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掲載日:2024年5月17日
Q 野本怜子 議員(民主フォーラム)
2月のとある夜、私は若年女性を支援する団体であるBONDプロジェクトのパトロールに同行し、若い女性4人とともに池袋の繁華街を回りました。BONDプロジェクトは、カフェ型相談室やシェルターを持ち、ハイリスクな女性たちの回復支援をしています。
ネットパトロールと同様、力を入れているのが街頭パトロールで、新宿、池袋、渋谷、横浜の夜の街で気になった若年女性に声をかけ、「困ったときにはここに来てね」と名刺大のカードと化粧品を渡すのです。6割の女の子たちは、話し掛けても足を止めず通り過ぎていきます。しかし、足を止めて話を聞いてくれた子も、本当のことを話してくれているかは分かりません。
例えば、こんなやり取りが。
「どこに行っていたの」「友達がメンコンで働いていて、遊びに行って、今帰るところ」「おうちはどこなの」「静岡の方」。
ちなみに、メンコンはメンズコンセプトカフェの略で、ホストクラブのカフェ版のようなイメージです。カフェなので未成年が入れてしまいますが、価格帯は一般的なカフェよりずっと高く設定されています。
また、別の彼女は大きなスーツケースを持ち歩いていました。
「どこに行くの」「推しの誕生日のイベント」「それはおめでとう。そのスーツケースはどうしたの」「親に買ってもらった」。
16歳の彼女はそう言っていたけれども、パトロールをしている女性たちは、高価なスーツケースにパパ活の影を感じていました。
救われたいと思っていても、手を差し伸べなくてはつながらない困難女性が多数埋もれているだろうこと。そして、信頼関係ができた後に助けられるかどうかのチャンスがあるかないかという、非常に繊細かつ根気のいる活動が求められていること。声をかける側も、かけられる側と同じような年齢、聞く耳を持ってもらう雰囲気が必要で、民間団体の力がなければ彼女たちにたどり着くことは難しく、ゆえに協力は不可欠であることがたった一晩でも感じられました。
厚生労働省が出している基本方針にも、若年女性については制度のはざまに落ちないよう留意して対応する必要があると記載されていますが、本県の計画には若年女性について明確な記述はありません。「今日初めて話した子を、今日泊める活動をうちはやっている」と代表の橘ジュンさんは言います。相談者の中で埼玉県の女の子は5番目に多いとのこと。
埼玉県でも行政と連携した民間団体が肝となると考えますが、県として連携をどのように進めていくのか、お伺いいたします。
A 島田繁 県民生活部長
困難女性支援法は、年齢や障害の有無、国籍等を問わずあらゆる困難な問題を抱える女性を対象としており、本県の計画案においても、若年女性を含め、全ての女性を対象としております。
困難な問題を抱える女性、特に、若年女性は、自ら公的な相談窓口や支援につながろうとしない傾向があり、潜在化しやすい状況にあります。
こうした行政機関のみでは対応が行き届きにくい女性を支援につなげるためには、居場所の提供や同行支援など、個々の事情に合わせ、きめ細かな対応を行う民間団体との協働が不可欠でございます。
県では、これまでも、民間団体と連携し、支援の対象となる女性の状況に応じた生活相談、行政手続やハローワークへの同行支援などを行ってまいりました。
さらに、こうした活動を行う民間団体を支援するため、新たに補助制度を立ち上げることとし、令和6年度予算案に、必要な経費を盛り込んだところでございます。
今後も、県と民間団体がそれぞれの強みを生かし、相互に連携しながら、困難な問題を抱える女性に対し、包括的かつ継続的な支援を行ってまいります。
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