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ページ番号:213571
掲載日:2022年3月30日
Q 渡辺 大 議員(自民)
ユマニチュードとは、介護の技法ですが、フランス語の造語で人間らしさを取り戻すという意味で、単に介護をするのではなく、患者の人間らしさを尊重することを重視しています。手法としては、見る、話す、触れる、立たせるなどを介護手法の中心に据えています。抽象的なこれらの文言を聞いただけでは、そんなの介護の手法として基本中の基本で、当たり前だと思うと思います。
例えば、この見るという点についても、患者のことを大切に思っていることを伝えるために、患者と目線を合わせて話すことを重視します。基本は、水平な高さで近い距離で長い時間相手を見るというものですが、見方にも3つのポイントがあります。
1つ目、同じ目線で見ることで相手を平等な存在として見ていると伝えます。2つ目、近くから見ることで優しさや親密さを伝える。3つ目、正面から見ることで正直さ、信頼感を伝える。このような点を意識することで、患者と良好な関係を構築することができるとされています。
認知症を発症した人は、態度や言葉が攻撃的になることが多いものですが、ユマニチュード技法によってそのような攻撃的な症状がおさまる傾向があります。ユマニチュード技法により内向的な性格が改善されて外交的になり、介護者との会話やコミュニケーションの回数が増えることで認知症が改善されることもあります。服用していた向精神薬の服用が要らなくなることもあるほどです。結構劇的に変わるので、実際に見られたら驚くと思います。
ユマニチュードは、介護職、看護職の人手不足を防ぐこともできます。ユマニチュード技法を導入することにより、介護をする人の負担が格段に減るため、介護職の離職が下がると考えられています。ユマニチュードは誰にでも実践可能で、再現性のある具体的な手法に落とし込んでいる点が優れており、汎用性が高いものです。
ユマニチュードが効果を出しているとする研究論文も多数あります。この手法を埼玉県でも広めていくべきと考えますが、福祉部長の御見解を伺います。
A 山崎達也 福祉部長
認知症の人に対するケアにおいては、認知症の人の「その人らしさ」を尊重し、その人の視点や立場に立って理解し、対応することが最も大切です。
本県でも、「認知症介護基礎研修」などの施設職員向け研修において、また、広く県民の方を対象とする「認知症サポーター養成講座」においても、認知症の御本人を尊重する考え方や対応方法を学ぶ内容になっています。
議員お話しのユマニチュードは、「見る」「話す」「触れる」「立つ」の4つを柱として、「あなたは私にとって大切な存在です」と伝えるための技術であり、ケアをする人とケアを受ける人とが良い関係を築くことをケアの目的とする考え方は、介護に携わる方の共感を得られるものと思われます。
認知症のケアの技法については、ユマニチュードのほかにも「パーソンセンタードケア」などいくつかございますが、そのいずれも御本人を尊重するという基本的な考え方においては共通しております。
そこで、まずは認知症の御本人やその御家族、関係団体、認知症の専門家などの御意見をお伺いするとともに、普及を進めている自治体へのヒアリングを行うなど、その活用等について検討してまいります。
今後とも、認知症の人本位のケアや対応が広まるよう、積極的に取り組んでまいります。
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