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掲載日:2022年3月30日
Q 渡辺 大 議員(自民)
国際バカロレア、長いので以下、IBと言います。というと、単に英語教育をするところという誤解があるかもしれませんが、そうではありません。IBは、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的とするとともに、国際的に通用する大学入学資格IBを与え、大学進学へのルートを確保することを目的とするもので、その目的を達成するための工夫されたプログラムが用意されています。
文部科学省では、新学習指導要領で目指している教育の在り方が既にIBでは実践されていることから、政府の方針としてIBの普及促進が行われるようになりました。また、IB資格を得られることで海外大学の学力試験が免除になるなど、国内外への進路が多様化し、子供の選択肢は更に広がります。
東京にはIB認定校として東京都立国際高校があります。実際に都立国際高校バカロレアコースは大変な人気で、受験倍率は5倍程度もあります。さいたま市には国際中等教育学校がありますが、さいたま市以外の県民は原則志願することができません。
また、IB認定校には帰国子女など国際人材の支援という側面もあります。グローバル人材というと、これから新規にとか、海外の人材をという視点が強調されますが、実は既に海外に出ている人材、海外駐在に同行した家族などが帰国した際の学校への編入に課題もあります。東南アジア、アフリカなどには、いまだ日本人学校が整備されていない国も多く、日本と同程度の教育を受けることはできません。そのため、同程度の能力、学習意欲のある子でも、日本にいたら入れたであろう自分に適した学校に入学できないという県民の声があります。
埼玉県では、海外からの帰国生向けの入試は理科、社会を除外して試験が実施されるのみですが、東京都や神奈川県では小論文、面接など日本の教育課程によらなくとも意欲と能力のある子をその程度に応じて学習する機会を補償しようと努めており、東京都立、神奈川県立などでは国際高校がその中核的役割を担っています。また、海外で学んだ経験のある子供は、日本の暗記詰め込み型の教育よりも探究的な学習を希望するケースも多く、こうした希望のある子供に選択肢を提供するという価値もあります。
これまで教育局では、国際バカロレア等特色ある教育検討事業で検討と研究を進めてきているとのことですが、その取組の現状と今後の見通しはどうなっているのでしょうか、教育長に伺います。
A 高田直芳 教育長
議員御指摘のとおり、県では、今年度「国際バカロレア等特色ある教育検討事業」に取り組んでまいりました。
具体的には、国際バカロレア認定校への視察を行うとともに、教員が国際バカロレア機構主催のワークショップで指導法を学び、それを基に県立高校6校で研究授業を実践したところです。
研究授業では、教員が、一つのテーマに対して生徒へ深い問いかけになるよう質問内容を工夫するなどして、学びを深める授業が展開されておりました。
教員からは、国際バカロレア教育機構が求める学習者像をイメージしながら授業を組み立てることで、これまで気づかなかった新しい視点での授業改善が進んだとの報告があがっております。
このことから、国際バカロレアの指導法を教育現場に取り入れることは、新しい学習指導要領が求める主体的、対話的で深い学びのより高いレベルでの実現に資するものと考えております。
また、本事業は、令和3年度及び4年度の2か年を予定しており、令和4年度予算案にも、国際バカロレア教育の検討に関する費用を計上させていただいております。
引き続き、先行実施している国際バカロレア認定校の教育内容について詳細な調査も行いながら、より実践的な研究授業を行うなど積極的に検討を進めてまいります。
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