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掲載日:2024年12月27日
Q 塩野正行 議員(公明)
11月29日、順天堂大学より新病院の整備計画を中止するとの報告が県にありました。我が会派の深谷顕史議員が一般質問や予算特別委員会で様々な課題を取り上げてきましたように、我が団としては、果たして同大学病院の整備が本当に医師不足解消の切り札になり得るのか、疑問符を付けざるを得ないという立場を取ってまいりました。
また、整備に当たって県負担が相当な規模になることが予想されるため、整備費の総額や補助条件などは活発に議論されるべき大きなテーマで、県民に納得のいく形で説明する必要があり、費用対効果として医師派遣などの結果が出なければ、容認は難しくなるのではないかと考えてまいりました。
こうした背景から、度重なる延期の上、資金不足による計画中止との大学側の対応は、あまりに不誠実であると言わざるを得ず、本県の医療提供体制への影響を考えるとき、県の責任も免れないと考えております。
そこで、大野知事に伺います。
大学側の整備計画中止に関する発表資料にも、「平成30年に埼玉県と病院整備に関する確認書を締結し」と記載されている県と学校法人順天堂との間で結ばれた確認書、つまり用地の無償貸与に加え、整備費に対する財政支援は予算の範囲内で行い、補助率は2分の1以内とすることを基本的な方針とした文書には、当時の上田清司知事の名前と県知事の公の印が押されております。整備費が膨れ上がれば、県からの補助金も連動して膨れ上がる仕組みになってしまう可能性を秘めた文書が大きな足かせとなり、結果的に県側としての判断も苦しめたのではないかと推察いたしますが、知事の率直な思いをお聞かせください。
また、この確認書について平成30年3月に取り交わされた当初から、議会に対し具体的な中身についての報告はありませんでした。このことは執行部と議会の信頼関係を大きく損なうものであり、県には猛省を求めたいと思いますが、併せて知事の御所見をお伺いいたします。
そして、計画が中止となった以上、新たな方策の検討を急がなければなりません。別の病院の誘致を行うのか、埼玉県医師会が提案している地域医療連携ネットワーク構想や医師派遣元に対する寄附講座の開設を検討するのかなど、知事の御所見をお伺いさせていただきます。
A 大野元裕 知事
まず、「順天堂大学附属病院整備計画の中止について」のうち、確認書が県側としての判断も苦しめたのではないかについてでございます。
確認書は、新病院等の整備スケジュールや今後の進め方などの基本的方向性を文書で確認するために、県と学校法人順天堂との間で平成30年3月に交わしたものであります。
確認書において、医師派遣の状況を勘案するという確認が終わった後にのみ行われる財政支援は、あくまでも「予算の範囲内で行い、補助率は2分の1以内」としており、仮に整備費が増加したとしても連動して財政支援額が増えるという仕組みにはなっておりません。
そもそも、順天堂から具体的な財政支援に関する要望は一度もなかったのみならず、補助の対象となる可能性のある整備費が増加したどころか、その元となる額すら示されておらず、県が判断に苦しむということにはなりませんでした。
次に、確認書の中身について議会に報告がないことが執行部と議会との信頼関係を損ねたのではないかについてであります。
確認書は、先ほど述べましたとおり、新病院等の整備スケジュールや今後の進め方など基本的な事項について定めたものであり、その内容については、具体的かつ丁寧にお答えをしてきたところであります。
さらに、令和4年度からは、その進捗に関して行政報告も行ってきたところであります。
他方、確認書には具体的な財政支援額等が定められておらず、これまで大学から具体的な財政支援の要望もありませんが、仮に財政支援等の具体的要望がなされ、これを定めて書面を締結する段階においては、将来の債務を負担する行為に当たる可能性が高く、報告はもとより予算として県議会に御審議を頂きたいと考えておりました。
なお、病院整備の進捗状況等につきましては、必要に応じて議会に報告し御審議を頂いておりましたので、真摯に対応してきたものと考えております。
次に、新たな方策の検討についての所見についてであります。
県といたしましては、順天堂大学の医師派遣計画とは別に、これまで地域枠医学生奨学金の貸与枠の拡大や、研修医の県内誘導など様々な医師確保対策に取り組んでまいりました。
順天堂大学の医師派遣計画では附属病院の開院前までは2名、その後漸増させ、令和14年度から20名の規模の派遣となる予定でありました。
これに対し、本県の医師育成奨学金の貸与医師については、令和14年度には400人を超える県内での義務従事となる見込みであり、また、今後は義務従事を終えられる医師も多数輩出されます。
医師偏在対策等、本県が直面する課題に対応すべく、これらの見込みを総合的に勘案をし、将来の医師派遣のニーズに応えてまいります。また、医師に将来にわたり埼玉県に定着していただくため、引き続き、県医師会との協力や医師不足地域の医療機関等の意見をお伺いしながら、対策を検討したいと考えております。
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