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掲載日:2024年12月27日
Q 永瀬秀樹 議員(自民)
私ども自由民主党議員団が中心となり、基準病床を確保し、さいたま市浦和美園地区へ建設を予定していた順天堂大学医学部附属病院が、先月29日、順天堂大学側の一方的な方針により中止となることになりました。
順天堂大学学長らが県庁を訪れた際に示された中止の主な理由は、建設費の高騰、医療機関を取り巻く状況の変化とのことです。
しかしながら、度重なる病院整備計画の変更を行い、2020年度の開業予定を大幅に遅れさせ、挙げ句の果てに中止という結果は、県民の期待を大きく裏切る形となり、かつ、県の地域保健医療計画に大きな影響を与えるものであり、中止、はい、そうですかで終わる話ではありません。
そもそも当病院整備計画は、県内の人口10万人当たりの医師数が全国で最も少ない状況を解消するため、高度な医療提供とともに県内への医師派遣を主とした事業でした。これまでの経緯を鑑みますと、当計画の推進にたゆまぬ努力をされた諸先輩方や御協力を頂いた関係各位の皆様に申し訳ない限りであり、順天堂側の一方的な対応に憤りを感じざるを得ません。
そこで、以上の事実を踏まえて、4点、知事に質問させていただきます。
第1に、医師不足地域への医師派遣について、現在派遣されている地域への派遣は今後どのようになるのか。また、医師派遣事業は継続されるのか。さらに、計画どおり拡充されるのか、お伺いします。
第2に、病院整備計画が決定した2015年以降、順天堂大学に割り当てられていた800床は、未整備のまま時が過ぎています。さいたま医療圏が不利益を受け続けていますが、今後どのように未整備病床を整備するのでしょうか。
第3に、順天堂大学医学部附属病院の整備予定地である7.7ヘクタールの公有地は、今後どのように活用していく予定でしょうか。これには、さいたま市との共同も必要となりますので、さいたま市との協議についての考えも伺います。
第4に、今回の病院整備計画は、順天堂大学が公募に応募し、当選を経て決定したものです。これまで約10年にわたり、事業用地の管理、職員配置、医師派遣計画、病床未整備による不利益など、契約不履行により多くの損害が生じています。順天堂側にこれらの損害を請求する考えはあるのでしょうか。
また、賠償請求の代わりに県内医療機関への協力強化を求めることもできると考えます。例えば越谷市立病院は、県東部地区の産科の基幹病院となっており、順天堂大学の医局の影響が大きいところです。このような医療機関への体制強化を求めてはいかがでしょうか。
以上について、知事の御所見をお聞かせください。
A 大野元裕 知事
順天堂大学医学部附属病院の誘致は、医学部新設が原則認められない状況下において、県議会の御尽力で、国に基準病床数の再算定を認めていただいたことにより公募が可能となり、今日まで浦和美園地区において病院整備の実現に向けて取り組んできたところであります。
こうした中、本年11月29日に順天堂大学学長から、病院整備計画の中止報告がありました。大学が本年7月の申し出において、「当該事業を基本方針に沿って推進していく方針に変更はありません」と明記されていたため、大変驚いたところであります。
800床の大学病院の開院に対する県民の期待は大きく、中止になったことは大変残念であり、その整備を長く待ち続けた中で、このような報告となったことは遺憾であると思っております。
まず、医師不足地域への医師派遣についてであります。
学長との面会に際し、私から学長に対して、病院誘致の最大の目的は、県内医師不足地域への医師派遣であったことから、病院整備は中止となったものの、県内の医師派遣に、引き続き変わらぬ協力を頂きたい旨をお話をいたしました。
学長からは、現在派遣している2名は任期までは継続をし、その後は別途協議に応じるとのことでした。
医師派遣計画では附属病院の開院前までは2名、その後漸増させ、令和14年度からは20名規模の派遣となる予定でありました。
一方、本県の医師育成奨学金の貸与医師については、令和14年度には400人を超える県内での義務従事となる見込みであり、また、今後は義務従事を終えられる医師も多数輩出されます。
医師偏在対策等、本県が直面する課題に対応すべく、これらの見込みを総合的に勘案をし、将来の医師派遣のニーズに応えてまいります。
また、医師に将来にわたり埼玉県に定着していただくため、引き続き、県医師会との協力を進めるとともに、医師不足地域の医療機関等の意見を伺いながら、対策を検討してまいります。
次に、今後どのように未整備病床を整備するのかについてであります。
議員御指摘のとおり、順天堂に割り当てられていた800床により、さいたま医療圏では他の医療機関が病床を整備できなかったことは認識をしております。
今後の病床整備につきましては、医療提供体制を協議する地域医療構想調整会議や医療審議会において地域の医療ニーズ等を伺いながら、しっかり検討していく必要があると考えております。
次に、病院建設予定地を今後どのように活用していくのか。さいたま市との協議はどうするのかについてであります。
病院建設予定地をどのように活用していくのかにつきましては、今後の病床整備をどうしていくのかという問題にも大きく関わるところであります。
医療提供体制を協議する地域医療構想調整会議や医療審議会において地域の医療ニーズ等を伺うとともに、さいたま市とも丁寧に協議を行いながら検討をしてまいります。
次に、順天堂側への損害の請求を考えているのか。また、請求の代わりに県内医療機関への協力強化を求めることはできるのか、できると考えるのがどうかについてでございます。
この度の件に関して、顧問弁護士に法的な見解を伺ったところ、これまでの経過を踏まえると、県と順天堂の間に具体的な権利義務関係が生じていると考えることは妥当ではないとのことでした。
この法的見解に従えば、議員御指摘の契約不履行により多くの損害が生じた責任を問えることにはなりません。
そのため、現時点で、中止届の提出があったことについて、県が順天堂に対して損害賠償を請求することは考えておりません。
また、面会の際に、学長に対して、県内の医師派遣に、引き続き変わらぬ協力を頂きたい旨をお話しをいたしました。
今後の医師派遣については、引き続き、順天堂と協議を進めてまいりたいと考えます。
再Q 永瀬秀樹 議員(自民)
先ほどの答弁では、法的な見解は権利義務関係はないというお話でしたが、今回の病院整備計画は、順天堂大学が公募に応募し、県が採用を決定し計画が進められているものであります。したがいまして、要綱にのっとり権利義務が発生すると考えられますが、答弁においては、弁護士の見解ということもありましたが、疑義を感じざるを得ません。複数の弁護士に意見を徴取するなど慎重な対応をすべきと考えますが、この損害賠償請求に関する県の考えに対し、再考すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。
再A 大野元裕 知事
永瀬議員からは公募に応募し採用を決定し、計画が推進されている中、権利義務が生じないとの弁護士の見解には疑義があり、県の考えを再考するべきと考えるというご質問をいただきました。
県といたしまして、弁護士に対し現時点で見解を聴取したところ、公募に応募し、採用を決定をされた時点において、確認書が書面で交わされたものでございますが、この確認書自体は曖昧な約束であり、権利義務が生じたと考えることはできないという風に、承っております。
私どもといたしましては、引き続き専門家の皆様の見解をお伺いをしてまいりたいと考えております。
再々Q 永瀬秀樹 議員(自民)
今の御答弁では、専門家への見解などを伺いというふうにお答えを頂きましたが、私の質問は、複数の弁護士に意見徴取をするなどの慎重な対応も含め、県の考えを再考すべきではないかという質問でありましたので、このことに対しまして県は再考をするということでよろしいかどうか、お聞きいたします。
再々A 大野元裕 知事
まず、最初の県の考えを再考するということかというご質問でございますけれども、複数の弁護士のみならず、専門の方々にお伺いをするということについては、私どもとしてもこれからしっかりと対応していきたいと考えておりますが、その専門家の見解によって、再考するかしないかは、その後検討させていただくこととなります。
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