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掲載日:2022年10月19日
Q 渡辺 大 議員(自民)
教員の過剰勤務は、教員の働き方改革という文脈で語られますが、日本の将来に決定的に重大な影響を及ぼす、より根源的な問題だと考えています。教員に過剰に負荷がかかり、生徒と向き合う時間が削られ、教育の質は低下します。親からの圧力も増し、更に教師の負担が増す。職業として魅力的ではあるものの、業務が苛酷過ぎるため、教師という職業の人気は低下し、更に教員の質が低下する。そして教育の質が低下し、国民の教育水準が低下し、ひいては国力の低下につながります。国力が低下することで、日本が経済的に困窮し、国民の生活はますます苦しいものになっていくという悪循環です。
その循環の大本にあるのが教育であり、その教育を支えるのが教員です。実際、令和4年度の埼玉県公立学校教員採用試験の志願倍率は、小学校が1.9倍、中学校は4.0倍、高校が4.4倍という状況で、年々低下しています。競争倍率7倍を切ると、人材レベルは有意に低下するとの研究結果があり、特に本年に至っては危機的な水準の倍率です。
過重労働の実態ですが、名古屋大学の内田良教授らグループが2021年11月に行ったアンケート調査では、教員の休憩時間の平均は、小学校で9.4分、中学校で14.6分でした。休憩時間がゼロとの回答は、小学校で51.2%、中学校で47.3%と、どちらも約半数を占めています。残業時間については、教員の平均残業時間が1か月で平均105時間、小学校で98時間、中学校で114時間に上り、160時間以上に及ぶ教員も1割以上含まれています。残業時間には、自宅での持ち帰り仕事や休憩時間中に行った業務、残業時間を過少申告した分など、文科省の調査では含まれない、見えない残業時間も含み、教員の勤務実態に近い数字が出たとされています。ちなみに、この時期はコロナの影響は比較的小さい時期です。また、1週間当たりの残業時間が40から59時間の小学校教員の3人に1人、中学校教員の4人に1人が、「この2年ほどの間に、書類上の勤務時間数を少なく書き換えるように求められたことがある」と答えています。
加えて、教員の長時間労働のしわ寄せは子供に向かいます。「いじめを早期発見できているか不安だ」「準備不足のまま授業に臨んでいる」とした教員の割合は、長時間労働であるほど多くなる傾向です。1週間当たりの授業時間が40から59時間の教員のうち、「いじめの早期発見ができているか不安」と答えたのは81.9%、「授業準備不足のまま授業に臨んでいる」とした回答者は70.1%に上っています。まずは、教職員の勤務の実態把握に努める必要があると考えますが、教育長の御所見を伺います。
A 高田直芳 教育長
まず、本県では、全ての公立学校において、教員の出勤時刻と退勤時刻をICカードの打刻等をすることにより、在校等時間を把握しております。
また、昨年度は、県立学校では全校で、市町村立学校では全市町村から小・中学校1校ずつを抽出して、30分ごとの在校中の勤務内容及び「持ち帰り仕事」の内容や時間について調査を実施したところでございます。
議員御指摘のとおり、教員の勤務実態について様々な報道がなされていることは承知をしております。
教員の働き方改革をより一層強力に進めるためには、さらに踏み込んだ勤務実態の把握の必要があると認識しております。
教員の働き方改革は、最も重要かつ喫緊の課題の一つであり、現在、進めている取組の進捗状況を踏まえながら、必要な実態把握に努めてまいります。
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