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掲載日:2023年10月20日
Q 高橋稔裕 議員(自民)
埼玉県知事選挙の投票率は23.76パーセントでございました。任期中に団塊の世代全ての方が後期高齢者となる2025年を迎えます。今年上期の出生数は依然37万人と、日本社会の持続可能性が危ぶまれる重要な時期にあって、今後4年間の本県のかじ取りを任せるリーダーを選ぶ選挙の投票率としては寂しい数字です。
他候補者の力不足や支持し応援した私どもの責任も痛感するところでありますが、この低投票率の状況を鑑みると、メッセージが県民に伝わり切れていないのではないかと思います。すなわち、自分たちの投票行動を通じて本県の社会の将来にポジティブな影響を与えることができる、そのような期待と責任感を有権者と共有することができなかったのではないかという懸念です。この選挙、もっと推進力を県民からいただける機会であったはずです。
選挙後、知事は8月31日の記者会見で、2期目に向けて「埼玉の未来に向けて責任を果たす」と銘打ち、これからの4年に向けた主要な政策を話され、埼玉県が直面する歴史的課題の一つとして、人口減少・超少子高齢社会の到来を挙げていました。これに異論はありません。一つ一つの事業は根拠を持って実施されるものと存じており、今回の質問・答弁により政策効果に疑いを挟む意図はないと申し上げた上で、会見において示された超少子高齢化への幾つかの処方せんとして、DX、埼玉版スーパー・シティプロジェクト、子どもの居場所800カ所以上設置、子供への医療費助成が挙げられました。これらによって、高齢者は、子供を持とうという世帯は、子供たちは、明るくなった未来を見れるのでしょうか。恐縮ながら、手段手法の羅列であって、これらによって実現するビジョンを私は臨場感を持って感じることができませんでした。
リーダーシップで著名なドイツの心理学者ダニエル・ゴールマン氏は、6つのリーダーシップスタイルを提唱しております。このうち、調整型リーダーシップはリーダーがメンバーに細部まで指示を出すことでメンバーを制御するリーダーシップで、コロナ禍の対応に有効でありました。もう一つ、ビジョン型リーダーシップというものがあります。リーダーが夢を持ち、その夢をチーム共通の目標にして行動するリーダーシップスタイルです。チーム全体で共通の目標を共有することで組織への帰属意識を高め、各人の自主性を尊重するためチームメンバーの自立性も育てます。
大野知事にお尋ねします。
知事公約でも再三触れておりました急速な少子高齢化という簡単に処方せんを見つけにくい課題に対し、知事が進めようとされる政策がどのような効果を及ぼし合って、効果の好循環があって、どんな未来を目指すビジョンを持っておられるのか、県民とコミュニケーションを取り、期待を共有しながらの県政運営が大切と考えております。急速な少子高齢化に対するビジョン、未来を開くストーリーを是非お聞かせ願えればと思います。
A 大野元裕 知事
私は埼玉県のビジョンとして、議会の皆様とともに策定した5か年計画の副題でもある、あらゆる人に居場所があり、活躍でき、安心して暮らせる社会をビジョンとして示させていただきました。
他方、2期目では、人類が経験したことがない人口減少・超少子高齢社会の到来を、本県が直面する2つの歴史的課題の1つとして位置付けました。
この課題に対するビジョンとして、埼玉版スーパー・シティプロジェクトを全市町村に拡大をしたいと思っています。
高齢者が歩いて暮らせ、共にコミュニティを形成するために、コンパクトなまちづくりを推進する埼玉版スーパー・シティプロジェクトは、急激な少子高齢化に対するビジョンに他なりません。
また、働く人が減少する中で、増加する高齢者を支え、同時に、少子化対策等を充実させるためには、社会全体の生産性を向上させなければなりません。
そこで、コロナ禍を奇貨として進んだデジタル化の流れを決して後戻りさせることなく、DXを推進してまいります。
さらには、限りある税収で最大限の効果を上げるために、不断の行財政改革に取り組むことにより、初めて人口減少・超少子高齢社会への対応が可能になると考えております。
これらの課題に対しては、1つの施策で解決できるような特効薬はないことから、相乗効果による好循環を生み出すため、様々な施策にバランスよく総合的に取り組むことが必要となります。
そのため、関係者の声を丁寧に伺い、市町村とも連携をしながら、ワンチームで、一つ一つの課題に着実に取り組んでまいります。
今後も、「日本一暮らしやすい埼玉」というビジョンを県民の皆様と共有するとともに、超少子高齢化に対するビジョンといたしましては、先ほどお話をさせていただいた埼玉版スーパー・シティプロジェクト等に総合的に、相乗効果による好循環を生み出すために、バランス良く取り組んでいきたいと思います。
埼玉県の希望が持てる未来を全力で今後も切り開いてまいる所存であります。
再Q 高橋稔裕 議員(自民)
簡単に処方せんを見つけにくい課題、超少子高齢化に対してはビジョン型のリーダーシップが必要と申しております。県民がいいなと、これだったらみんなでやっていこうと思える、そんなビジョンが必要だと申しております。
通常の議会の場では、ビジョンではなく、より具体的にと求められますが、今回の質問についてはそのルールとは別に大きな事業をなすため、県民や県執行部の力を借りるためのビジョンを語っていただきたいという意図がありましたが、やはり堅実なまじめな方だなと思いました。そこがすばらしい点だとも思います。
しかし、この意図をもう一度くんで、知事の決意をもう一度御答弁いただけますでしょうか。
再A 大野元裕 知事
超少子高齢社会という歴史的な課題に対するビジョンにつきましては、私も同様に必要だと考えております。
まさに、そのビジョンは、埼玉版スーパー・シティプロジェクトであり、コミュニティを形成をすることによって高齢者を見守り、あるいは子供たちを共に社会で育てる環境を作るということを行っていきたいと思っています。
他方で、人口が減少する中で、高齢者を支え、あるいは子供たちを、18歳に少なくともなるまでは、生産性がございませんので、そこまでの段階においても、しっかりと子供たちに対する支援を行うためには、DX等をはじめとし、生産性の向上が必要であり、これらの全体をしっかりと取り組まなければならないというのが私が申し上げていることであり、決意といたしましては、この歴史的課題に取り組むために、容易ではありませんが、皆様とも力を合わせて、この歴史的課題に取り組んでいきたいと考えております。
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