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掲載日:2024年11月1日
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町の遊休資産を活用し、町外の外国人や若者等の関係人口と町民とがワクワク感を持って交流できる場と機会を創造し、ウェルビーイングを感じられる町づくりを目指したい!
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横瀬町
横瀬町役場、まち経営課の福井と申します。今回は、埼玉版スーパー・シティプロジェクト、ガバメントピッチということで、「外国人×若者×町民=ウェルビーイングな町へ!」をテーマに、横瀬町の課題、目指す姿、そして企業の皆様からいただきたい御提案について、お話をさせていただきます。
まずは簡単に、横瀬町の概要について御紹介します。横瀬町は、埼玉県の西部「秩父地域」と言われるエリアに位置しています。東京から電車で最短72分で行ける距離で、大変自然豊かな町となっており、主な産業は、石灰岩を扱う窯業や、観光農園などの農林業となっています。
御覧のように、歴史や自然の魅力を観光コンテンツとして活用したまちづくりを積極的に行っています。
そのような観光事業と合わせて、横瀬町がこれまで取り組んできたこと、そして、現状ですけれども、これまでは「中心地の賑わいづくり」ということを進めてきました。特に、「よこらぼ」という官民連携プラットフォーム事業があり、民間企業や団体、個人などから、様々なプロジェクトの御提案をいただき、官民連携で数多くの実証実験を実施しております。更に、今年度に入り開発途上国の国づくりを支援している国際協力機構(JICA)経由で、海外からの研修員が横瀬町のまちづくりを視察することも増えてきました。こうした取組を通して、域外から多くの関係人口、交流人口の流入を促進し、交流の場づくりを行うことで、多様な人が多様な幸せを実現できる町「カラフルタウン」を目指しております。
人口流出を食い止めるための関係人口を増やす取組は開発途上国にも参考になっております。今後、横瀬町の取組に町民が誇りを持てるようにするのが課題となっています。
こうして中心地の賑わいづくりをしてきた横瀬町が、これから目指していきたいこと、目指す姿としましては、これまでは、町の中心地の整備を進めてきました。これからは、町内の既存施設、遊休資産を有効に活用し、町民が外国人、若者と交流する場と機会のある町ということになります。
これはつまり、中心地の拠点のみならず、町内に点在している遊休資産等を有効活用し、町の様々な場所で、外国人、若者と町民が、交流する町を実現すること、そうすることで横瀬に来るとワクワクするようなまちづくりを通じて、ウェルビーイングを実現したいと考えています。
この、外国人、若者と町民がワクワク感を持って交流できる町を目指すため、ウェルビーイングな町を目指すための第一歩としまして、交流する場の創造と交流する機会の創造といったところを通じて、交流人口、関係人口が滞在人口やがては移住人口となり、賑わいと人の輪があるウェルビーイングなまちづくりを進めたいと考えています。
交流する場の理想とする目指す姿でございますけれども、年齢や国籍も関係なく「誰でも」交流できる場、「気軽に」「いつでも」「どこでも」利用ができる交流の場、最後に町の遊休資産を活用した「いままでにない」交流の場、となります。
交流する機会の目指す姿としましては、外国人、若者が町民と横瀬町の魅力について語れる機会、外国人、若者が町民と町づくりに一緒に取り組める機会、外国人、若者が豊かな自然と町民の温かさに触れ、非日常が体験できる機会となります。
例えば、都内に住むこんな若者、仮に国際太郎さんとしますが、彼は首都圏出身で、東京近郊にワクワクするような場、例えば、横瀬町があれば、外国人や町民との交流を楽しんでもらえるのではないか。
例えば、海外からの旅行者、仮にフィリップマーローさんは、インバウンドの旅行者です。彼が横瀬町を観光する際に、日本の若者や町民と交流する場や機会があれば、プライスレスな旅行となるでしょう。また、ソーシャルメディアで町の魅力を発信すれば、横瀬を訪問する外国人旅行者が増えるかもしれません。
最後に横瀬町の住人である中学3年生の横瀬優子さんです。横瀬には外国人が80名程度しか居住していませんが、横瀬町以外の若者や、外国人と交流することで、外の世界を知り、異文化と触れ合うことで、その後の人生に大きな影響を与える経験ができるかもしれません。
では、交流の場や機会の創造について、横瀬町はこれまでどのような取組をしてきて、どのような現状になっているのかについて、御説明します。これまでは、交流する場、機会の創造を通じて起業家、若者、外国人の関係人口を増やすための取組を進めてきました。例えば、官民連携プラットフォーム「よこらぼ」を通じた事業誘致であるとか、地域おこし協力隊等外部人材を活用したまちづくりの取組が挙げられます。
また、横瀬町では、今年度から総合振興計画において、ウェルビーイング指標を設定しています。外国人、若者と交流する場と機会の増加により目標を達成し、心の豊かさを感じられる町の実現を目指しています。ウェルビーイング指標は全部で7つありますが、その中でもユニークな指標を2つ取り上げて説明します。まず1点目です。2人に1人が「自分のしたいことをする、または欲しい物が買える経済的な余裕がある」と感じています。端からから見れば十分な数値かもしれませんが、横瀬町は、「日本一住みよい町、日本一誇れる町」を目指すべき将来ビジョンとして掲げていて、更なる高みを目指します。
こちらが2点目のウェルビーイング指標です。1年前は3人に1人が町の未来に期待や楽しみ、ワクワクする気持ちがあると感じています。このワクワク感をより感じられるまちづくりを目指しています。
そうして、これまで町が行ってきたことに対し、生まれてきた課題をまとめると、このようになります。町の中心地には、賑わいが生まれてきていますが、既存の観光拠点や飲食店などは町内の中心地に点在しており、中心地の賑わいがまち全体に広がっていません。したがって遊休資産、空き地、空き家を有効活用して交流の場と機会を増やす必要があります。
交流する機会の創造に関する課題としまして、1点目は、開発途上国からの研修員は今後もJICAルートで確保できますので、インバウンドの観光客の誘客を促進したいと思っています。2点目、町民が外国人を積極的に受け入れる基盤の整備が必要だと認識しています。3点目、町の先進的な取組を町の内外に発信し、町民の満足度、認知度を高めていきたいと思っております。4点目、働き口がなく企業の誘致も進んでいないということでございまして、総合振興計画に指標として取り入れた企業を誘致し、雇用も創造していきたいと考えております。
さて、ここから、横瀬町が企業の皆様に御提案いただきたいことをお話しさせていただきます。御提案いただきたいことですが、ウェルビーイングの向上につながる外国人、若者と町民が交流できる仕組みということになります。それは一つに交流する場の創造であり、二つに交流する機会の創造ということになります。場の創造という観点で言うと、町の空き地や遊休資産等の有効活用、メタバース空間などでどこからでも交流できる場などの御提案、機会の創造に関して言いますと、まちの魅力を互いに共有しあえる交流イベント、外国人、若者が横瀬町のリピーターになってくれる体験型のコンテンツ、横瀬町での交流の様子を対外的に発信する仕組み、といったものが想定されます。
そして、本日参加された企業さんとの共創を進めるに当たり、横瀬町からは次のようなリソース、価値の提供をいたします。1点目です。横瀬町は小さい自治体であるからこそ意思決定、実行の速さがあります。スモールスタートな実証試験など、スピード感を持って取り組むことができます。2点目です。横瀬町は官民連携プラットフォーム「よこらぼ」で培った経験から、民間企業との連携のノウハウなどを活用することができます。そして3点目です。横瀬町の保有する遊休資産を活用した実証実験が可能になっています。
4つ目のメリットは、国際協力機構経由で海外に派遣される若者、開発途上国の未来を担う行政官等と知り合えることです。彼等と交流することで開発途上国向けのビジネスチャンスを得る可能性もあります。
改めまして、まとめとします。横瀬町の思いは、外国人、若者等の関係人口を増やすことで人口減少を抑制し、更に町の取組をアピールしてウェルビーイングを実感できる日本一誇れる町にしたい。横瀬町が困っていることです。町内の遊休資産、空き地、空き家の有効活用の目処が立っていない。町民を町の取組に巻き込む仕掛けづくりが十分でない。企業側の皆さんに求めることは、実現性の高い提案から、チャレンジングな取組まで幅広く提案を募集します。町の課題解決のために情熱を持って一緒に取り組んでいける仲間を募集します。横瀬町と共創するメリットですが、官民連携事業のノウハウの蓄積によるスムーズな連携、他の民間企業とのネットワークの活用、JICAを介した開発途上国と提案企業とのネットワークの構築といったものが挙げられます。
こういった取組は非常に壮大な実証実験だと認識しており、横瀬町を日本一誇れる町にしたい、町民のウェルビーイングの実現、関係人口の更なる増加に向けて皆さんのお知恵を貸してください。町の有形、無形の資産を活用して魅力的な町づくりに一緒にチャレンジしませんか。日本一チャレンジする町は皆さんのチャレンジをお待ちしています。
以上が私のプレゼンテーションとなります。御清聴ありがとうございました。
モデレーター
皆様、チャットのほうで、コメントや御質問をいただければと思います。では、私の方からグラフィックレコーディングを共有いたします。
横瀬町さん、ピッチの中でもありましたが、官民連携プラットフォームを運営されていて、かなり企業さんとの共創の取組については経験値が高いかなと私どもも思うところなんですが、そういった実績も踏まえながら、「外国人×若者×町民=ウェルビーイング向上」に取り組んでいきたいというお話でありました。私から何点か質問させていただきますが、お話の中で町の遊休資産という言葉がいくつか出てきていました。キーワードの一つかなと思うのですが、ピッチの中では遊休資産そのものお話はなかったかと思うんですけど、例示でも構わないんですけども、活用可能な町の遊休資産についてこんなものがありますよ、というのを少し御共有いただけますでしょうか。
横瀬町
駅前の兎沢町有地ですとか、芦ヶ久保駅にございます芦ヶ久保小学校、あと空き家バンクにも登録している物件も場合によっては活用可能かと思います。
モデレーター
そうすると、町が既に保有されている廃校も含めた元の公共資産もそうですけれども、空き家バンクという話になると民間資産になるのかなと思うんですけど、民間の資産を活用するときには間に入っていただくとか、調整に入っていただくこともできるという理解でよろしいですか。
横瀬町
はい。おっしゃるとおりです。
モデレーター
結構、遊休資産はあるんですか。
横瀬町
そうですね、例えば、空き家バンクの登録だけでも秩父市より多くて、170件ですかね。
モデレーター
ありがとうございます。それと、今回のピッチの特徴の一つはやはり「外国人」というところかと思うんですけれども、JICAとの交流事業のような先進的な取組をされていることが特徴的だったんですけど、いわゆる普通のインバウンド、先ほどペルソナとして想定されているような、ああいうインバウンドの観光客の来訪みたいなものは、現状はどのような状況に。
横瀬町
例えば、1月から2月にかけて芦ヶ久保駅で開催されている“氷柱“。こちらは外国人が何名か、正確な数は分かりませんが、アジア、台湾や韓国から外国の方が来ていらっしゃるということですので、そういった方々の数を増やしていきたいなと思っております。今朝も某鉄道会社さんと打合せがありまして、インバウンドを増やしたいという話になったんですけれども、ラビューに乗って横瀬に泊まるのではなくて、そこから秩父に抜けて軽井沢に行くという方が多いという話も聞いておりますので、何とかそういう方々に横瀬で一泊してもらえるような仕掛けをしていきたいというふうに思っております。
モデレーター
外国人の目で見た横瀬町の魅力はどのようなところにあると思われますか。
横瀬町
東京から最短72分で着けるということをお話しましたけれども、私もJICAから出向してきておりましてちょうど一年経つのですが、「一時間ちょっとでこんなに自然豊かな非日常を味わえる場所があるんだ」という、そこが非常にインパクトが強い。また、まちのシンボルであります武甲山やUBE三菱のセメント工場などは非常に映えると言いますか、非常にインパクトの強い映像として心に残っていまして、JICAの関係者が東京から日帰りで視察に来ますが、皆さん非常に満足して、恍惚とした顔で終電に乗って帰られますので。やはりその短時間で非日常生活・非日常感を味わえるというところが横瀬の魅力なんじゃないかと思っております。
モデレーター
そういったインバウンド向けの魅力あるコンテンツの発信と言いますか、プロモーションみたいなことは、どの程度やられているのでしょうか。
横瀬町
例えば、ホームページにしても英語版などがまだ作っていない状況ですので、そういったところの整備もしっかりと進めて、対外的にもアピールしていかなければいけないと思っております。大学生の方が視察にいらっしゃって、町にプロジェクトを提案したいというようなことをおっしゃるんですけれども、対外的に横瀬の魅力をライブで発信していただくような、そういった取組を是非お願いしたいと思っています。
モデレーター
なるほど。そこも今回の企業からの提案の一つのテーマとして、「発信」も期待したいということですかね。ありがとうございます。ちょうど今、御質問をいただきました。昨日の秩父市さんのピッチもいくつかの要素の中に“外国人、インバウンド”というキーワードがありましたが、「隣町である秩父市や小鹿野町との連携についてはいかがでしょうか」という御質問ですが、この辺いかがでしょうか。
横瀬町
そうですね。公共交通機関に係る会議などは開いているんですけれども、観光における誘客といったことについては、私も直接担当していないので、どこまで進んでいるかっていうのはこの場では申し上げられないのですけれど。私も秩父市にはたまに行きますが、外国人の方が結構いらっしゃったりとか、横瀬に比べると外国人の数が多いという感触は持っています。
モデレーター
軽々には言えないかもしれませんけれども、可能性の問題として、例えば今回、秩父市さんも似たようなピッチがありましたが、企業からの提案を広域で受け止めて、連携して、秩父市、横瀬町、小鹿野町、企業の4者の座組の中で連携した実証事業を行うといったことも視野に入っているという理解でよろしいですか。
横瀬町
そうですね。例を挙げますと、「よこらぼ」で提案のあった、外国人向けの暮らしの便利帳のアプリを作成しましょうと、最初、横瀬でやろうとしたんですけれども、外国人が80人しかいない状況ではスケールメリットがないということで、秩父市さんと相乗りで実施しているということもありますので、スケールメリットを追求する形で秩父市さんなり、1市4町で共通の課題があるのであればスクラムを組んで取り組んでいきたいと思っています。
モデレーター
御質問ありがとうございます。それでは最後に福井さんから企業に向けてメッセージをお願いいたします。
横瀬町
今日に向けて、気合を入れて髪をバリカンで短くしてきたんですけれども、私は国際協力機構から出向してきて1年が経ちまして、地方創生というのは全くこれまで関わりのないものでしたが、実際に横瀬町で働いてみて、非常に皆さんが前向きにチャレンジングな取組をしているなと思っています。「こういう提案があるんだけど」って、JICAのつてで研修支援をしたりすることがあって、業務負荷が相当増えるので、「多分ノーと言われるだろうな」という提案も「やりましょう、やりましょう」ということですぐに町長まで届き、5分くらいで話が決まっちゃうくらいで、出向元のJICAは2,000人くらいの規模の会社組織なので、非常に上にあげるまで時間がかかるんですけれども、その辺は非常にスピーディーな対応できているのは素晴らしいなと思っています。良い意味でちょっと変わった町かなと思っておりますので、決してノーとは言いませんので、是非前向きな御提案の方を期待しております。是非我々と一緒に“日本一チャレンジする町”でチャレンジしてくれる皆さんからの御提案をお待ちしております。ありがとうございます。
モデレーター
ありがとうございます。良い意味で変わった町というのはいいですね。良い取組をたくさん皆さんで生み出していきたいと思いますので、福井さんありがとうございました。
横瀬町
ありがとうございました。
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