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掲載日:2023年3月14日
Q 辻 浩司 議員(民主フォーラム)
言語障害などがあり意思疎通が難しい重度障害者などが医療機関に入院をする際に、コミュニケーションが大きな問題となります。かつては医療機関は完全看護の原則が保障されているという理由から、訪問介護などの介助者を入院中に利用することはできませんでしたが、現在は意思疎通の困難な重度障害者に限ってコミュニケーション保障を目的に重度訪問介護によるコミュニケーション支援の利用が可能になっています。
しかし、コロナ禍において感染拡大防止上の理由から、外部の者の病院内への立入りが著しく制限され、介助者も立ち入ることができません。このため、重度障害者が意思疎通ができないまま入院している現状があり、当事者から悲痛な訴えが寄せられています。
私と長年の付き合いのある重度脳性麻痺の障害のある男性が今年1月、ある病気の治療のために民間病院に緊急入院をしました。この男性は、重い言語障害があるために文字盤を使用して会話をする必要があります。介助者を入れることを希望しましたが、感染症対策を理由に病院側は介助者を入れることを認めず、やむなく男性が通う施設の職員が文字盤を使っての男性とのコミュニケーションの方法のやり方を病院側に伝えて入院となりました。また、この男性は1人で電話を掛けることができないため、入院中に外部との連絡を確保するためにタブレット端末を使用したビデオ通話の使用を申請しましたが、まずWi-Fi環境がないということや、大部屋のために他の入院患者に迷惑などの理由で実現しませんでした。
結局、男性は2週間の入院の後、無事退院しましたが、入院中は文字盤を使用してのコミュニケーションは一切できず、また自分でナースコールを押せないので、声を出して看護師を呼んでおりましたが聞こえず、放置される状態が続いていたとのことでした。
この男性は退院後に私に会った際に、苦しかった入院時の状況を是非県議会でほかの議員や知事に伝えてほしいと訴えておられました。この男性が私に送ってきたLINEにその様子がつづられていますので、その一部をそのまま抜粋して読み上げたいと思います。
「あいうえおひょをつくった、看護婦さんがぜんぜん話を聞かない」「びょういんで看護婦さんは、おれのことばがわからないから、こわかった、あとはたべるときにしろみつ、とろみのことですね。しろみつをかけるの、まずいの、おれはないた、あとはおれがよんでいるのにかんごふさんはぜんぜんことばにならなかった」「よなかにあしがいたいから、おおきなこえをだす、看護婦さんはわからないからむしをして、おれはだめだた病院で看護婦さんはおれのことばがわからないからこわかった」「のどがかいた」「辻君、びょういんの看護婦さんがこないから、おれが大きなこえだしてもかんごしさんはこない辻君さ、かんごさんはあいうえおひょわからないよ」「ぎいんさんにはなしてよ」とつづられています。
この文章は、男性が退院後に自宅のパソコンから送ってくださったもので、車椅子のヘッドレスト付近に、この後頭部のところですね、設置されたボタンを後頭部でクリックしながら1文字ずつ文字を入力して書いたものであります。
看護師さんは自分の言葉が分からないとか、看護師さんはあいうえお表の使い方が分からないとか、無視された、怖いとの言葉が繰り返されており、自分の言葉を分かる者が誰もいない環境でベッドに寝かされ続け過ごす入院生活の恐怖がうかがえます。
幸いこの方は2週間で退院ができましたが、これが長期にわたった場合、精神的、肉体的に相当なダメージを負うことが容易に想像できます。病気を治し、健康を回復するための入院という行為は、皮肉なことに重度障害者にとってはある意味命がけといっても過言ではない状況がうかがえます。
この意味からも入院時の介助保障は、重度障害のある方には生死を分けるといっても過言ではないと考えますが、コロナ禍においてはこれらが制限されている状況についてどのようにお考えでしょうか。
県立病院及び民間医療機関における対応について、保健医療部長の答弁をお願いいたします。
A 山崎達也 保健医療部長
議員お話しのとおり、特別なコミュニケーション支援を必要とする障害を持つ方が入院する際に、当該支援など介助を行う支援者の付き添いを病院側に求める場合がございます。
こうした入院時の付添いについては、コロナ禍においてこれまでに2回通知を発出し、可能な限り受け入れることについて積極的に検討するよう、医療機関に周知を行っております。
県立病院では、コロナ禍であっても感染対策を行った上で、必要に応じて、支援者の付添いを受け入れることとしております。
こうした事例で、県内の民間病院における令和2年2月以降の付添い実績を確認したところ、58件ございました。
特別なコミュニケーション支援が必要な障害者の方にとって、入院時の支援者の付添いは、医療従事者と意思疎通する上で極めて重要な役割を担っていると認識しております。
議員の御指摘を踏まえ、医療機関に対して改めて、必要な付添いの受入れについて速やかに周知するとともに、現場で具体的に指導や助言を行う保健所に対してもその趣旨を徹底してまいります。
さらに、毎年度全ての病院に対して行っている立入検査の機会を捉え、可能な限り支援者の付添いを受け入れるよう促してまいります。
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