トップページ > しごと・産業 > 産業 > 創業支援 > 埼玉県の起業家インタビュー「想いをカタチに」 > 第1回:南まゆ子さん(株式会社アイエフラッシュ代表)
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掲載日:2023年11月28日
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未来をより素敵なものにしようとチャレンジし続ける埼玉県の起業家や起業家スピリット溢れる経営者の方々にお話を伺うインタビュー特集「想いをカタチに」。
第1回は、県主催の女性のビジネスプランコンテスト「SAITAMA Smile Women ピッチ」2016年の最優秀賞受賞者、南まゆ子さん(株式会社アイエフラッシュ代表)です。
さて、南まゆ子さん流「明日を拓く」ヒントとは?ぜひご覧ください!
★インタビューは平成29年4月に行ったものです。
――子供の頃は何になりたかったですか?
ツアーコンダクターになることが子供の頃からの夢でした。大学では外国語を学び、夏休みを返上して旅行業務に必要な国家資格を取りました。満を持して旅行会社に就職をしようと思った翌年、9.11のテロが発生。希望の旅行会社はどこも新卒の募集がなく、就職を断念してアルバイト生活を始めました。その後24歳で結婚・出産し、専業主婦となりました。
――起業しようと思ったきっかけを教えてください
もともと、社会と繋がりを持ち仕事に生きがいを見つけたいと強く思っていましたが、仕事がないと保育園に入れない、子供の預け先がなければ仕事ができないというジレンマがありました。
そんな時、自宅で美容サロンを経営する知人に施術の技術を教わったことをきっかけに、自宅に友人らを招いて美容の施術をしたことがホームサロンの始まりです。
そして、“ホームサロンを自分でもやってみたい”というお客様からの要望で、美容スクールも始めることにしました。
当時の美容関係のスクールは高額で、また都内に数カ所のみ。そこで、地元の方が通いやすいよう価格を下げ、マンツーマンにするなど工夫をすると、受講者が増えていきました。
――仕事をする上で大変だったことはありますか?
一日家にいるにも関わらず家事が終わらなくてイライラして家族に八つ当たりしてしまったりと、今考えても本当に生産性が低かった。
そこで、“主婦業に貢献できない分、仕事で社会貢献する!”と決心しました。保育園の他に、近所に住む実母にも子育てに協力してもらうことになりました。
仕事が順調だった反面、日々の生活はとてもハードでした。それに加え、仕事を始めた20代の頃は、“子供が小さいのに仕事ばかりして”という批判的な声も。それでも、そんな声をたくさん聞きながらもなんとかやっていました。
そんな経験も、今では、私の祖母や母に可愛がられて育った娘にとっても、子育てを手伝ってくれた母にとっても、良かったのではないかと思っています。
実は私自身も、フルタイムで働く母の代わりに私の面倒を見てくれたのも祖母なのです。いつか娘に子供が生まれたら私も孫の面倒をみてあげたいです(笑)。
子育てをしながら仕事をしている方は、近くに協力者が絶対に必要だと思います。子供が病気の時など、保育園だけでは乗り切れない場面もありますから。一人で頑張りすぎず、必要な時には周りに頼ることも大切だと思います。私も、ワーキングママ同士で子供を預かり合うなどして助け合っています。
――プライベートの時間はどのように過ごしていますか?
ソファに座っても落ち着かずじっとしていられないほどの性格ですから、視察を兼ねて他のサロンに行ったり、カフェで仕事をしたり。基本的に頭の中は24時間仕事をしているような感じです。これは性格なので仕方ないですね(笑)。
――仕事が成長した秘訣を教えてください
起業家セミナーなどでもよく聞かれるのですが“これ”という要因は分かりません。子育てと同様<会社経営の手法に正解はない>ということでしょうか。経営者の皆さんは個性的ですし、やり方も違いますから。ただ、要因の一つに、店舗を増やすきっかけを作ってくれた方との出会いが挙げられます。
サロンを始めた当初、ある方から介護施設の敷地にネイルサロンを併設しませんか、とメールを貰いました。出店費用が破格だったのですぐに返信をし、店舗を出すことになりました。そのお店の売り上げが良かったので、系列介護施設に、続けて4店舗出店することになりました。
後で聞いたのですが、出店について100通ほどメールを送って返信が来たのは私からだけだったそうです。<チャンスを逃さない>ことも一つの秘訣だと思います。
実は、そのメールをくれた敏腕管理職の女性とはその後親しくなり、現在、彼女が弊社の部長として、組織運営に必要なアドバイスをしてくれています。猪突猛進型の私ですが、組織の中で働いてきた彼女の客観的なアドバイスのお陰で、女性が働きやすい職場環境を整える事ができました。
――仕事で一番やりがいを感じるのはどんなところですか?
起業して間もない頃は出店や売り上げが伸びた時でしたが、今は、スタッフの成長が見られる時にやりがいを感じます。
この業界では短期間の研修で施術をしたり、雇用環境が良くないことも少なくないのですが、それでは良い技術者、人材が育ちません。技術は個人の努力で得ることができますが、人としての成長は違います。社会経験が少ない若い女性たちに必要なのは、むしろマナーだったり内面のケアだったりします。
そこで、弊社では人材育成に時間と費用をかけるようにしました。新人研修では社会保険や雇用制度について教えたり、自分のライフプランを立ててもらったりすることから始めます。研修を経てスタッフとして働く中で彼女たちが技術面だけでなく、社会人として成長していく姿を見られる時は、子育てと同じで心から感動とやりがいを感じます。
――今後の夢を教えてください
私は自他ともに認める埼玉っ子です。いつか大好きな埼玉県の観光大使になりたいと本気で思っています(笑)。また、将来埼玉県が女性起業家の一番多い県になって欲しいのでその一助になればと思っています。
インタビューはいかがでしたか?一人で抱え込まないで、周囲の方々の手を借りながら、しなやかに生きる。チャンスとみたら逃さない。何かしたいことのある人、チャレンジしてみたいことのある人にとっては、背中を押してくれる言葉の宝庫だったのではないでしょうか。
「未来へと挑み続けるチャレンジャー」の皆さんから学ぶ、「明日を拓く」ヒント。これからも、インタビュー特集「想いをカタチに」をどうぞお楽しみに♪
埼玉県では、女性の力で経済を活性化する「埼玉版ウーマノミクスプロジェクト」推進の一環として、女性起業家の成長を支援し、埼玉県から国内外で活躍するロールモデルともいうべき女性起業家を輩出することを目的とした、ビジネスプランコンテスト「SAITAMA Smile Women ピッチ」を実施しています。
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