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ページ番号:231490

掲載日:2023年3月14日

令和5年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(辻 浩司議員)

就労困難な人とそうでない人が共に働く埼玉県について - ソーシャルファーム条例制定など社会的起業を支えるしくみについて

Q   辻 浩司 議員(民主フォーラム)

高齢者や障害者などの就労困難者の働く場の確保や、遊休農地の活用や、高齢者の見守りや、フードロスの解消など社会問題の解決を事業を通じてビジネスの手法で行うソーシャルビジネス又は社会的起業などと呼ばれる事業の在り方が注目をされています。昨年には労働者協同組合法が施行され、従来のNPO法人などに加えて、新たなソーシャルビジネスの担い手として労働者協同組合法人の存在が期待をされるところです。
しかし、ソーシャルビジネスを起業しても資金面などで持続が難しく、ビジネスとはいっても市場原理に委ねているだけでは事業を維持できないことも多くあります。東京都では、2019年に障害者、高齢者、難病患者、若年性認知症患者、シングルマザーや引きこもりの方、刑務所出所者など様々な要因から就労に困難を抱える方が働く新たな場であるソーシャルファームの創設の促進等について規定をした「都民の就労の支援に係る施策の推進とソーシャルファームの創設の促進に関する条例」を制定しました。
ソーシャルファームとは、1970年代にイタリアで誕生した就労に困難を抱える方を多く受け入れる社会的企業のことです。海外にはソーシャルファームと呼ばれる社会的企業が多数存在しており、ヨーロッパ全体で1万社、お隣の韓国でも約2,000社が存在します。主として、障害者など就労に困難を抱える方がほかの従業員と一緒に仕事をする場として発展をしています。
条例では、都が企業をソーシャルファームとして認証する要件として、1、事業からの収入を主たる財源として運営していること、2、就労に困難を抱える方を相当数雇用していること、3、職場において就労に困難を抱える方が他の従業員と共に働いていることの3点が挙げられています。これらの要件を満たして認証された事業所には、起業から一定期間で軌道に乗るまでの支援として資金補助を含めた手厚い支援が受けられるという内容です。
誰一人取り残さない埼玉県を目指し、ソーシャルビジネスにも深い見識を持つ大野知事においては、東京都のソーシャルファーム条例のように就労に困難を抱える方の社会的起業に対して資金的な支援を含めた包括的な支援策の構築を是非していただきたいと考えます。
知事の御所見をお伺いいたします。

A   大野元裕   知事

東京都のソーシャルファーム条例で最も大切なことは、社会的に弱い立場にある方々を含め一人ひとりが社会の一員として共に活動しながら支え合う、いわゆる「ソーシャル・インクルージョン」の考え方に立つことにあると捉えております。
本県でも、熊谷市を拠点として障害のある方や引きこもり、難病患者など就労に困難を抱える方が一般の労働者とともに水耕栽培やオリーブ栽培などに取り組み、ビジネスとして成立している事例がございます。
こうした職場では就労困難な方とそうでない方が共に一人の労働者として働くことができ、生きがいや誇りを感じ、居場所を得ることができております。
また、議員お話しのとおり、このような理念をもって運営する社会的企業にとっては、自立的な経営が課題の一つとなっております。
令和2年度の彩の国さいたま人づくり広域連合の政策課題研究においてソーシャルビジネスの事業者にアンケートを実施したところ、約半数が安定収入と活動資金の不足を課題としておりました。
社会的企業に対する具体的な支援策を検討していくに当たっては、就労に困難を抱える方々の支援を行う団体だけではなく、ビジネスを支援する団体を含め、多面的に検討することが必要と考えます。
現在でも障害者については障害者雇用総合サポートセンターにおいて、県内企業に障害者雇用の受入れを働き掛けております。
県として、「ソーシャル・インクルージョン」の考えを社会へ浸透させるとともに、どのような支援が可能かを庁内の各部局を横断してしっかりと検討をし、方策を探ってまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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