With You さいたま > 講座・イベント > 講座終了報告 > 平成29年度 > 東京家政大学地域連携推進センター&WithYouさいたま共催公開講座「地域へのまなざし」
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掲載日:2018年6月22日
日時 |
第1回 平成29年12月16日 13時30分から15時00分 |
第2回 平成30年1月20日 13時30分から15時00分 |
第3回 平成30年1月27日 13時30分から15時00分 |
第4回 平成30年2月3日 13時30分から15時00分 |
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場所 |
埼玉県男女共同参画推進センター |
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参加者 |
29人 |
60人 |
50人 |
27人 |
「地域コミュニティの作り方~互恵ネットワークを形成する上田市の事例~」と題して、長野県上田市における農・食・街をつなぐコミュニティづくりの実践についてお話いただきました。お話のなかでは、NPO法人「食と農のまちづくりネットワーク」が主宰し、日替わりシェフによって運営されている「コラボ食堂」や、異世代の関わりを生み出している地域通貨(「蚕都くらぶ・ま~ゆ」)などの実践例が話され、互恵ネットワークの具体的イメージが見えてきました。また、どの実践も、商店街、農家に加えて、大学生が関わるなど、異なる主体の多様な世代の人が交わることで、活性化が図られていることも話されました。
互恵ネットワークがあることでお金がなくても安心して暮らせる社会をつくれる可能性があることや、支え合いと活気がある社会をつくるためには、多様な世代のさまざまな人に出番があるコミュニティをつくることが大切であることがわかりました。
シングルマザーの現状と対策」と題して、当事者が中心となったシングルマザーの支援団体「しんぐるまざあず・ふぉーらむ」で長く活動してきた講師から、団体の活動の紹介、支援をしてきたシングルマザーの事例から見える困難、そして、日本のシングルマザーの現状について、豊富なデータからお話いただきました。事例のなかでは、DV(ドメスティック・バイオレンス)や、若年のシングルマザーの課題、うつによる就労困難など、さまざまな困難が重なる事例が話されました。また、具体的データとして、8割を超えるシングルマザーが働いていること、それにも関わらず、就労収入が低く、自立が困難なこと、ひとり親の子どもの進学率が平均より大きく下回ることなどが明らかにされました。
男性が主たる稼ぎ手であることが想定されている社会保障システムの下では、女性が貧困になりやすいことや、公的支援制度を拡充していくことの必要性が話されました。
「子どもも親もつながる地域の居場所~子どもを地域で見守り育てるまちづくり~」と題して、日本の子どもの貧困の現状や、子どもの貧困の対策が未来への投資になること、また、講師がこれまで行ってきた活動についてのお話をいただきました。講師が活動する豊島子どもWAKUWAKUネットワークは、子どもの貧困をテーマに、地域の子どもを地域で見守り育てることをコンセプトとして活動する地域住民主体のNPOで、子どもの遊び場づくり、子どもの学習支援、そして、暮らしのサポートとして子ども食堂を行っているとのことでした。子ども食堂は、地域と子どもがつながる場であり、孤立しがちな家庭が地域とつながる場でもあり、地域の交流拠点としての可能性を持っているというお話がありました。
また、子ども、学生、自分たちの「やってみたいこと」を実現していくという発想が、子どもの貧困対策に留まらない、みんなのための地域づくりにつながっていくというお話もありました。
「広域避難者支援の取組」と題して、東日本大震災・原発事故から新たに社会問題化している「広域避難」という課題と、全国の避難者の現状や支援策等についてお話がありました。現在、広域避難者については、国および福島県が、生活再建支援のために、全国に2か所の拠点をつくり、相談支援等を行っています。そのうちの一つが、講師が関わるNPO法人埼玉広域避難者支援センターで、センターでは、広域避難者に対する情報誌の発行や相談会などが実施されている、とお話がありました。また、広域避難者の相談からみえることとして、相談者の半数以上が疾病を抱えていること、相談者の8割が「心と体の悩み」を抱えており、孤立感や辛さを抱えていることなど、深刻な実態が報告されました。
広域避難者の課題は、新しい課題で、この先も、当事者の選択を尊重し、寄り添いながら、長期的な視点で支えていくことが必要だということがわかりました。
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