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掲載日:2024年7月11日
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二人は「統計(とうけい)」って言葉を見たり聞いたりしたことがあるかな?
「トウケイ?」うーん、テレビで聞いたことがあるような…ないような…。
お父さんが何かの調査(ちょうさ)に答えていたみたいだけど、それかな…。
あまり聞いたことがないみたいだね。それじゃあ「統計」 ってどんなものか、まだよく知らないかな?
学校でも習っていないと思うよ。
よくわからないなぁ。
そうね。教えて!コバトン。
まかせて!それじゃあ「統計」とは何かいっしょに考えてみよう。
みんなは「目に見えない小さなもののようす」を調べるときにどんな道具を使うかな?
虫メガネかな…。あっ、目に見えないほど小さなものなら顕微鏡(けんびきょう)だね!
電子顕微鏡(でんしけんびきょう)というのもきいたことがあるわ。
よく知っているね。顕微鏡は「目に見えない小さなもの」を拡大(かくだい)して見えるようにする道具だね。
それとは反対(はんたい)の「目に見えない大きなもののようす」を調べるときに使う道具が「統計」なんだ。
「大きなもの」なら見えるんじゃないの?「目に見えない大きなもの」っておかしくない?
たしかに変だよ。どういうこと?コバトン!
はははっ。ちょっとイジワルなたとえだったかな。ごめん、ごめん。
「目に見えない大きなもの」っていうのは「一度に知ることのできない、数の多いものごと」のことなんだ。
「一度に知ることのできない、数の多いものごと」って言われてもよくわからないわ。
そんなものあるかなあ?思いつかないや。
いきなり言われてもすぐには出て来ないよね。でも、実は身近にたくさんあるんだ。たとえば、「日本に住んでいる人」とか「過去(かこ)10年間の天気」とか…。
たしかに「日本に住んでいる人」に一度に会いたくても、全員が集まれるような広い場所はないよね。そもそも集まってくれないだろうし。集まったとしても、1億人もいたらどうしたらいいかわからないや。
お天気も、今知ることのできるのは今のお天気だけね。過去10年間の天気はタイムマシンがなければ見られないし、タイムマシンがあっても全部見ていたら10年かかっちゃう。だいいち、10年分のお天気なんておぼえきれないわ。一度に知るのは無理ね。
そう、二人ともするどいね。魔法(まほう)でも使わなければ一度に知るのはとても無理だよね。
でも、ニュースでアナウンサーが「今年の新成人は120万人」とか、「去年より気温が2度高い」とか言うよね。アナウンサーは魔法が使えるんだね。
そんなわけないじゃない!だれかが数えて調べたんでしょ。
気温は気象庁(きしょうちょう)の人が毎日、はかって調べているんだと思うわ。
今、計(はかる)くんは「だれかが数えて調べた」と言ったね。そこがポイントなんだ。「一度に知ることのできない、数の多いものごと」でも、数えたり、はかったりして調べることができる性質(せいしつ)や特徴(とくちょう)があるよね。
「日本に住んでいる人」なら、年齢(ねんれい)のほかにも、どこの県に住んでいるのかとか、どんな仕事をしているかとかいろいろあるね。
お天気だったら、雨の日の日数や雨の量とかなら数えたり、はかったりできるわ。
そうだね。そうやって数えたり、はかったりしたものを、とりまとめて数字で表したものが「統計」なんだ。
ここでのポイントは「数字で表したもの」ということ。数字で表せないものごとは「統計」にはならないんだ。
たとえば「日本人は礼儀(れいぎ)正しい」とか「きょうの天気はあまり良くない」とかは数字では表せないよね。
たしかに、「8.6礼儀正しい」とか「きょうの天気は64点だからあまり良くない」とか言わないよね。
でも、外国の人に「日本人は礼儀正しいと思うか?」って聞けば、数字で表せるんじゃない?「10人のうち8人がイエスと答えました。」みたいに。
さすがあやのくん、よく気付いたね。そうなんだ。直接(ちょくせつ)数字で表せないものごとの場合は、何とか統計として数字で表せないか、統計を作る人たちは調べる方法をいろいろ工夫するんだよ。
ここで、これまでのおさらいをしておくよ。「統計」は、「一度に知ることのできない、数の多いものごとのようす」を「調べるときに使う道具」で、「そのものごとの性質(せいしつ)や特徴(とくちょう)を数えたり、はかったりしたもの」を「とりまとめて数字で表したもの」なんだ。
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