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掲載日:2023年10月18日
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点在する観光施設や商業店舗など、様々な場所の点と点を、二次交通やウォーキングに関連したサービスを活用することで線で結び、中心地の賑わいをまちなかへ展開したい!
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横瀬町
横瀬町役場、まち経営課の町田と申します。今回は、埼玉版スーパー・シティプロジェクト、ガバメントピッチということで、「中心地の賑わいを拡げ、活気あるまちを目指して~乗ってラクラク、歩いて楽しいまちづくり~」をテーマに、横瀬町の課題、目指す姿、そして企業の皆様からいただきたい御提案について、お話をさせていただきます。
まずは簡単に、横瀬町の概要について、御紹介します。
横瀬町は、埼玉県の西部「秩父地域」と言われるエリアの、最も東側に位置しています。東京から電車で最短70分強で行ける距離で、大変自然豊かな町となっています。人口は約7,800人で、毎年約100人ずつ人口が減っている、消滅可能性自治体となっています。主な産業は、石灰岩を扱う窯業や、観光農園などの農林業ということで、自然の恵みを活用した産業が盛んであるという特徴のある地域です。
これらの写真、御覧のように、里山の原風景が残る町並みに、伝統文化や地域のお祭り、歴史あるお寺、地元産の蕎麦やどぶろくなどがあり、こうした歴史や自然の魅力を観光コンテンツとして活用したまちづくりを積極的に行っています。
そのような観光事業と合わせて、横瀬町がこれまで取り組んできたこと、そして、現状としまして、「中心地の賑わいづくり」ということを進めてきました。特に、横瀬町が実施している特徴的な取組として、通称「よこらぼ」という官民連携プラットフォーム事業がございます。「よこらぼ」の仕組みについての詳細は、今回は割愛させていただきますが、民間企業や団体、個人などから、様々なプロジェクトを御提案いただき、官民連携で数多くの事業を実施した実績がございます。こうした取組を通して、域外から多くの関係人口・交流人口の流入を促し、さらに、町主要部における遊休資産や施設を活用した拠点づくりを行うことで、横瀬町は、多様な人が多様な幸せを実現できる町「カラフルタウン」に近づいてきております。
こうした取組の成果もあって、横瀬町の中心地には、現在、コミュニティスペースやコワーキングスペースをはじめ、民間の教育機関に、木材加工のクリエイティブ施設など、様々な拠点が整備され、地域や年齢、職種など、多様な人たちがその境界を超えた交流をもつことのできるエリアとして、賑わいが生まれてきています。
こうして中心地の賑わいづくりをしてきた横瀬町が、これから目指してきたいこと、目指す姿としましては、この、コンパクトなまちづくりにより、中心地に集まった町の賑わい・活気を、まちの全域に拡げていきたい、というものでございます。
これはつまり、単に拠点を広く整備していくということではなく、中心地の拠点と、それとは別の、町内に点在している観光施設などの様々な場所との間で、人や活気が、相互に行き来している町を目指していきたいというふうに考えています。
この、「人と活気が相互に行き来している町」を目指すため、二次交通とウォーキングという2つの移動手段に着目しまして、これらを整備・促進していくことで、人が流れることのできる仕組みづくりをし、賑わいの拡大をしていきたい、というふうに考えています。
まず、二次交通の理想についてですが、「誰でも、どこでも、移動しやすい町」というのを目指したいということで、これはつまり、誰でも、気軽に、どこへでも、利用ができる交通手段があって、かつ、それぞれの世代や属性に応じた、適した交通手段が隙間なく整備されているというようなカタチが理想的である、というふうに考えています。
続いて、ウォーキングの観点では、ズバリ「日本一歩きたくなる町」というのを目指したいと考えています。具体的には、町外から訪れた方にとっての観光や、地域住民の健康増進など、幅広い層の人たちが「横瀬町を歩いていて楽しい」と思ってもらえる町、また、ふだん余り歩かない方や、ウォーキングがそれほど好きでもないな、という方が、「歩いてみたい」と思えるような「日本一歩きたくなる町」を作りたいと考えています。
例えば、都内に住むこんな若者、仮に「都心来太郎(としん・きたろう)さん」としますが、彼は、いわゆる「最近の若者」で、車も運転免許も持っていません。彼が横瀬町を観光する際に、二次交通が切れ目なく整備されていれば、より気軽に横瀬町に来て、より町を楽しんでもらえるのではないか。
また、横瀬町の住民の方、こちらは仮に「横瀬太郎(よこぜ・たろう)さん」としましょう。定年退職後、健康のためにウォーキングをしたいと思っていても、なかなか続けるのは難しいものだと思います。そんな太郎さんのウォーキングが、少しでも楽しく、日々継続のモチベーションにつながるようになっていれば、もしかしたら、太郎さんの老後が、より健康で、楽しみのある生活とすることができる、そんな一助になるかもしれません。
では、この二次交通とウォーキングについて、横瀬町はこれまでどのような取組をしてきて、どのような現状になっているのかについて御説明します。
まず、二次交通としましては、観光客向けのレンタサイクル事業を実施しています。また、昨年度から、隣の秩父市と連携して、バスやタクシー、電車の乗り継ぎ情報を検索できる観光型MaaS(マース)アプリの「のってみ秩父」を開始しました。地元住民向けの取組としては、令和3年度から、既存の巡回型のコミュニティバスを廃止し、AIデマンド型の乗り合いタクシー事業「のりあいブコーさん号」を実施しています。
以上のような取組を行っておりますが、デマンド型乗り合いタクシー事業は、現状住民のみの利用となっており、誰でも使える二次交通としてあるレンタサイクル事業については、設置場所の少なさや、管理のコスト等の関係から、利便性の拡大に課題があり、なかなか利用者が伸びていない状況です。観光バスなどの公共交通についても、赤字路線化が顕著であり、運行本数がどんどん減ってしまっています。
ウォーキングの取組に関しては、町内にある自然や、点在する文化遺産、観光拠点等を活かすため、かねてよりウォーキング事業に力を入れており、住民が自宅のお庭を観光客向けに開放する「オープンガーデン」など、様々な事業を展開していました。さらに、令和3年度からは、コロナ禍でもできる観光誘客や健康増進、人の輪づくり事業ということで、「日本一歩きたくなる町プロジェクト」として、ウォーキングコースの整備はもちろん、様々なイベントを実施し、本格的にウォーキングに特化した事業展開を開始しています。
こうして「日本一歩きたくなる町プロジェクト」を実施していますが、課題も幾つか出てまいりました。その大きなものとして、ウォーキングに関する様々なイベントを開催して誘客を図っていますが、イベント時のみの集客にとどまってしまっている状況です。他にも、まだまだ若者向けのウォーキングに結び付かないことや、車社会ということもあり、住民が余り歩いて移動することがない、というような状況となっています。
そうして、これまで町が行ってきたこと、そしてそこから生まれてきた課題をまとめると、このようになります。町の中心地には、様々な拠点整備や官民連携事業などで、賑わいが生まれてきている。しかし、既存の観光拠点や飲食店などは町内に点在しており、中心地の賑わいがまち全体に広がっていかない。
これは、二次交通が、誰でも気軽に、便利に使えるように整備されていないこと、また、歩いてそうした拠点間を移動してみようと思える魅力が弱いことが要因のひとつになっているということです。
このような課題が、いずれは、中心地以外のまちなかの活力を衰退させ、閉店するお店や施設が増えていく。そして、観光やまち歩きのコンテンツの魅力が低下していくことで、町全体の魅力がどんどん損なわれていってしまうことが危惧されています。
さて、ここから、横瀬町が企業の皆様に御提案いただきたいことをお話させていただきます。
企業の皆様には、これまでお話させていただいた横瀬町における二次交通と、ウォーキングの課題解決、そして、町の目指す未来の姿の実現に向けたお力添えをいただければと考えています。まずは第一歩として、調査や実証試験など、スモールスタートな取組からでも大歓迎です。
例えば、今流行りの電動キックボードに関する事業や、シェアサイクルのブラッシュアップ、位置情報を利用したまち歩きアプリなどと、こちら(スライド)には記載させていただいていますが、これはあくまで例示ということで、既存の発想にとらわれず、ここにはない様々なアイデア、提案を広く募集いたします。
そして、このような御提案をいただけた企業さんと事業を進めるに当たり、横瀬町からは次のようなリソース・価値の提供をいたします。1つ目、横瀬町は小さい自治体ですので、だからこその意思決定、実行の速さがあります。スモールスタートな実証試験など、スピード感を持って取り組むことができます。2つ目、横瀬町は官民連携プラットフォーム「よこらぼ」で培った経験から、民間企業との連携のノウハウなどを活用することができます。そして3つ目、横瀬町の抱えている課題、特に二次交通に関しては、実は秩父地域共通の課題とも言えます。横瀬町での取組をきっかけに、近隣自治体、または広域での取組につながる可能性もございます。
改めて、まとめとしまして、町は、町内の周遊・移動における利便性やインセンティブを強化したいという想いがあります。特に、二次交通、またはウォーキングに関する拠点間を結ぶ方策に困っており、企業の皆様には、実証試験としての取組から、幅広いアイデアを募集したいと考えています。特に、この町の課題解決に一役買いたいと、情熱をもって臨んでいただきたいと思っています。そして、町は、小さい自治体ならではのスピード感と、これまでに官民連携で培ったノウハウやネットワークを活用し、他自治体、広域連携などの横展開も視野に入れ、共に事業実施をさせていただきます。横瀬町の持つリソースと、皆様のお持ちの技術やノウハウを活用し、横瀬町で面白いこと、課題解決につながりそうなことがありましたら、是非、御提案をいただければと思います。横瀬町の発表は以上となります。ありがとうございました。
モデレーター
町田さん、ありがとうございます。めちゃくちゃいいですね。今、町田さんに横瀬町のことを発表していただきましたが、チャットでもですね、これから質疑応答の時間を進めていければなと思っているんですけど、感想とか質問も是非、書いてあげてください。横瀬町「中心地の賑わいを拡げ活気あるまちを目指して」というところで、こういったグラレコも描いてくれております。ここから質疑応答の時間で、最初に僕の方から口火を切っていきながら、町田さんにいろいろ聞いていければなと思うんですけど。横瀬町、「よこらぼ」もそうですし、「エリア898(はちきゅうはち)」ですとか、「ENgaWA(えんがわ)」とか、いろんな活動があるんですけども、その「実証実験をやっていきましょう」と言った時に、そうした、団体というか場所とか、そういった人たちとの連携は、前向きにやっていけるものなんでしょうか。
横瀬町
町が既に緊密に連携を取っている団体・事業所もですね、連携をとりながら、事業実施をしていくという考えを持っています。
モデレーター
今、いろんなことをやっているじゃないですか、横瀬町って。質問でもいただいているんですけど、この町の魅力がいろいろあるのは分かるんだけども、町の資産であったりとか魅力の資産を知るには、どこを見るといいですかっていうような質問なんですけども、どこを見るとぱっと分かりやすいですかね。
横瀬町
それは、いわゆる現地ですかね。それともウェブ上でみたいなものになるのでしょうか。
モデレーター
一旦、ウェブで。この提案をいただくのに、いきなり現地行くのは多分ハードルが高いので。
横瀬町
そうですね、ウェブでいいますと、「よこらぼ」と調べていただきますと、先ほどスライドの中でもお話させていただいた官民連携事業「よこらぼ」というものですね。これまで133のプロジェクト、民間企業さんと一緒にやってきたプロジェクトがあるんですけれども、そちらを一覧として掲示をさせていただいておりますので、横瀬町がこれまで連携してきた事業とか、チャレンジしてきたことなどを、一気に見ていただくことができるかなというふうに思っております。
モデレーター
今、Zoomのチャットにも、「よこらぼ」(のURLを)貼らせていただきました。例えば、他の「エリア898」であったりとか、そういったこの横瀬町がこういう面白いことやってるんだよっていうのも、「よこらぼ」を見ると全体像的に把握できますかね。
横瀬町
そうですね。全体像としては「よこらぼ」を見ていただくのが一番いいかなというふうに思います。あとは、結構、横瀬町はフェイスブックなんかも投稿していたりしますので、横瀬町の公式フェイスブックなんかも御覧いただけるとありがたいなと思います。
モデレーター
後ほど、Zoomのチャットにも、横瀬町の公式のフェイスブックのサイトを事務局の方から貼らせてもらえればなと思っております。改めて、この二次交通みたいなところで、キックボードとかも「一部の例示です」みたいなことあったと思うんですけど、いわゆる、このライドシェアみたいなところ、実証実験としてのライドシェアみたいなところっていうのも、その提案としては合致していきそうなんですかね。
横瀬町
そうですね。どのような世代にヒットするかって、やっぱり分からないところがあるので、そういった試してみたいっていうところからですね、是非、一緒にやらせていただきたいなというふうに思っています。
モデレーター
こんな業種と組みたいっていう、特定の業種っていうことは余りないとは思うんですけども、「こんな企業と一緒になって取組を進めていきたいんだよね」とか、「こういう人たちと一緒にやっていきたいんだよね」みたいなイメージというか、像みたいなところって、改めて教えてもらっていいですか。
横瀬町
そうですね、やっぱり業種に関しては晝田さんがおっしゃるとおり、大きなこだわりとかっていうのはなくてですね、やはり、町としてもやっぱり全力で町おこしをやっていきたいっていうところの中では、企業の皆様、特に御担当者の方がですね、それこそ横瀬町の町おこしに一役買ってやろうという熱意を持って関わってくださる方と一緒にやっていきたいなというふうに思っております。
モデレーター
ありがとうございます。この二次交通、社会実装までっていうところまでは、もしかしたら結構時間がかかってくる部分もあるのかなとは思うんですけど、今後の展望とか、期待みたいなところを教えていただけると嬉しいです。
横瀬町
やっぱり、理想としては最終的にはそういった二次交通の整備であったりとか、日本一歩きたくなるまちの実現っていうのが、もちろん理想ではあるんですけれども、そういったところに向けて一歩一歩、この経験であったりとか、実証試験というものがですね、積み重ねができるというのが、まず第一歩としてやっていきたいと思っているところでございます。
モデレーター
人口減少が横瀬町にはどうしてもあるよね、っていうことがあるかと思うんですけども、そうした中で、そこの、人口が減っている要因みたいなところって町田さんどのようにお考えですか。
横瀬町
実際、秩父地域として、やっぱり働きに出るっていうところで、秩父地域で働ける場所が少ないであったりとか、あとは純粋な少子高齢化の中で自然減少がかなり進んでいるっていうところがあります。そういった中で町も、この人口減少を少しでも止めるためにということで、いわゆるチャレンジをし続けて、若者たちに「うちの町いけてるかも」って思ってもらえるように、やっているというような背景があります。
モデレーター
最後に町田さん、改めて思いを共有していただけると嬉しいです。
横瀬町
また、改めての話になっちゃいますけれども、私たち横瀬町役場の職員は、人口減少を含めて、横瀬町がこれからもっと発展していけるように、持続できるようにということで、熱量を持って取組を様々させていただいております。そういった中で、そんな自治体と一緒に事業をやってみたいと思っていただけるような、民間企業さん、また担当の方がいらっしゃいましたら、是非、積極的に御提案をいただきまして、一緒に事業ができればというふうに思っております。是非、よろしくお願いいたします。(終)
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