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掲載日:2023年11月28日

平成29年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(福永信之議員)

 通信制高校について

Q 福永信之議員(公明

行政で大事なことは公平性です。ところが、本県の父母負担は全国トップクラスという言葉から置き去りにされ、公平性が担保されていない分野が2つあります。不公平の是正を求めて順次質問いたします。
まず、通信制高校についてお伺いします。
県立大宮中央高校と特区指定で株式会社立の高校を除き、私立の通信制高校は8校あり、全私立高校生の約3.6%、約2,100人の生徒が学んでいます。通信制高校の父母負担軽減については、平成16年に公明党の久保田厚子議員が質問、翌17年度から実施されましたが、その後12年間全く変わっていません。全日制は改善されたのに、通信制は置き去りです。全日制の高校を中退した生徒は、単位制の良さを生かして通信制の週1日コースで、小中学校で不登校などで基礎学力が定着していない生徒は週4日コースで学べます。通信制がなければ社会の軌道から外れたままになる生徒をよみがえらせているのです。
しかし、父母負担軽減措置はお寒い限りです。全日制であれば授業料の補助のほか、年収500万円未満の家庭には施設等納付金が年額20万円、3年間で60万円、プラス初年度入学金10万円、合計70万円が補助されます。しかし、通信制は1円も補助されません。ある通信制高校の施設充実費は、普通科の週1日コースは年額3万円ですが、週4日コースは年額21万円、3年間で63万円です。入学金はそれぞれ3万円と24万円です。ところが、そこへ県は1円も補助を出していない。
次に、授業料。全日制は年収609万円未満であれば、国の就学支援金と合わせて年間37万5,000円が補助されます。でも、通信制は年収500万円未満までは29万7,000円が上限、609万円未満の場合は上限は20万円です。ある通信制の授業料は、週1日コースは単位数掛ける8,000円ですが、週4日コースは月3万4,000円、全日制並みです。なのに通信制を差別しています。県立大宮中央高校と違って、私立の通信制高校の場合は3年間でほぼきちんと卒業しています。知事はこういうことを御存じだったでしょうか。
角度を変えます。通信制には年収の低い御家庭の子弟が多いのが特徴です。ある高校では市町村税非課税世帯が25%を占めています。約7割が年収590万円未満の世帯です。所得の低い家庭から通信制に学んでいるのに、県は補助を出さない、少ない、これが埼玉県行政です。
知事にお尋ねします。知事は、12年間どうして通信制を置き去りにしてきたのでしょうか、理由をお答えください。さらに、新年度からは全日制と同じ補助にすべきと考えます。貧困を連鎖させてはなりません。前向きな御答弁をお願いします。

A   上田清司   知事

本県認可の県内私立通信制高校8校には約2,100人の生徒が学んでおり、本県私学における高校教育の一翼を担っております。
本県では、私立通信制高校で学ぶ生徒の授業料に対しても、国の就学支援金に県単独の補助金を一部上乗せして補助を行っております。
対象世帯は、年収約910万円未満までの世帯とし、所得に応じて段階的に29万7千円から11万8,800円を補助しております。
本県と同様に県単独で授業料の上乗せ補助を行っている都道府県は本県を含めて21あります。
そのうち本県は、対象年収では全国で第4位、補助上限額では第11位と決して低い水準ではありません。
また、全日制高校に比べて授業料の補助上限額などが低いのは、授業料の平均額に約13万円ほどの差があることを考慮した結果であります。
通信制の方が授業料が安いという事実もございます。
同様に施設費では約10万円、入学金では約15万円ほど通信制の方が全日制より平均額が低くなっているため、補助は行っておりません。
このように、本県では通信制高校に通う生徒への支援を決して放置してきたわけではございません。
厳しい財政状況の中でも、一定水準の支援は行っておりますことを是非御理解いただきたいと思います。
次に、新年度から全日制と同じ補助にすべきと考えるかについてでございます。
通信制高校の授業料などの状況や厳しい財政状況を踏まえると、来年度から直ちに県単独の補助を拡充することは難しいと考えております。
しかしながら、全日制、通信制を問わず私立高校に通う生徒が安心して学べる環境を整えることは重要な課題でございます。
また、県内の通信制高校は、登校による面接指導に力を入れたり、自動車科や福祉科などを設け職業教育を行うなど様々な特色を持っています。
現在国においては、就学支援金制度の効果検証と更なる充実に向けた検討が行われております。
この検討状況を踏まえた上で、本県の通信制高校の補助の在り方についても検討してまいりたいと考えております。

再Q 福永信之議員(公明

(3(2)県外の全日制私立高校についての再質問と共通)
3番の教育費の父母負担軽減について、知事に再質問を行います。
知事は、今やるとどれだけお金がかかるんだとか、試算の経過をお示しになったんですけれども、本来示すべきはですね、私思いますよ、質問通告した6日には埼玉新聞にも記事が載っていましたよ。国が住民税非課税の低所得世帯については、就学支援金を年額39万円に引き上げる。年収350万円未満で約35万円にする、年収590万円未満では25万円に引き上げると。それをやって、国がやれば、どれだけ県が単独でやっている分の財源が楽になるか。その財源を振り向けたい、このぐらいの答弁が欲しかった。
しかもですよ、その10億とかかかるとおっしゃるんだけれども、国がこれをやれば、1年間だけですよ、県が出せばいいのは。そういう視点に立った根本的な、困っている人に対する応援をしようという姿勢が欠如しているのがとても残念な答弁でした。
だから、今後、これは国の制度は2019年度実施のようですけれども、単年度だけでも何とかできないかという発想に立ってもらいたい。ともかく公平性が担保されていない通信制とその県外の私学に通っている人に対して何かできないか、何かやろうという知恵を絞るところからスタートすべきであると私は思うんですよ。
それで、答弁の中で例えば通信制、私も質問で言ったつもりなんですけれども、平均額のことをおっしゃる。でも、例えば入学金だったら週1日制は3万円、4日制だったら24万円ですよ。これ平均して言うんじゃなくて、一人ひとりの生徒に引き当てて考えた形で知恵を絞っていただきたいと思います。
1円も出せないというようなことではなくて、次年度から、2019年度から国はこんなふうにやってくれていると。じゃ1年、埼玉頑張ろうじゃないかという姿勢に立ったときに、違う答弁が出るんじゃないでしょうかね。
それから、もう一歩、県外に通っている家庭のことについても、東京都の事例とかいろいろおっしゃったけれども、現実に埼玉県から2万人行っているわけなんですよ。それに対して、130万円に対して、こっちは0だと。そのまま放置していいのかということについて、知事、心の痛みはないんですかね。
そういう姿勢からの何か人間味あふれる答弁とは距離感があったので、もう一度お答えいただきたいと思うわけでございます。
最後になりましたけれども、通信制高校というのは高校中退なさったお子さんが行くわけですよ。県立高校辞めちゃって、そのまま、辞めたままだったらニートになっちゃうような子が、そこへ行ってよみがえっているわけだ。あるいは不登校だった子、そういう子供が学んでいるわけ。
せんだって木下委員長が総務委員会で視察をなさった清和学園、あそこなんか週4日制で全員卒業して国家資格取っているじゃないですか。全国で初めて調理学科も作ったと聞きましたよ。私も見ました。埼玉医大の先生が教えているんですよ、すごいなと思いましたね。
だから、週1日制のところと4日制のところと実態をよくごらんになった上で、何か知恵を絞ろうじゃないですか。再度、知事の前向きな御答弁を御期待申し上げまして、再質問にいたします。

再A 上田清司   知事

通信制についてはご指摘がございましたように、確かに決して本県が劣っているわけではありませんが、少しずつ流れが変わってきていることも事実です。
福祉の分野で大変すばらしい業績を上げておられる、あるいは自動車の整備の資格を中心とした週4日レベルでのしっかりとした修学コースがあることとか、そういった部分に関して一律で考えない方がいいのではないかというご指摘は、しっかりと踏まえていきたいと思っております。
これについては、今後、内容をしっかり整理した上で考えていきたいと思っております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

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