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掲載日:2024年11月1日
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一次産業は毛呂山町の財産。そこに携わる方たちの熱い想いに触れ、共感し、何度もこの町を訪れてもらえる、産業の活性化と賑わいの増加に繋がるきっかけを作りたい。
下の図をクリックすると、拡大した図が表示されます。
毛呂山町
毛呂山町まちづくり整備課の加藤と申します。本日は、「想いに触れる体験で何度も訪れてもらえる毛呂山町へ ~産業による賑わい創出~」と題して発表させていただきます。どうぞよろしくお願いいたします。
まず、町について御紹介をさせていただきます。
毛呂山町は埼玉県の南西部に位置し、人口は約32,000人、都心から50キロメートル圏内であり、東武東上線池袋駅から約1時間と交通のアクセスも良い”ちょうどよい”町です。
日本最古のゆずの産地で「桂木ゆず」が有名です。また、流鏑馬がシンボルの歴史と伝統のある町です。この二つの桂木ゆずと流鏑馬をモチーフにした「もろ丸君」がまちのマスコットキャラクターとなっております。
埼玉医科大学をはじめとして周辺に大学が多いため、学生が多いのが特徴です。季節ごとに見せる豊かな里山の景色や美味しいグルメなど、毛呂山町にはひとつに絞れない魅力があります。
全国どの自治体も人口減少が年々進行しておりますが、毛呂山町も人口減少に歯止めが効かず、グラフにあるとおり、2045年には現総人口の32,000人から22,000人と約1万人も減少すると予想がされています。
さて、今回の提案の背景といたしまして左側の図を御覧ください。先ほども述べた人口減少を引き金に、町では空き家・空き店舗が増加し、産業や賑わいが減少しています。また学生が多いため、卒業や就職を機に町外へ出てしまうことに加え、出生率が低く30代から40代の生産年齢人口を他地域からの流入に頼っている自治体として「ブラックホール自治体」にも今年の4月に認定されてしまいました。県内ワースト3位の空き家率であり、産業の減少が原因で町の外へ人口が流出し、それによって賑わいが低下、さらに、町から人が出て行くことで、お店の人も満足に商売が出来なくなってしまっています。
こちらは駅がすぐ近くにある中心市街地の商店街なのですが、シャッター商店街となってしまい、寂しい雰囲気が漂っています。
毛呂山町の盛んな産業であった1次産業をピックアップすると、グラフのとおり昭和50年と比較して、こんなにも従事者数の減少が見てとれます。毛呂山町の総面積のうち森林面積が約4割のため、昔は特に林業が盛んで、山が管理されていました。しかし、先ほどのグラフにあったとおり、従事者数の減少による現在の毛呂山町の姿が、こちらになります。
左側の写真を御覧ください。こちらは、毛呂川という川で、この2枚は全く同じ場所から撮影をしています。80年の間にこんなにも川幅や水量が減ってしまっております。この現象は、林業の衰退から山の管理ができなくなり、木が根を張って土を留め、水を貯えるという機能が弱まったため、水量が減少してしまいました。また、これらの要因から実際に令和元年の台風で大きな被害が発生しました。
そのような現在の負のループを、このたびの民間企業の皆様との取組をきっかけに、産業の発展・賑わいを増加させ、好転させていきたいと強く思っております。そこで、毛呂山町の解決したい課題は、産業の活性化・賑わいの増加につながる「きっかけ」を皆さんとともに作りたいと考えています。
関係人口の増加、主に頻繁な訪問・二拠点居住を増やすという目標に向けて、まずは毛呂山町を知ってもらって、ファンになってもらえる「きっかけ」が必要だと感じております。そこで、人の想いに触れる体験を通して、何度も訪れてもらえるような賑わいのある町を創出したいと考えております。
想いに触れる体験とは。人の心を動かすのは人の思いや情熱に触れる体験であり、人が町を変えていき、つくっていくと考えています。背景や想いを持った人にスポットを当て、人と関わることでしか感じられない「想い」に触れてもらって、共感できる仲間を募りたいです。
体験の例としまして、昨年度、産業の賑わい創出のため「親子で1日木こり体験」を町内の材木店に御協力いただき、地元の木を切る体験を開発しました。町の人にとって木を切るという光景は珍しくなく、また材木店さんからしたら通常の作業のため、最初は「本当にニーズがあるのかな」と、ピンと来ておりませんでしたが、参加者の体験している表情や温かい感想をいただき、気づけなかった価値や新たな視点を、この体験を通して知ることができました。大好評の体験でしたため、今年も継続して実施をいたします。
そこで、民間企業の皆様へお願いしたいことは、先ほどの木こり体験のように、 産業の活性化・賑わいの増加につながる「きっかけ」になるコンテンツを共創していただきたいです。第3者の視点から、地元に住んでいる人では気づけない「価値」を教えていただきたく考えています。お願いしたいことは大きく3つです。
まず1つ目は、町の豊かな自然風土を活かした商品や体験のアイデアを一緒に考えていただきたいです。次に2つ目は、町内外の人が交流できる仕組みを作っていただきたいです。最後に3つ目は、それらの取組を効果的な情報発信できる仕組みを提案していただきたいです。
町としては「実装」まで共創してくださる企業の皆様に御提案をいただきたく思っています。
こちらが提供できるリソースは、3つあります。1つ目は、毛呂山町の都市公園をはじめとした普段は使うことのできない公共空間から豊かな自然あふれる里山まで、場所を広く提供できます。2つ目は、御提案いただくコンテンツをふるさと納税を活用して、御負担なく事業拡大のためのテストマーケティングをしていただくことが可能です。3つ目は、まちづくり会社と共に地域のレアな情報や地元のプレイヤーをつなぐことができます。また、大学生との連携も可能です。
先ほど「まちづくり会社と共に」と申し上げましたが、御提案いただくコンテンツを進めるに当たり、「株式会社もろやま創成舎」という毛呂山町のまちづくり会社とともに、事業を推進できます。創成舎は、ビジネスコンテストなどの地域活性化事業とふるさと納税事業、再生可能エネルギー事業をしている会社になります。
想いに触れる体験のコンテンツを回し始めることで、町内外との交流や価値に気づき、町内事業者や町内に賑わいが出て、正のループへ好転すると考えています。
企業の皆様のメリットとしまして、ソーシャルビジネスの創出、町内の事業者とのイノベーションができます。また、町から山まで広く実証の場としていただくことで、より多彩な事業の実施や横展開も可能です。そして、まちづくり会社との連携によって、多くの町民との間に入りコミュニケーションを円滑にとることが可能で、より地域の協力を得られる環境になるかと思います。
最後に、これまでのまとめをスライドには記載しています。
担当部署の想いとしては、毛呂山町の課題は、町民が本来輝いている魅力や価値に気づけていません。そのため、産業の活性化に向けた対策やアピールをする効果的なコンテンツの少なさ、人材不足などが顕在し、なかなか効果的な施策を打てていない状況です。魅力の発見や発信ができていない町は人がどんどん外へ流出してしまい、負のループが止まりません。企業の皆様が感じる毛呂山町での発見や価値を教えていただき、心を揺さぶるような体験、人の想いに触れるコンテンツを共創し、何度も訪れてもらえる毛呂山町にしたいです。是非、皆様の力をお貸しください。企業の皆様からの御提案と御連絡をお待ちしています。御清聴ありがとうございました。
モデレーター
ありがとうございます。ここから質疑に入っていきたいと思いますけど、皆さんよろしければチャットにも質問いただければと思います。本日は全ての自治体さんについて、グラフィックレコーディングを作成しております。今、加藤さんにピッチしていただいた内容をコンパクトに一枚にまとめています。「想いに触れる体験で何度も訪れてもらえる毛呂山町」ということで、今解決したい課題があり、目指す未来があり、企業に期待することなど、今、加藤さんに発表いただいた内容を一枚に俯瞰的にまとめています。今、ここの右下部分が空欄になっていますけれど、これからの質疑応答の内容などをここに反映させていく形になりまして、このガバメントピッチのイベントが終わりましたら、公表して提案の参考にしていただければと思っております。
是非、質問があればよろしくお願いします。では、皆さんからの質問が来るまでの間は、私の方から何点か質問させていただきたいと思います。「想いに触れる体験」ということで、まちの方々がまだ自分たちの魅力に気づいていないものを発掘して、まちの方々の想いに触れるということですけれども、「まちにはせっかく良い活動をしている、すごく素敵な想いを持っているのに、そこに自分たちで気づけておらず、発信していない方が毛呂山町にはたくさんいる」というような認識でよろしいでしょうか。
毛呂山町
そうですね。まちの職員として事業者さんと関わる中で、表には出ていないだけで、心の中で「自分はこういうことをやりたいんだ」という熱い想いを持っている方が毛呂山には沢山いらっしゃるんだなとすごく思って、心を動かされる毎日です。
モデレーター
実際にそういった想いを持って活動されている方々もいらっしゃるということでいいですか。
毛呂山町
そうですね。木こり体験の事業者さんなども本当に熱い想いを持っていて、この体験をきっかけに色々挑戦してくださっている状況です。
モデレーター
せっかく、そうやって良い取組をしているし、想いも持って活動しているけれども、局所的、単発的でどうしても大きな影響を及ぼすには至っていないということかなと思うんですけれども、せっかく良い想いを持っていて、良い活動をしているのに、それが広がらない理由として、役場の最前線の立場で加藤さん御自身はどのように見ていますか。
毛呂山町
広がりや大きな盛り上がりを生み出せていない理由は、一番はやはり人材不足というのがあるのではないかと考えています。年に何回も開催できていたり、継続して何年にも渡ってできるようなイベントや活動ですと、認知も町内外に広がっていくのかなと思いますが、今回の木こり体験もそうですし、実施する人材がとても少なくて、年に何回も開催することができないので、やはり局所的なものになったり、継続して進めたいとは思うんですけれども、なかなか現実的には難しいのかなと思っておりまして、人材不足が盛り上がりを生み出せていない理由の一つではないかと思っています。
モデレーター
「想いに触れる体験」とのことですが、どういう方に想いに触れてほしいのか、どういう方に来てほしいのか。言い方を変えると、毛呂山町としてはどういった方をターゲットにしていくのか、加藤さんの感性でイメージするものを教えてください。
毛呂山町
私が個人的に考えていることなんですけれども、都会に勤めてらっしゃる方ですとか、都会にお住まいの方が、毛呂山町の自然に触れてみて、体験したことないものでしたり、田舎でしかできない体験を通して色々なことを感じでいただけると嬉しいなと考えていました。近くの他の市町村の方も、町民の方ももちろんそうなんですけれども、町でしかできない魅力をより発信して、伝えられるのはそういう方なのかなと思っています。そういう方をターゲットにしたいと個人的には考えています。
モデレーター
そうすると、イメージ的には都市部の方々で、というイメージですかね。自然や自然体験に関心があるような。年齢的には、とかありますか。やはり、「若い人に来てほしいな」とか。
毛呂山町
若い人にも来ていただきたいなとは思っています。でも、若い人だけではなくて、色々な方に来ていただければなと思っています。
モデレーター
その、どういう方に来てほしいかという視点で言うと、毛呂山町が持つ資源としては、先ほど「自然・風土・森林資源」というお話がありましたが、ちょっと冷ややかな見方でいうと、自然も、風土も、森林も、日本中にいっぱいあるという中で、「毛呂山町は違うんです」と。「ここが売りなんです」みたいなことってありますか。
毛呂山町
毛呂山町の一帯では「西川材」という木材となる木が多く生息しているんですけれども、その上質な西川材が毛呂山町には多くあって、これが毛呂山町の森林資源の強みかなと思っております。
モデレーター
なるほど。特徴的なものもあるので、ただ山があります、森林資源、空気がおいしいだけではなく、ちゃんと特徴もあるので、そういった特徴を訴求させていきたいって感じですかね。
毛呂山町
そうですね。
モデレーター
ここで御質問を一ついただきました。マーケティング的な視点の話かなと思いますけれども、デジタルマーケティングを得意としている企業さんからの御質問で「どんな企業さんと一緒に仕事をしたいですか」。裏返せば、デジタルマーケティングとか、そういう分野にも御関心がありますか、といった趣旨の御質問かなと思いますけれども、その辺、いかがでしょうか。
毛呂山町
デジタルマーケティングにも関心はあるんですけれども、質問への御回答としましては、先ほどのスライドの中にもあるとおり、町民が普段住んでいるだけでは気づけない価値があるんですね。その気づけていない価値とか、面白いアイデアを持つ、共創してくださる企業さんを毛呂山町は求めておりまして、デジタルマーケティングの企業さんももちろんそうなんですけれども、実際に実装までできる企業さんにお願いをしたいなと思っております。また、森林も多いので、森林とか山林とか、自然に関するノウハウやアイディアがある企業さんにお願いしたいなと思っております。
モデレーター
取組全体を工程で見た時に、マーケティングは比較的川上にあり、どういった人をターゲットにするか、どういった方に届けていくか、どういった方が毛呂山町にヒットするかみたいなことを発掘しつつ、ターゲットを絞りつつ、その先の実装も含めて一緒にやっていける。そうなると一つの企業じゃなくても良いですね。
毛呂山町
そうですね。
モデレーター
マーケティングが得意なところ、事業化が得意なところ、みたいなところも含めて、企業と企業と毛呂山町と、みたいな、そういう座組もあり得るということでいいですかね。
毛呂山町
そうですね。
モデレーター
最後に加藤さんから、まさに「想いに触れる」。最初に想いに触れるのは、やはり加藤さんの想いに触れていただかないと、ということで、加藤さんの想いに触れさせていただきたいと思います。メッセージをお願いします。
毛呂山町
毛呂山町の現状は、主に少子高齢化の影響などによる産業の減少や、そこからくる「満足に商売ができない環境」を私は課題に感じています。職員として町内の多くの事業者さんと関わる中で、熱い思いを持って毛呂山町を盛り上げようとしてくださる方が多くいることに心を動かされまして、そのような人たちが輝けるまちにしたいと考えています。
ただ、悔しいことに現状では効果的な施策に限りがあるので、企業の皆様の視点やアイデアをいただきながら、まちの賑わいにつながるきっかけを一緒に作っていただければと思っております。この取組をきっかけに、町民が幸せに暮らすこと、毛呂山町の宝である山を含めた地域環境が豊かになるたくさんのきっかけを多く作り出せるように、皆さんの力をお貸しいただければなと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。
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