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ページ番号:254969
掲載日:2024年11月26日
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番号 | 件名 | 受付年月日 | 結果公表日 |
---|---|---|---|
1 | 県営水上公園における水着撮影会に係る利用許可に関する件 | 令和6年4月18日 | 令和6年6月21日 |
2 | 県営水上公園における水着撮影会に係る利用許可に関する件 | 令和6年8月23日 | 令和6年10月25日 |
令和4年4月から令和6年3月までに、県営しらこばと公園において実施された水着撮影会に係る行為許可及び川越公園及び加須はなさき公園の当該行為許可について、県派遣職員である当時のしらこばと公園管理事務所長A並びに公園緑地協会の理事長B及び副理事長Cの3名に対し、以下のとおり適切な是正措置を講ずべきことを求める。
・県営水上公園における公序良俗に反する水着撮影会の利用を許可したことについて、懲戒処分としなかった不作為及び成績評価に考慮しなかった不作為は、違法又は不当であるので、これらの職員に減給又は停職の懲戒処分を行い、支給済みの給与のうち本来減額するべきであった金額相当の返還請求を行うこと。
・これらの不作為を勤務成績評価に反映し昇給を停止すること。
・減額して支払うべき金額との差額相当額の返還請求をすること。
本件請求については、理由がないものと判断し棄却する。
(1)請求人は、しらこばと公園管理事務所長が、青少年条例の趣旨に反する、又は、公序良俗に反する水着撮影会を行為許可したことは違法である、と主張している。
公園での行為許可に当たっては、地方自治法第244条第2項で規定する「正当な理由」がなければ公園の利用を拒否することができない。また、都市公園条例第9条第2項では、公園の行為許可できない要件として「都市公園の管理上支障があると認められるとき」、「公共の福祉を阻害するおそれがあると認められるとき」及び「その他都市公園の設置の目的に反すると認められるとき」が規定されている。
県が主催事業者及び施設管理者(公園緑地協会)に対する調査を行ったところ、青少年条例に定める有害役務営業に当たる事実は認められず、条例違反との判断には至らなかった。
また、公序良俗に反するか否かは、「公然わいせつ」など法令に違反する行為があるかどうかが、一つの判断基準になる。刑法第174条の「公然わいせつ」における「わいせつ」とは、判例によると「徒に性欲を興奮又は刺激せしめ、且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」とされており、具体的な基準はないものの、水着撮影会では性器の露出なども無く、「わいせつ」に該当するとはいえない。
また、会場は遮蔽して実施されており他の利用者の目に触れないように配慮されていた。
したがって、当該行為は、地方自治法第244条第2項において規定されている公園の利用を拒否する「正当な理由」又は県都市公園条例第9条第2項で行為許可できないとされる要件に該当するとはいえない。よって、しらこばと公園管理事務所長の行為許可は、違法とはいえない。
(2)請求人は、しらこばと公園における水着撮影会について未成年者の出演及び客としての入場を禁止する許可条件を明文化していなかったこと、川越公園、加須はなさき公園において水着撮影会の詳細な許可条件を全く明文化していなかったことは、重大な職務上の義務違反又は職務懈怠であると主張している。
しらこばと公園、川越公園及び加須はなさき公園においては、すべての行為許可の際には、許可書と合わせて許可条件を文書で示している。
その上で、しらこばと公園において、水着撮影会について未成年者の出演及び客としての入場を禁止する許可条件を明文化していなかったのは、当時は未成年者の出演及び客としての入場に係る制限を設けていなかったためである。また、「有害役務営業」に該当しない水着撮影会であれば、青少年条例にも抵触していない。
したがって、未成年者の出演及び客としての入場を禁止する許可条件を明文化していなかったことが職務上の義務違反又は職務懈怠に当たるとはいえない。
また、川越公園及び加須はなさき公園においては、許可条件の明文化について、しらこばと公園と異なる取扱いとなってはいるものの、必要な許可条件については文書で示しており、詳細な許可条件を明文化していなかったことのみをもって、職務上の義務違反又は職務懈怠に当たるとはいえない。
(3)請求人は、水着撮影会に中学生が卑猥なポーズで撮影させるなど公序良俗に違反する行為が行われており、当日に監視業務に当たっていた職員はこれを中止させる職務上の義務を負っており、これを怠ったのは重大な職務上の義務違反又は職務懈怠である、と主張する。
しかし、当時出演者について年齢による制限を条件とはしておらず、監視に当たっていた職員は、出演者の年齢を確認する立場になかった。また、巡視の際に公序良俗に反する行為について現認したことはなく、中止させるなどの措置を講じなければならない状況になかった。
よって、職員の監視について、職務上の義務違反又は職務懈怠があったとはいえない。
(4)請求人は、しらこばと公園管理事務所長が水着撮影会後に「水着撮影会の実態を自らの主体的・能動的に調査していなかった」ことは、重大な職務上の義務違反又は職務懈怠に当たる、と主張している。
公園における行為許可に当たっては、主催者から許可申請の相談を受けて、事前にイベント内容や許可条件について説明等を行った上で、正式な許可申請を受付け、許可条件を付して許可をしている。公園管理者は、行為許可したイベント実施中においては、イベントが許可申請と合致しているか、許可条件に違反していないかについて、巡回により確認しているが、イベント終了後においては、イベントの内容等に関する調査は行っていない。水着撮影会の場合も、同様にイベント実施中は職員が巡回により確認をしており、イベント終了後における調査は行っていない。これら一連の手続の中に不適当な点はなく、イベント終了後に調査していなかったことが職務上の義務違反又は職務懈怠に当たるとはいえない。
(5)請求人は、「埼玉県営水上公園における水着撮影会の在り方検討会」及び県公園緑地協会が今年の3月5日に新たに、18歳未満の出演禁止・撮影会への入場禁止、禁止水着や禁止ポーズでの撮影禁止などの条件が追加されたが、従前から「それらを満たさない水着撮影会は不許可とする職務上の義務を負っていた」「未成年者の出演が予定されていたことを理由に中止要請を行うべきであった」と主張している。
しかし、水着撮影会在り方検討会での提言を受けて、新たな許可条件では未成年者の参加を禁止したものであり、それ以前は、水着撮影会において未成年者の出演や入場については許可条件としていなかったため、不許可とする職務上の義務は負っていなかった。
もとより、法令は既に行われた行為に対して遡って適用されないとする「法令不遡及の原則」という考え方があり、こうした考え方からも、在り方検討会で提言された新たな許可条件に基づき、遡って当時の水着撮影会を不許可としなかった、又は、中止要請を行わなかったことが、職務上の義務違反又は職務懈怠に当たるということは適当でない。
(6)水着撮影会に係る行為許可については法令等にしたがって行われている。一方で、行為許可の不当性を判断する際には青少年保護に対する配慮や出演者の「表現の自由」など様々な保護すべき権利の均衡を考慮する必要が生じる。都市公園の自由使用の原則などを踏まえると当時の許可条件に照らして不当とはいえない。
(7)上記のとおり、水着撮影会に係る行為許可に関して、A、川越公園管理事務所長、加須はなさき公園管理事務所長について、違法性は認められず不当ともいえない。
よって、非違行為はないと判断する。
したがって、各所長の上司としてのB及びCに管理監督責任はないと判断する。
(8)請求人は、B、C及びAは、それぞれの非違行為により、懲戒処分ないしは勤務成績評価に基づく昇給停止が行われなかったことは、違法又は不当な不作為である、と主張している。加えて、それらの不作為により、給与が過大に支出されている、と主張している。
地方公務員法では、第29条第1項第1号の法令違反及び第3号の全体の奉仕者たるにふさわしくない非行を行った場合に県職員を懲戒処分することができることが規定されている。
しかし、上記のとおり、B、C及びAには法令違反及び非違行為は認められない。
また、勤務成績評価に反映する非違行為も無かったと認められる。
よって、懲戒処分又は勤務成績評価に関連して、給与が過大に支出されているとはいえない。
(9)水着撮影会を含む行為許可条件の内容については、一般行政上の意思決定に属するものであるため、本件措置請求に係る監査の対象とはしていない。
(10)水着撮影会の開催にあたっては、公序良俗に反しているのではないかとの県民からの疑念をいだかれないよう、新たな許可条件のもと、適切に管理運営を行われたい。
令和4年4月から令和6年3月までに、県営しらこばと公園において実施された水着撮影会に係る行為許可及び川越公園及び加須はなさき公園の当該行為許可について、県派遣職員である当時のしらこばと公園管理事務所長A並びに公園緑地協会の理事長B及び副理事長Cの3名に対し、以下のとおり適切な是正措置を講ずべきことを求める。
・県営水上公園における公序良俗に反する水着撮影会の利用を許可し、「性的好奇心をそそる」行為が行われたにも関わらず発見できず、また適切な対応を取らなかったことについて、懲戒処分としなかった不作為及び成績評価に考慮しなかった不作為は、違法又は不当であるので、これらの職員に減給又は停職の懲戒処分を行い、支給済みの給与のうち本来減額するべきであった金額相当の返還請求を行うこと。
・これらの不作為を勤務成績評価に反映し昇給を停止すること。
・減額して支払うべき金額との差額相当額の返還請求をすること。
本件請求は、前回の監査請求の請求人らとは別の住民による請求であることから、一事不再理の原則を援用することはできないが、既に監査を行った請求と同一内容の請求については、改めて監査を行うことなく、既に行った監査の結果に基づいて、請求に係る事実がないと判断できるときは、その旨を請求人に通知すれば足りるとされている(昭和34年3月19日行政実例参照)。
本件請求では証拠資料が追加提出されているが、摘示されている違法・不当な給与の支出が同一であるため、前回請求と同一内容の請求であると判断する。
本件請求は、財務会計行為である「給与の支払」とその前提となる非財務会計行為である「職員の懲戒処分」又は「職員の勤務成績評価」についてのものであるから、それに影響を与える法令違反又は非違行為の有無を判断する必要がある。
前述のとおり公序良俗の捉え方には幅があり、一概に論じることが困難である中で、行為許可事業者による「性的好奇心をそそるおそれのある行為」があったとしても条例違反行為があったとまではいえないことから公園管理事務所長が行った水着撮影会に係る行為許可に関して、職員の懲戒処分等に該当するような非違行為があったとはいえない。
しらこばと公園や川越公園の水着撮影会では、事務所職員が通常行うべき措置として巡回をしていたことから、適切な対応を取られなかったとはいえず、許可条件違反を発見できなかったとしても、懲戒処分等に該当するような所長の職務上の義務違反・職務懈怠とまではいえない。
ゆえに、県派遣職員A、B及びCには、懲戒処分等に該当するような非違行為は認められない。
よって、前回請求の監査結果(令和6年6月14日付け監査第100-1号)の判断を変更すべき理由がないため、本件請求の監査対象事項に対する判断は、前回請求のものをもって充てる。
本件請求については、理由がないものと判断し棄却する。
(1)請求人は、しらこばと公園管理事務所長が、青少年条例の趣旨に反する、又は、公序良俗に反する水着撮影会を行為許可したことは違法である、と主張している。
公園での行為許可に当たっては、地方自治法第244条第2項で規定する「正当な理由」がなければ公園の利用を拒否することができない。また、都市公園条例第9条第2項では、公園の行為許可できない要件として「都市公園の管理上支障があると認められるとき」、「公共の福祉を阻害するおそれがあると認められるとき」及び「その他都市公園の設置の目的に反すると認められるとき」が規定されている。
県が主催事業者及び施設管理者(公園緑地協会)に対する調査を行ったところ、青少年条例に定める有害役務営業に当たる事実は認められず、条例違反との判断には至らなかった。
また、公序良俗に反するか否かは、「公然わいせつ」など法令に違反する行為があるかどうかが、一つの判断基準になる。刑法第174条の「公然わいせつ」における「わいせつ」とは、判例によると「徒に性欲を興奮又は刺激せしめ、且つ普通人の正常な性的羞恥心を害し、善良な性的道義観念に反するもの」とされており、具体的な基準はないものの、水着撮影会では性器の露出なども無く、「わいせつ」に該当するとはいえない。
また、会場は遮蔽して実施されており他の利用者の目に触れないように配慮されていた。
したがって、当該行為は、地方自治法第244条第2項において規定されている公園の利用を拒否する「正当な理由」又は県都市公園条例第9条第2項で行為許可できないとされる要件に該当するとはいえない。よって、しらこばと公園管理事務所長の行為許可は、違法とはいえない。
(2)請求人は、しらこばと公園における水着撮影会について未成年者の出演及び客としての入場を禁止する許可条件を明文化していなかったこと、川越公園、加須はなさき公園において水着撮影会の詳細な許可条件を全く明文化していなかったことは、重大な職務上の義務違反又は職務懈怠であると主張している。
しらこばと公園、川越公園及び加須はなさき公園においては、すべての行為許可の際には、許可書と合わせて許可条件を文書で示している。
その上で、しらこばと公園において、水着撮影会について未成年者の出演及び客としての入場を禁止する許可条件を明文化していなかったのは、当時は未成年者の出演及び客としての入場に係る制限を設けていなかったためである。また、「有害役務営業」に該当しない水着撮影会であれば、青少年条例にも抵触していない。
したがって、未成年者の出演及び客としての入場を禁止する許可条件を明文化していなかったことが職務上の義務違反又は職務懈怠に当たるとはいえない。
また、川越公園及び加須はなさき公園においては、許可条件の明文化について、しらこばと公園と異なる取扱いとなってはいるものの、必要な許可条件については文書で示しており、詳細な許可条件を明文化していなかったことのみをもって、職務上の義務違反又は職務懈怠に当たるとはいえない。
(3)請求人は、水着撮影会に中学生が卑猥なポーズで撮影させるなど公序良俗に違反する行為が行われており、当日に監視業務に当たっていた職員はこれを中止させる職務上の義務を負っており、これを怠ったのは重大な職務上の義務違反又は職務懈怠である、と主張する。
しかし、当時出演者について年齢による制限を条件とはしておらず、監視に当たっていた職員は、出演者の年齢を確認する立場になかった。また、巡視の際に公序良俗に反する行為について現認したことはなく、中止させるなどの措置を講じなければならない状況になかった。
よって、職員の監視について、職務上の義務違反又は職務懈怠があったとはいえない。
(4)請求人は、しらこばと公園管理事務所長が水着撮影会後に「水着撮影会の実態を自らの主体的・能動的に調査していなかった」ことは、重大な職務上の義務違反又は職務懈怠に当たる、と主張している。
公園における行為許可に当たっては、主催者から許可申請の相談を受けて、事前にイベント内容や許可条件について説明等を行った上で、正式な許可申請を受付け、許可条件を付して許可をしている。公園管理者は、行為許可したイベント実施中においては、イベントが許可申請と合致しているか、許可条件に違反していないかについて、巡回により確認しているが、イベント終了後においては、イベントの内容等に関する調査は行っていない。水着撮影会の場合も、同様にイベント実施中は職員が巡回により確認をしており、イベント終了後における調査は行っていない。
これら一連の手続の中に不適当な点はなく、イベント終了後に調査していなかったことが職務上の義務違反又は職務懈怠に当たるとはいえない。
(5)請求人は、「埼玉県営水上公園における水着撮影会の在り方検討会」及び県公園緑地協会が今年の3月5日に新たに、18歳未満の出演禁止・撮影会への入場禁止、禁止水着や禁止ポーズでの撮影禁止などの条件が追加されたが、従前から「それらを満たさない水着撮影会は不許可とする職務上の義務を負っていた」「未成年者の出演が予定されていたことを理由に中止要請を行うべきであった」と主張している。
しかし、水着撮影会在り方検討会での提言を受けて、新たな許可条件では未成年者の参加を禁止したものであり、それ以前は、水着撮影会において未成年者の出演や入場については許可条件としていなかったため、不許可とする職務上の義務は負っていなかった。
もとより、法令は既に行われた行為に対して遡って適用されないとする「法令不遡及の原則」という考え方があり、こうした考え方からも、在り方検討会で提言された新たな許可条件に基づき、遡って当時の水着撮影会を不許可としなかった、又は、中止要請を行わなかったことが、職務上の義務違反又は職務懈怠に当たるということは適当でない。
(6)水着撮影会に係る行為許可については法令等にしたがって行われている。一方で、行為許可の不当性を判断する際には青少年保護に対する配慮や出演者の「表現の自由」など様々な保護すべき権利の均衡を考慮する必要が生じる。都市公園の自由使用の原則などを踏まえると当時の許可条件に照らして不当とはいえない。
(7)上記のとおり、水着撮影会に係る行為許可に関して、A、川越公園管理事務所長、加須はなさき公園管理事務所長について、違法性は認められず不当ともいえない。
よって、非違行為はないと判断する。
したがって、各所長の上司としてのB及びCに管理監督責任はないと判断する。
(8)請求人は、B、C及びAは、それぞれの非違行為により、懲戒処分ないしは勤務成績評価に基づく昇給停止が行われなかったことは、違法又は不当な不作為である、と主張している。加えて、それらの不作為により、給与が過大に支出されている、と主張している。
地方公務員法では、第29条第1項第1号の法令違反及び第3号の全体の奉仕者たるにふさわしくない非行を行った場合に県職員を懲戒処分することができることが規定されている。
しかし、上記のとおり、B、C及びAには法令違反及び非違行為は認められない。
また、勤務成績評価に反映する非違行為も無かったと認められる。
よって、懲戒処分又は勤務成績評価に関連して、給与が過大に支出されているとはいえない。
(9)水着撮影会を含む行為許可条件の内容については、一般行政上の意思決定に属するものであるため、本件措置請求に係る監査の対象とはしていない。
(10)水着撮影会の開催にあたっては、公序良俗に反しているのではないかとの県民からの疑念をいだかれないよう、新たな許可条件のもと、適切に管理運営を行われたい。
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