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掲載日:2022年8月30日
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未来をより素敵なものにしようとチャレンジし続ける埼玉県の起業家や起業家スピリット溢れる経営者の方々にお話を伺うインタビュー特集「想いをカタチに」。
第8回は、県主催の女性のビジネスプランコンテスト「SAITAMA Smile Women ピッチ」2017年のアイエフラッシュ賞(審査員賞)受賞者、望月まいさん(株式会社Recno代表取締役)です。
さて、望月まいさん流「明日を拓く」ヒントとは?さっそく読んでみて!
★インタビューは平成30年6月に行ったものです。
――起業するまでのお話を聞かせてください。
小学校を卒業後、新潟県内の中高一貫校に入学しました。今は寮で生活しています。中学2年生の頃から、学校以外で自分が所属するところが欲しいと思っていました。また、ファッションが好きだったので、自身のファッションブランドを持ちたいと考えていました。
だんだんと、自分が作りたい商品が具体化してきて、カスタマイズバッグを作って売りたいと思うようになりました。ただ、フリーマーケットのようにハンドメイドを売るのではなく、製造メーカーに発注し、量産して販売することを考えていたので、ファッションが好きという気持ちだけでなく、ビジネスも自分でやらねばならないと思いましたが、どうすればいいか分からずにいました。
高校1年生のときにブランドを立ち上げたいと思い、両親にそのことを話したら、「やってみれば」と言われました。まずどうしようかと思った時に、母がたまたま、埼玉県産業振興公社の創業・ベンチャー支援センター埼玉で行っているスタートアップセミナーに参加したことがあり、「あそこに行けばサポートしてくれるかもしれないよ」と教えてくれました。
高校1年生のゴールデンウィークの5月2日に、自分の試作したバッグと事業内容を簡単にまとめた資料を持って、ダメもとで相談に行きました。とても丁寧に対応していただき、ビジネスの基礎を手取り足取りしっかり教えてくださいました。そこからビジネスについて勉強し、また、埼玉県主催の「SAITAMA Smile Women ピッチ」や日本政策金融公庫主催の「高校生ビジネスプラングランプリ」などのビジネスプランコンテストに応募し、プレゼン力なども学びました。その後、高校2年生(2018年)の2月に株式会社Recnoを立ち上げました。
[「SAITAMA Smile Women ピッチ」登壇時①]
[「SAITAMA Smile Women ピッチ」登壇時②]
――起業に向けて活動していたとき、周囲の反応はどうでしたか。
両親は、「がんばりなさい」と言ってくれましたが、「資金も含め、全て自己責任で行いなさい」とも言われました。
隠していたわけではないのですが、学校の友人には黙っていました。でもその後、新聞やテレビの取材を受け、記者の方が学校に来たりしたので、みんなに知られてしまいました。その時はみんなから質問攻めにされましたが、敬遠されることもなく、むしろ応援してくれています。
ただ、学校の先生には、はじめの頃、反対されました。バイトが禁止だったので、お金を動かすような活動もダメという認識だったのと、前例がなかったので、学校としてどういう対応をするべきか決まっていなかったのだと思います。けれども、コンテストで賞をとってからは、学校も私の活動を理解し認めてくれるようになりました。
――株式会社Recnoはどのような会社ですか。
ファッションブランドの運営を行う会社です。Recnoは、“Recreate a normal one”を略した造語で、「ノーマルなものを活気づけて新しい価値を生み出す」という意味が込められています。ただ新しく斬新なものを生み出すのではなく、私たちの暮らしの中にあるノーマルなものに、新しい価値をプラスすることで、より豊かな生活を送ることができる、そんな商品を提供したいと思っています。まだ、商品の販売はしていませんが、まずバッグのブランドを立ち上げ、販売していく予定です。現在、サンプル品は完成しています。今後微調整して、製造メーカーさんとやり取りしながら、量産の段階に入る予定です。今はクラウドファンディングの準備をしているので、最初はそのクラウドファンディングのリターンとして、提供していこうと考えています。ネットでの販売を中心に考えていますが、モノを売るので実際に触って買ってもらいたいとも思っています。全国の大都市でポップアップストアもしたいです。
[サンプル品のバッグ]
[バッグの蓋の部分の取り換え…蓋を取り換えられることで自分好みのカスタマイズバッグができる]
[生地]
――高校生ということで、社会人とは違う苦労もあったのでは。
特にありません。バッグ・ブランドの立ち上げの中で、製造をメーカーに依頼するので営業活動を行っていますが、学校の制服で営業に行くわけでもなく、自身が高校生だと言わないでやっていたりするので、特段高校生だからという苦労はありません。
逆に、大人が話したら流されてしまうことも、「高校生だから」と話を聞いてくれることはあります。
――株式会社Recnoの事業以外で何か活動はされていますか。
高校生だけでファッションブランドを企画、販売、プロモーションを行う「Passion to Fashion」というプロジェクトを他社との合同で行っています。その会社の社長さんも高校生で、インフルエンサーマーケティング(商品やブランドがターゲットとするコミュニティなどにおいて、周囲に影響を与える人物を見つけ、彼らに対して1次的にアプローチすること)を行っています。同じテレビ番組に出演した縁からSNSを通じて仲良くなり、なにか高校生の力だけでできたらいいねと、お互いの会社の特徴を活かせるこのプロジェクトを立ち上げました。現在、プロジェクトに参加してもらう1期生の応募が終わって、6月に第1回のミーティングを行ったところです。1期生はもちろん全員高校生です。
プロジェクトの内容は、企画部や運営部などに分かれ、若者向けのユニセックスの洋服を企画部がデザインして、それを運営部がSNSにアップロードして、反応が良いものを実際商品化し、ネットで販売します。もちろん、みんなで話し合って商品化するデザインもあります。ネットでの販売だけでなく、イベントでの販売やファッション・ショーなどのイベントも開催したいと思っています。
[ミーティングの様子]
[プロジェクト・メンバー集合写真]
――今後の目標を教えてください。
私の夢は、自分の好きなファッションでたくさんの人を笑顔にすることです。自分の会社でファッションブランドをいくつか持ち、運営して、ターゲットもコンセプトもすべて変えて、たくさんの人にファッションを楽しんでもらいたいと考えています。
30歳までには、大きいファッションブランド運営会社にして、ブランドを3つくらい作りたいです。たとえば、オーソドックスな洋服に、新たな価値をプラスするようなブランドとか。舞台衣装がもともと好きで、「普通はこんなの着ないだろう」というような服をもう少し着やすくして、人との差別化もできるような服のブランドです。また、洋服だけでなく、バッグなど何かに特化したブランドも作りたいです。
とにかく、せっかく自分の会社を立ち上げたので、スタイリストになってドラマや映画に衣装で関わったり、自分がデザイナーになって舞台衣装や商品を作りたいです。ブランドを運営して、ビジネスとファッションに関わることならなんでもやっていきたいです。
インタビューはいかがでしたか?好きなものへの想いを形にするべく、努力し、挑戦していく。何かしたいことのある人、チャレンジしてみたいことのある人にとっては、背中を押してくれる言葉の宝庫だったのではないでしょうか。
「未来へと挑み続けるチャレンジャー」の皆さんから学ぶ、「明日を拓く」ヒント。これからも、インタビュー特集「想いをカタチに」をどうぞお楽しみに♪
埼玉県では、女性の力で経済を活性化する「埼玉版ウーマノミクスプロジェクト」推進の一環として、女性起業家の成長を支援し、埼玉県から国内外で活躍するロールモデルともいうべき女性起業家を輩出することを目的とした、ビジネスプランコンテスト「SAITAMA Smile Women ピッチ」を実施しています。
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