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掲載日:2024年10月31日

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第59回熊谷染作品競技会(特定非営利活動法人熊谷染継承の会)

特定非営利活動法人熊谷染継承の会(以下、熊谷染継承の会)は、熊谷染の普及と技術伝承のための活動を行っています。

今回は、10月11日(金曜日)に熊谷市スポーツ文化村「くまぴあ」で行われた「第59回熊谷染作品競技会」の表彰式を取材し、代表理事の大久保 伯男(おおくぼ のりお)さんと競技会で入賞された方々へお話を伺いました。

熊谷染継承の会とは?

熊谷染とは、絹の白生地に小紋や友禅の技法で染色したもので、埼玉県伝統的手工芸品に指定されています。その歴史は江戸時代中期に遡るとされ、荒川の伏流水である星川を中心に発展しました。

  • 小紋:型紙を使い細やかな紋様を染め上げるものです。
  • 友禅:多彩な色を使い、曲線的で簡略化された動植物、器物、風景を手書きで染め上げるものです。

かつては多くの染色業者が熊谷染を製作していましたが、現在は数軒残るのみとなってしまいました。熊谷染の技術や伝統・文化を受け継ぎ、後継者の育成や熊谷染の普及を図ることを目的に、平成27年11月に熊谷染継承の会を設立しました。

現在は、「くまぴあ」で熊谷染の講座や体験教室を実施するほか、熊谷市観光協会等からの依頼に応じて製品の加工・販売を行っています。

熊谷染1 熊谷染2

第59回熊谷染作品競技会 表彰式

令和6年度の作品競技会には、37名の出品者から額絵36点、着物13点、その他14点の計63点の応募がありました。

熊谷染3 熊谷染4

熊谷染5 熊谷染6

まず、審査委員長を務めた女子美術大学非常勤講師の水上嘉代子氏から審査の講評がありました。

審査のポイントは小紋と友禅では異なるそうで、小紋染めは(1)模様一つ一つの美しさ、(2)極小の美を成り立たせた型置きの正確さを見ているそうです。また、友禅染めでは、(1)防染糊の白上がりの美しさ、(2)模様の多彩さ、(3)ぼかしの美しさ、(4)デザインのバランスが重要になってくるとのことでした。

今年の作品は友禅染めが少なかったそうで、小紋のレベルが向上している分、今後は両方出品されることを望んでいると仰っていました。

その後、1位から7位までの入賞作品が発表され、それぞれ表彰状が授与されました。1位の埼玉県知事賞と2位の埼玉県議会議長賞は、当センター所長より、受賞者へ表彰状が渡されました。

熊谷染7

入賞作品について

今年度受賞作品の中から、1位から3位を受賞された3名にお話を伺いました。

埼玉県知事賞

第1位となる埼玉県知事賞を受賞されたのは、池田うめ子さんの小紋着物でした。薄いブルーの地に紅葉や花、波の模様が繊細に染められた作品です。

池田さんによると、ふだん使用する生地とは異なり、少し柄の入ったものを使用したそうで、染めた時にムラにならないか心配だったそうです。審査委員長からは、生地が色に変化を与えて、上品で品格高い作品になったと講評を受けていました。

熊谷染8  

埼玉県議会議長賞

埼玉県議会議長賞を受賞されたのは、関根とし子さんの作品です。ピンク地に細かなひょうたん柄が可愛らしい着物ですが、ひょうたんが潰れて見えなくならないか不安になりながら作業していたそうです。「賞をもらえると思っていなかったので良かった。」と受賞を喜ばれていました。

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埼玉県産業労働部長賞

埼玉県産業労働部長賞を受賞された荻野節子さんの作品は、薄紫の地に菊の柄が美しい小紋着物です。

荻野さんは、菊の花柄が好きでこのデザインを選んだそうで、製作には6日間かかったそうです。今後は、繊細な友禅染の作品に挑戦してみたいと仰っていました。

 熊谷染10

今後の活動について

代表理事の大久保さんによると、来年度には熊谷市及び熊谷市観光協会と協働で新たな事業を企画しているそうです。新事業「熊谷染『夢のプロジェクト』」は、熊谷市と熊谷市観光協会と協働し、熊谷市内に在住・在学する高校・専門学校・大学生向けに熊谷染めを体験するワークショップを開催、若い世代の柔軟な発想とDXの活用により、新たな商品の開発を行うというものだそうです。大久保さんは「若い人の力を借りて、どんなものができあがるのか楽しみ。」と仰っていました。

熊谷染11

熊谷染継承の会では定期的に熊谷染の体験教室を実施しているほか、11月16日(土曜日)・17日(日曜日)に行われる熊谷市産業祭でも出店予定とのことです。埼玉の誇る伝統手工芸品体験してみませんか?

お問い合わせ

企画財政部 北部地域振興センター 県民生活担当

郵便番号360-0031 埼玉県熊谷市末広三丁目9番1号 埼玉県熊谷地方庁舎1階

ファックス:048-524-0770

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