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掲載日:2023年12月6日

平成29年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(福永信之議員)

 内水対策の充実について

Q 福永信之議員(公明

台風21号は、10月23日未明に川越市で床上浸水245棟、床下浸水232棟という被害をもたらしました。被害が集中したのは寺尾地区、隣接するふじみ野市でも床上浸水218棟、床下浸水87棟でした。災害救助法は、床上浸水によって一時的に居住できなくなった家屋については3世帯を住家滅失世帯の1世帯とカウントし、半壊以上の場合、57万4,000円相当の応急修理を受けることができます。
しかし、自治体の人口に応じた適用基準があるため、川越もふじみ野市も非該当です。両市の人口を合計して1つの自治体と仮定すれば、床上浸水家屋数は基準を満たします。道路1本隔てただけなのに自治体の壁が適用をはばんでいます。人口規模だけを見た基準は非合理的です。
この壁を撤廃して適用対象にすることについて、危機管理防災部長の御決意を承りたいと思います。
次に、埼玉県・市町村被災者安心支援制度についてお聞きします。
例えば大規模半壊と認定されれば、基礎支援金が50万円、補修による再建には100万円が加算されます。しかし、被災者生活再建支援法が建物本体の損壊、建物の構造体力だけを支援対象にしているため、安心支援制度についても床上浸水だけでは支援対象外です。床上浸水すれば畳はだめになり、泥水につかった家電製品や家具の多くも使い物にならなくなります。経済的損失は大きい。しかし、安心支援制度は全壊と大規模半壊、やむを得ず解体する半壊しか適用対象としていません。残念でなりません。
河川からの越水被害は少なくなりましたが、内水被害は増えています。県民の命と財産を守るのが県政の務めです。家財も財産です。家財対象の火災保険は古くからあります。内水被害家屋への支援に今後どう向き合い、県民の財産を守るのか、せめて半壊まで、さらに床上浸水まで対象にすべきです。
制度改正について、危機管理防災部長の御見解をお伺いします。
一方、川越市寺尾及びふじみ野市元福岡などの地区において、内水被害を二度と起こさないためには、内水を速やかに排除する仕組みを構築する必要があります。地元市においても内水を新河岸川に直接排水するポンプ等の設置を含め、関係機関と協議を進めると聞いています。
新河岸川を管理する県として、両市と連携して今後浸水被害対策にどう取り組むのか、こちらは県土整備部長から御答弁願います。

A 槍田義之   危機管理防災部長

台風21号の際、県では全力で被害状況の把握に努めるとともに、災害救助法の適用を検討する中で、隣接する複数市を1つの自治体とみなして適用できないか、念のため国に問い合わせをしました。
その答えは「災害救助法の適用はあくまで市町村単位。隣接も含めた複数の市町村での災害も考慮して都道府県を単位とした基準も設けている」とのことでした。
御質問の「自治体の壁を撤廃する」ためには、災害救助法施行令の改正が必要です。
近年、全国各地で毎年大きな水害が発生し、その対応に苦慮している状況です。
このような現状を踏まえ、災害救助法も含めた被災者支援の在り方について、まずは都道府県消防防災・危機管理部局長会などの場で議論してまいりたいと考えています。
次に、埼玉県・市町村被災者安心支援制度の適用対象の拡大についてでございます。
県では、昨年の台風9号による被害を受けて、支援対象を半壊や床上浸水にまで拡大できないか検討しました。
その際、制度を共同で運営している市町村にも意向を伺いましたが、見直しに賛成するところはわずかでしたので、昨年度は本制度の見直しは行わないとして市町村に説明し、了承を得たという経緯がございます。
しかし、毎年大きな水害に見舞われている本県の現状に鑑み、本制度の見直しについて改めて市町村の意向を伺いながら、検討してまいりたいと考えています。

A 西成秀幸   県土整備部長

本年10月の台風21号の被害を受け、11月に浸水被害軽減を図るため、河川を管理する県と下水道を管理する川越市、ふじみ野市で「河川・下水道事業調整協議会」を開催いたしました。
この協議会において、出水状況及び浸水被害の状況を共有するとともに、被害軽減に向けた対策の検討を開始したところです。
県では、まず、すぐにできる対応として排水ポンプ車の進入路となる新河岸川堤防の拡幅や舗装を行います。
また、江川都市下水路から新河岸川への排水がスムーズになるよう、新河岸川放水路の渋井水門の改修について検討してまいります。
今後とも、県では両市と連携し内水対策が効果的に進められるよう、河川整備に取り組んでまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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