は24者ございます。支援内容は、業者ごとに異なる状況でございます。
県におきましては、こういった制度の状況などの周知につきまして、県、市町村、不動産関係団体、居住支援関係団体などと構成している協議会において、この制度を周知してまいりたいと思います。
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