トップページ > 県政情報・統計 > 県概要 > 組織案内 > 企画財政部 > 企画財政部の地域機関 > 秩父地域振興センター > ちちぶ乾杯共和国の酒蔵見学 vol.8 兎田ワイナリー 様
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掲載日:2024年9月20日
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【取材日:2021年7月1日】
秩父市街地から車で約30分、秩父市吉田地区の兎田(うさぎだ)という場所に「兎田ワイナリー」はあります。吉田地区は、ワイナリー前の道路が「フルーツ街道」と名付けられるほど、果物の栽培が盛んな地域です。
【兎田ワイナリー】
約30年前からワインの委託醸造をしていた代表が創業した「兎田ワイナリー」。
2015年から自社での醸造をスタートさせ、今年で7年目。自社畑と秩父の農家のブドウから、「秩父生まれ、秩父育ちの、秩父産ワイン」にこだわり、ワインを造っています。
今回、兎田ワイナリー代表の深田和彦さんに、自社畑と醸造所を案内していただきました。
最初に、自社畑を見せていただきました。
約2haのブドウ畑では、マスカット・ベーリーAやメルローなどの品種が栽培されています。
【自社畑・ブドウは雨に濡れると病気になりやすいので、ビニールがかけられています】
ブドウの収穫時期は、9~10月頃。
収穫したブドウを選果した後、除梗破砕機で茎を取り除きます。
【ブレス(圧搾)機】
次に、白ワインの場合は、ブドウの実をプレス(圧搾)機にかけて皮と種を取り除き、果汁にしてからタンクで発酵させます。
赤ワインの場合は、ブドウの実をそのままタンクに入れ、約4~5日間発酵させて皮や種から色素等を抽出した後、プレス機で果汁にして再度タンクで発酵させます。
発酵の過程では、赤・白どちらのワインも温度コントロールが重要なポイントです。
【醸造タンク】
発酵を終えたワインは、樽やタンクに移して熟成させます。(どんなワインを造るのかによって、熟成用のタンクは異なります。)
【樽の貯蔵庫】
最後に、濾過器にかけ不純物等を取り除き、瓶詰めをし、ラベルを貼って完成です。
【ラベル貼り・秩父の雲海を使ったラベル】
~秩父のブドウ~
ワインはブドウを発酵させて造るので、原料であるブドウの出来がすごく重要で、ワインの味わいに大きく影響します。
自社畑のある吉田地区について、「雨が少ないので、ブドウが作りやすいんです。そして、夏場の最高気温が高いのに、朝方は25度以下になります。寒暖の差がしっかり生まれてくると、それが糖度に乗りやすくなって、甘いブドウができる。そういうポテンシャルがある土地柄だと思います。」
「この地区のブドウは、黒ブドウ品種のマスカット・ベーリーAがメインなんですが、皮が厚いので色が濃く出て、非常にいい色合いのワインができるんです。」と、深田さん。
~秩父で創業~
初めは、ワインの醸造設備を持っていた酒造会社(矢尾本店)に、秩父産ブドウを使ったワインの醸造を委託していました。そのワインが、日本ワインコンクールで入賞するようになり、ブドウの栽培からワインの醸造・販売までを一貫して手掛けたいと創業した深田さん。
そこには、秩父がブドウ栽培に適した地域というだけではなく、今まで一緒にやってきたブドウ農家の協力が得られるという、秩父にこだわるメリットがあるからこその決断だったのだそうです。
「今すごくいいブドウが入ってきているんですよ。」そこには、いいワイン用ブドウをつくるために努力をされている農家の存在があります。
~地元との連携(1)~
秩父では、様々なフルーツが栽培されており、ワイナリー近隣のイチゴやブルーベリーの観光農園等には多くの観光客が訪れています。
しかし、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、販売が低迷し、その活用が課題になりました。
そこで、赤・白ワインの醸造が一段落し、設備が空いた期間に、地元のフルーツをメインにした「フルーツワイン」の醸造を始めたのだそうです。
白ワインには、リンゴ、ブドウ、ゴールデンカボス、ロゼには、リンゴ、ブドウ、イチゴ、ブルーベリーなどが使われています。
【にっぽんの宝物 JAPAN大会 2020-2021】
〈 SDGs部門で準グランプリを受賞した、地元フルーツを使った「フルーツワインにごり無濾過 白ワイン&ロゼワイン」〉
~地元との連携(2)~
ブドウを育て、収穫し、ワインが出来上がるまでには、年間を通じて様々な作業があり、繁忙期には人手の確保が課題だったワイナリー。そこで連携することになったのが、近隣の「障がい者自立支援 さくらファーム」です。
ブドウ畑の除草や枝の剪定、草刈り、ブドウの新芽の除去、ワインの瓶詰め、ラベル貼りなどの仕事を、障がい者の方々が生き生きと行っています。
【ブドウの木の皮むきをする皆さん 】
~今後について~
「特色ある商品を造っていきたい。」と深田さん。
それが、地元のウイスキー蒸留所のウイスキー樽で熟成させたワインです。ウイスキーを貯蔵していた樽で熟成させたワインは、「ウイスキーフィニッシュ」と呼ばれ、海外でも評判がいいのだそうです。
そして、昨年から始めた「フルーツワイン」。地元のフルーツを中心に、スポットで甘夏などを使っていきます。
さらに、「基本のワインはしっかりと造った上で、数年後にスパークリングワインにも挑戦していきたい。」と夢を語っていただきました。
【埼玉県新商品AWARD2020】
〈大賞を受賞した、ウイスキー樽熟成のワイン「秩父ルージュ2019兎雪ーYUKIー」〉
地域の人たちが課題解決のために連携したことで、地域が豊かになっていく。そんな好循環がワイン造りから生まれていると感じました。「秩父を愛し、秩父に愛され、秩父に根付いたワイナリー」を目指し、日々努力している兎田ワイナリー。これからの連携にも注目です。
~兎田ワイナリーの紹介~
ワイナリー隣接のショップとレストランが、ワイナリーから徒歩2分の所にあります。
ショップでは、ワインのほか、秩父地域の特産品を販売しています。また、試飲もできます。
レストランでは、秩父産の食材や素材をふんだんに使用した料理やワインが楽しめます。
【ワイナリー隣接のショップ・レストラン】
【所在地等】
名称:兎田ワイナリー
住所:秩父市下吉田3720
定休日:月曜日(祝日の場合は、火曜日)
営業時間:10時~17時
見学:要事前問合せ(R3.8.1現在、見学は休止。試飲・販売は営業中)
電話:0494-26-7173
(レストラン)
名称:ツーリストテーブル釜の上 秩父うさぎだ食堂
住所:秩父市下吉田3942
電話:0494-77-1123
URL:https://chichibuusagida.gorp.jp/
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