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掲載日:2020年7月8日
Q 日下部伸三議員(自民)
私にも3人の子供がいますが、妻にとって0歳児の我が子は大切過ぎて、私は戦力外でしたがおばあちゃんか、おばさんなどの血縁者以外には預けられないものでした。
私、昨年度、文教委員長として、東松山の河川敷で16歳の少年が中学生3人を含む少年5人によって殺害された事件を検証しました。加害者5人の少年たちに共通していた点は、幼少期に親から十分な愛情を受けて育っていないという点でした。児童虐待をしてしまう親たちもまた、幼少期に愛情を受けずに育てられていないという精神科医の分析もあります。生殖は本能ですが、子育ては学習なのです。
三つ子の魂百までといいますが、人間の脳は3歳までにその80パーセント以上が完成し、特に1歳までの母親とのスキンシップが重要で、母親の表情の変化から相手の感情を読み取ったり、自分の意思を伝える能力が養われていきます。1歳までの母親とのスキンシップに欠ける子供は、感情をコントロールする大脳の眼窩前頭皮質と呼ばれる部分が十分に発達せず、衝動的に暴力を振るってしまう傾向があり、その症状は思春期以降に現れます。チンパンジーやオランウータンでは赤ちゃんを乳幼児期に母親から引き離すと、成長してから問題行動を起こすことが立証されています。
この1歳までの愛着形成は特定の人なら、おばあちゃんでも、おばさんでも、保母さんでも良く、お母さんに育てられていなくても立派な人がたくさんいることは言うまでもありませんが、少子化対策に成功したといわれるフランスでは、現在幼少期に親から愛情を受けずに育ったフランス人が自分の子供にも愛情を注がないという問題が生じており、15歳未満児10万人当たりの児童虐待児の件数は日本よりフランスのほうが多いんです。
福祉国家として名高いノルウェーでは、赤ちゃんは社会で育てるから、やっぱり赤ちゃんは母親が育てるに方向転換し、原則として0歳児保育の受入れを禁止しています。それと同時に、家庭で赤ちゃんを育てる親には1年以上の育児休暇を認め、休暇中も給与の80から100パーセントを支給し、休暇後の職場復帰も確約する制度にしています。
私は、日本にはフランス式よりノルウェー式のほうが受け入れやすく、同時に保育士不足の問題も解決できると思います。この方向に誘導するため、育児休暇中も給与の80パーセント以上を支給し、育休後の職場復帰も確約する企業の法人県民税や法人事業税を優遇する制度にしたらどうかと考えます。27年度の決算ベースで法人県民税収が279億円、同じく法人事業税収が1,134億円ですから、法人県民税と法人事業税を半額にしても707億円でゼロ歳児保育の原則禁止が可能です。
日本での育児放棄的な児童虐待は、保育所が未整備だった昭和の頃にはほとんどなく、社会問題化してきたのは子供を保育所に預けるようになった平成以降である。この事実と0歳児保育についての見解をお聞かせください。
A 田島 浩 福祉部長
国が児童虐待に係る統計を開始したのは平成2年からであり、昭和の頃の育児放棄を含む児童虐待の実態は明らかでないため、保育所整備と児童虐待との関係性にお答えすることは難しいと考えております。
ノルウェーでは、育児休業中、49週間は休業前の給与が100%保障されており、児童手当も18歳まで支給されるなど子育て支援が充実しております。
一方、我が国では育児休業制度も児童手当もノルウェーほどではなく、また、働きながら子育てをしたいというニーズもあるため、県としては0歳児保育に対応する必要があると考えております。
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