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Q 飯塚俊彦 議員(自民)
廃県置藩とは、県を廃し藩を置くと、復活させるという意味ではありません。明治4年に実施された行政改革、藩を廃して県を置く廃藩置県は、誰しも日本史の中で学んだことと思います。そして、それから150有余年、そろそろ都道府県という役割を次のステップに移行していくという意味で、廃県置藩と言いたいのであります。これは、従来の都道府県という単位にとらわれないという意味では県を廃止し、地域単位という意味で藩、言わば地域圏を重視して、行政のアプローチを考え直してはどうだろうかという考え方であります。
NHK大河ドラマ「西郷どん」では、島津斉彬が若き西郷隆盛に、薩摩は確かに江戸から遠く離れているが、薩摩を中心に円を描けば、沖縄といった国内だけでなく、アジアを含む大きな広がりがあり、そこに可能性があるという趣旨の話をしていました。県北地域も同様の視点で見ていくと、群馬県や栃木県など隣接県とつながっており、そこには人口が約37万人の高崎市、約33万人の前橋市、約21万人の伊勢崎市などの都市があります。私の地元から埼玉県庁や富士山は見えませんが、群馬県庁はよく見えます。
明治4年の廃藩置県で埼玉県と入間県が誕生し、入間県は明治6年に群馬県と合併して熊谷県に、そしてその後、明治9年に埼玉県と旧入間県とが合併して今の埼玉県になりました。その後、長い年月が経過し、交通手段は著しく進歩を遂げ、県民の生活様式、産業構造などは大きく変容してきました。
例えば、私の地元本庄児玉郡市は、群馬県高崎市・伊勢崎市・藤岡市などと県境を挟んで経済面のつながりがあるだけでなく、親戚縁者も多く暮らしております。伊勢崎市、藤岡市方面の通勤・通学利用者は本庄駅、本庄早稲田駅を利用しており、また、本庄市の住民は高崎市の美術館やコンサートホールで文化芸術を観賞、体験しているなど、事実上の同一生活圏となっております。テレビ番組などで「ほぼ群馬」とやゆされるぐらい、経済的、社会的に相互につながりがあります。
そこで、度々指摘される埼玉県の南北問題、南北格差を嘆く声を耳にしますが、都道府県という単位を超えて地域圏の視点で行政のアプローチを見直してみてはどうでしょうか。県北地域は人口減少が進んでおりますが、基幹産業である農林業、製造業をはじめ観光資源も多く、ポテンシャルは非常に高い地域であります。日本赤十字社の創立者である佐野常民が、かつて陸地の幅があり、利根川の水運にも恵まれているなどとして、本庄遷都論を唱えたほどです。
ならば、群馬県側と連携して行政サービスや医療などを見直せば、ウィン・ウィンの関係で地域活性化や行政サービスの更なる充実が図れるのではないでしょうか。これまで県北地域を例に挙げて申し上げましたが、行政課題は異なるものの、こうした都県境にある地域はどこも同じような状況にあるのではないかと思います。
そこで、お伺いいたします。
埼玉県は1都6県に隣接し、県民の生活圏が隣接都県にまたがる地域も多くあります。行政課題の解決に向けて地域圏という視点でより連携してはどうかと考えますが、知事の御見解を伺います。
A 大野元裕 知事
人口減少・超少子高齢化などの構造的な制約が進む中で、行政課題は複雑かつ困難化しています。
そうしたことから、効果的、効率的に行政課題を解決していくためには、複数の市町村が連携して施策に取り組むことも必要と考えます。
県内においても、複数の市町村が行政区域をまたいで連携し、例えば、一部事務組合によるごみ処理施設や斎場の運営など、既に多くの地域間連携による取組事例がございます。
議員御指摘のとおり、県民の生活圏が隣接都県にまたがる地域も多くあり、県境をまたいだ地域圏という視点での連携も必要であると認識しており、以前、木下議員の御質問に対し、行政圏と実質的な生活圏の両方を視野に入れた行政が必要だと申し上げたとおりでございます。
例えば、本庄・児玉郡市などに居住される方が、群馬県伊勢崎市内の公立高等学校に志願したり、県東部のうち三郷市などに居住される方が千葉県流山市内の公立高等学校に志願したりできるなど、一部の教育委員会同士で隣接県の公立高等学校を相互に志願できる連携協定を締結しております。
また、地理的な条件から関係の深い茨城県五霞町には、県企業局から水道用水を供給するといった連携を進めております。
今後も、複雑かつ困難化する行政課題を丁寧に分析し、課題の特性に応じ、連携に当たっては地域圏を含め様々な視点から取組を進め、日本一暮らしやすい埼玉の実現に努めてまいります。
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