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ページ番号:266491

掲載日:2025年3月27日

令和7年2月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(美田宗亮議員)

介護職員の人材不足について-人材流出を防ぐための取組について-

Q 美田宗亮 議員(自民)

本県では、東京都との間で通勤通学での往来が100万人近くあり、特に県南や都県境にある県内の市は、鉄道路線やバス路線で都内と直接結ばれ、隣接する東京都の区市と一体の生活圏を形成しているところもあります。
一方で、介護報酬の地域区分の違いにより、県南や都県境にある県内の市と東京都との間には、介護事業者が得る報酬に差があり、その介護報酬が介護職員の給与に反映されて、人材流出につながっています。
ほかにも都と県の報酬格差を生み出す原因がありますので、詳細に見てみます。
まず、最低賃金ですが、埼玉県は時給1,078円なのに対し、東京都は時給1,163円で、その差は1時間で85円、これで1日8時間労働として月に22日、年間2,112時間働いたとすると、実に17万9,520円の年収差が生じます。さらに、東京都が出している特別手当、月1万円、年間12万円を足すと、何と29万9,520円もの大きな年収格差となっているのです。
私の地元である三郷市に関して言えば、近隣の流山市や野田市、柏市でも同様の特別手当事業を行っていて、人手不足に拍車がかかっています。
こうして埼玉県から人材が流出することによって、介護サービスの質の低下や介護事業所の撤退、不足による要介護者のADL、QOLの低下、ひいては家族が介護離職を余儀なくされるといった事態を招きます。
以上の理由から、人材流出を防ぐには、県内の介護事業所に対して、主に財政面を軸とした力強い支援が必要ではないでしょうか。知事の決断を願い、答弁をお願いいたします。

A 大野元裕 知事

介護報酬では、事業所が所在する市町村ごとに人件費などサービス提供に要する平均的な額を勘案して8段階の地域区分が設定をされています。
議員からもお話がありましたが、地域区分は介護事業収入に大きく影響をしており、訪問系の事業所を例にとると、6級地の三郷市に比べ、1級地の東京都特別区では介護報酬の単価が約1割高くなります。
私は、この地域区分が地域の実情が適切に反映されていないとの認識の下、これまで再三にわたり国に見直しを要望してまいりました。
その結果として令和6年度から新たな特例が設定され、都県境の4つの市の地域区分が引き上げられたものの、全く不十分と認識しており、運用の更なる改善を国に強く要望してまいります。
また、令和6年度の介護報酬改定において、職員の賃金体系や昇給の仕組みを整備することで得られる処遇改善加算の充実が図られました。
県としては、社会保険労務士など専門家の派遣を通じて、より多くの事業者に加算の取得を促すことで介護職員の処遇改善を図ってまいります。
介護人材の不足に対する対応策としては、介護報酬など財政面での支援だけではなく、働きやすい職場環境の整備も重要であります。
多様な働き方や休暇の取りやすさなどは処遇改善加算の取得要件の一つとなっていることから、個々の施設の相談に丁寧に対応してまいります。
また、利用者などからのハラスメントに対する専用相談窓口を設置し、経験豊富な相談員が対応方法の助言を行っています。
さらには、職場環境の整備や人材育成などに取り組む優良事業所を県として認証することで、介護事業所と、そこで働く職員のモチベーション向上を図っています。
「主に財政面を軸とした支援が必要ではないか」との御指摘については、これは地域間で競うようなものではなく、全国統一の介護報酬の中で措置し、介護職員の処遇改善につなげていくべきものであると考えており、国により適切な措置を講じるよう求めてまいります。
また、県内にお住いの介護職員の方には、県内の介護事業所を選択していただけるよう、職場環境の改善に向けた支援など、県としてできることにつき、着実に対応してまいりたいと思っております。

再Q 美田宗亮 議員(自民)

働きやすくしようという、その県の取組はすごくよく分かるんです。
ただ、先ほど申し上げたとおり、私の地元と東京都の違いは年収で30万です。その距離、例えば自転車で15分、バスで10分の距離でそれだけ年収が違ってしまう、そして人材が流出していくことに対して、どのようにお考えになりますかというところをちょっとお伺いしたいと思っております。
これによって、埼玉県がどれだけ介護人材の流出に、止血の作業をする意欲があるのかというところを私は聞きたいと思っていますので、お示しを頂ければと思います。知事に再答弁をお願いいたします。

再A 大野元裕 知事

高齢者施設に対する財政面支援につきましては、光熱費等の高騰の緩和、人材確保・職場環境改善を含めた補正予算を先般御議決をいただきました。
また、令和7年度の当初予算では、訪問介護事業者などの経営改善のための予算を提案をさせていただいたところでございますが、これらは緊急的な措置として実施するものであり、私は、介護職員は根本的な処遇改善が必要だと思っています。
そして、そのための原資につきましては、介護報酬として適切な水準で措置されるべきであり、国としてこれらを都道府県間の競争にさらすのではなく、適切な措置を全国大で考えていただくべきものと思っております。いずれにいたしましても、県といたしましては、先ほど申し上げた処遇改善加算など、先ほど議員からは評価をいただきましたが、しっかりとした環境を作ると同時に、このような競争を望ましいものとは考えておりませんので、引き続き抜本的な解決に向けて、国に強く働きかけを行いたいと思っております。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課  

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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