環境科学国際センター > 試験研究の取組 > 研究課題 > 令和3年度研究課題一覧 > R04第2回審査会コメント3/研究課題(自然 R01-R03 埼玉県における野生動植物の分布情報の収集・解析と保全管理策の検討)

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掲載日:2023年3月23日

環境科学国際センター研究課題(大気環境担当/R1~R3)

埼玉県における野生動植物の分布情報の収集・解析と保全管理策の検討

(自然環境担当:角田、安野、三輪、米倉、王/R1~R3)

 埼玉県では侵略的外来生物の侵入、鳥獣類の増加、絶滅危惧動植物種の生息状況改善などの課題があります。本研究では、県内の生物多様性に関する基本情報の現況把握と現行の対応策の評価等を通じて、野生動植物種についてより効果の高い保全・管理策の提案を目的とします。具体的には、県内で近年の分布拡大が懸念される外来生物(例:クビアカツヤカミキリ、マスクラット)に関する分布状況等の収集・解析、すでに県内に広く定着・分布するコクチバス等の外来生物や個体数増加の著しいニホンジカ等による生態系等への影響の把握、絶滅危惧動植物種の分布状況や減少要因に関する情報を収集・解析し、より良い保全管理方法を提案します。

《研究の概要》(PDF:231KB)

 

令和4年度第2回研究審査会コメント

研究課題

埼玉県における野生動植物の分布情報の収集・解析と保全管理策の検討

研究審査会コメント

  • 今回の成果を基に、マスクラット、コクチバスについては、外来種という問題はあるものの、分布が限られるといった結果が得られている。外来種ではあるものの、生態系の中での役割、駆除した際の生態系の変化等も考えていく必要があります。
    国内種の大型哺乳類については、河川域を移動経路にした移動がみられます。河川域の自然が維持されている結果でもあり、それ自体、ポジティブの結果ともいえます。他方、人的被害、農業被害もあり、こうしたことを総合的にみながら、管理計画を立てることが重要です。埼玉県は、山岳域と都市域が共存し、さらに、それらを大河川が連結するといった、国内でも極めて特異な環境にあります。今回の結果を踏まえて、自然環境の保全、住民の生活の問題のない共存が可能な管理計画を作成していくことで、全国に先駆けた考え方を提示することで、モデルケースになりえるものです。ただし、その際に、県民の広い議論も必要です。
  • イノシシ、ニホンジカなどの農業や市民生活にも多大な被害を生じさせる大型野生哺乳類の分布拡大の実態を、素早く把握したことは、特に高く評価できます。今後、これらの動物の適切な管理システムの樹立を実施する展開を期待します。
  • 今後の課題も含め、大変わかりやすい説明をありがとうございました。
    コクチバスの研究については、外来生物の危険性を強調するだけでなく、食性分析などを通じて客観的に影響を評価したり、精緻な分布調査に基づき実効性の期待できる駆除対策を提案したりできており、大変有用性が高いと思いました。対策実施時の住民理解の向上にもつながるものと思います。
  • 重要な基盤情報が得られているので、今後、リスク評価にもとづく効率的な対策を検討していただきたい。
  • 限られた期間内で、貴重なデータが得られた、素晴らしい研究と思います。時間や予算、人手等さまざまな制約があることは承知しておりますが、できる限り県内の生物分布の実態調査をさらに進めていただき、学術的、行政的、市民啓発等に貢献するデータベースの構築を目指していただきたいと思います。また、問題解決法について、専門家ならではの視点からの対策の提案(例えば今回のコクチバス駆除法の提案など)をしていただきたいと思います。

お問い合わせ

環境部 環境科学国際センター 研究企画室

郵便番号347-0115 埼玉県加須市上種足914 埼玉県環境科学国際センター

ファックス:0480-70-2031

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