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掲載日:2024年12月27日

令和6年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(武田和浩議員)

県立特別支援学校における不審者対策を含めた防災の取組について

Q 武田和浩 議員(民主フォーラム)

私は、十数年前に突発性難聴を患い、一時は左耳の聴力が全くなくなり、治療を尽くしても骨伝導の音でさえ響かない日々を過ごしておりました。今は静かな場所では普通に会話を聞き取ることができるまで回復しましたが、音の距離感がないため、声が交る場所、例えば居酒屋や喫茶店など音や声が混じって言葉が聞き取れなくなることがあります。そんな障害を持つもので、聴力障害の特別支援学校をはじめ各特別支援学校に通われている方々の困難を抱える中での防災への取組の重要性は身に差し迫る思いがあります。それゆえに、幾つかの特別支援学校の防災訓練の視察を行わせていただきました。
先日、視察させていただいた聴覚障害の特別支援学校の防災避難訓練は大変すばらしく、障害という個々の特性や課題に向き合い、より実践的な訓練が行われていました。個々の特性に応じた丁寧なアプローチが必要とされるケースが多く求められる特別支援学校での防災の取組に関しては、様々な問題点が指摘されております。
まず、聴覚障害者の災害時、地震時に予想される困難や課題についてでありますが、Jアラートなどのサイレン、呼び掛け、放送のアナウンス等、音や音声による注意や情報が分からないので、大事な情報が知らされないという心配であります。暗い場所では手話が分かりづらく、手話の支援者がいないと災害時に周囲とのコミュニケーションが困難であり、避難時や避難後の生活の中で孤立してしまうリスクがあります。
盲学校に関しては、突然の揺れに対し身を守る行動を取ることにより前後左右の間隔がつかめなくなるほか、散乱した障害物により周りの状況が日常と異なることで自力での歩行や出口確保、安全な位置への移動に困難が考えられます。そのため、迅速な避難ができにくくなります。また、避難所等では張り出される注意や連絡等の掲示物の情報が分からず、取り残されてしまう可能性もあります。
知的障害支援学校に関しては、危険な状況を理解して危険を回避する行動を取ることが困難な場合もあります。児童生徒によっては予定が変わったことで見通しが持てなくなり、被災時の臨機応変な対処指示や連絡の内容が理解できず、混乱する可能性が指摘されております。自閉症などの発達障害に関しては、周囲と適切なコミュニケーションにおいてトラブルを起こす心配があります。非日常的状況下で精神的に不安定になり、自傷行為やパニックなどの避難所での集団生活ができなくなったり、常時の付き添いが必要になったりする可能性があります。こだわりの強さから、いつもと違うトイレや食事ができないこともあるようです。
さらに、課題として個々の課題に応じた避難訓練の実施率の低さや災害リスクを踏まえた対策のほか、保護者への引き渡し訓練、災害用備蓄品を活用した避難所の開設、運営訓練なども実施率が低く、障害の重い子供や登校日日数の少ない子供が参加していない訓練があること、教室から校庭に移動する等の簡素化された訓練になりがちであることなどが指摘されております。
加えて、火災、地震、水害に関するマニュアルは作成しておりますが、富士山噴火時の対応に関してはマニュアルがなく、今後は火山の噴火に伴う降灰時のマニュアル作成も必要ではないかと思われます。また、地域の指定避難所として使用されたときに、在校生は避難所として使用することが可能なのかも含めて再検討が必要ではないかと思います。
いずれにしましても、助かる命は力強く助け、できる限り困難を緩和して災害時に的確な支援ができるよう、防災の専門家の知見を取り入れ、事前にしっかりとした計画を準備することが重要と考えます。あわせて、特別支援学校では災害時に加え、不審者の侵入など非常時への備えについても障害特性に合わせた対応が必要だと考えますが、教育長の御見解を伺います。

A 日吉亨 教育長

まず、防災の専門家の知見を取り入れ、事前にしっかりした計画と準備をすることについてでございます。
障害のある児童生徒が、災害から命を守り、被災後に避難先で安心して生活できるようにすることは重要と認識しております。
そのためには、児童生徒の障害特性を踏まえた、計画の作成や、それに基づく適切な訓練実施等の準備が必要です。
県立特別支援学校では、児童生徒の障害特性を踏まえた学校安全計画や学校防災マニュアルを作成し、これらに基づき、避難訓練などを実施しています。
一方、近年、災害が激甚化、頻発化していることから、議員御指摘のとおり、火山噴火を含め、停電や余震の発生など、学校生活で起こりうる様々な危機を想定し、よりきめ細やかな計画と準備が必要と考えております。
そこで、県では、今後、専門家の意見を伺いながら、様々な災害が発生した場合の避難方法や、被災後の生活を想定した、より実効性のある訓練について検討し、各学校に情報提供してまいります。
次に、不審者の侵入など非常時に備え、障害特性に合わせた対応をすることについてでございます。
議員お話しのとおり、不審者侵入時の非常時においても障害特性に合わせた備えをしておく必要があると認識しております。
現在、県立特別支援学校では、さすまたを使用した訓練や、警察官を講師とした研修を実施しておりますが、今後、児童生徒の障害特性に合わせた訓練や研修について、幅広く好事例を収集し、各学校に情報提供してまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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