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Q 田並尚明 議員(民主フォーラム)
近年、障害に対する理解が深まり、保護者の間では子供に障害や発達の特性に応じた専門的な教育を受けさせたいという要望が高まっています。その影響もあり、県立知的障害特別支援学校の児童生徒数は、増加の一途をたどっています。平成24年度には4,661人だった児童生徒数は、令和6年度には7,270人に達し、特に県南部地域、さいたま市における小・中学生の入学者が増加し続けていることから、深刻な教室不足が発生しております。
このような状況の中、県では高校内分校の設置、岩槻はるかぜ特別支援学校の開校、既存特別支援学校校舎の増築などの対策を講じており、これらの取組は評価されるべきものです。
しかし、今後も知的障害のある児童生徒の増加が見込まれており、県の特別支援教育推進計画では、令和10年度には7,105人まで増加すると予測されていますが、既に見込みを上回る児童生徒数となっています。特別支援学校の設置義務は都道府県にありますが、県内で最も児童生徒数が増加しているのは、さいたま市です。
現在、さいたま市内の県立特別支援学校は、想定の受入人数を超えており過密状態となっていることから、教育環境の改善は喫緊の課題となっています。
こうした背景の下、我が会派の木村県議は、令和5年12月定例会において、1、さいたま市内の県立学校が令和8年度に統合される予定であることを踏まえ、その跡地利用について、2、さいたま市との連携を強化し、知的障害特別支援学校の新設の必要性について質問を行いました。
これに対し日吉教育長は、「政令指定都市であるさいたま市による市立の知的障害特別支援学校の設置を含め、市とこれまで以上に連携・協力を進めていきたい」との考えを示し、また、「令和8年度に再編されるさいたま市内の県立学校の跡地を活用した特別支援学校の設置は、一つの選択肢である」と答弁いたしました。
さらに、本年のさいたま市議会2月定例会において、清水市長は施政方針演説の中で、知的障害のある児童生徒の教育環境を向上させるため、新たな私立特別支援学校の整備を検討していくことを表明しました。
また、さいたま市の竹居教育長は、2月10日のさいたま市議会代表質問において、「県から県立浦和工業高校跡地の活用も含めた市立特別支援学校の設置依頼を受けており、候補地の一つとして県と協議を進めている」と答弁しました。さらに、開校当初においては埼玉県との人事交流が大変有効であり、教員の人材確保と専門性向上の観点からも重要であるとの認識を示しました。
木村県議の質問を契機として埼玉県とさいたま市の協議が大きく前進していることは、児童生徒の保護者や関係者の皆様、さらには県議会や市議会の多くの議員の働き掛けの成果であり、関係する皆様に心より敬意を表します。
そこで、今後の具体的な取組について、以下の3点を教育長にお伺いいたします。
一つ目として、県立浦和工業高校跡地利用の活用について。
さいたま市には、既に県から県立浦和工業高校跡地の活用も含めた市立特別支援学校の設置の依頼を行っているとのことですが、これまでの経緯についてお聞かせください。
二つ目として、教員の確保及び専門性を備えた人材の育成について。
特別支援教育の充実のためには、教員の確保と専門性向上が不可欠です。そのためには、県との人事交流が有効であり、特に開校当初においては極めて重要であると考えますが、この点についてどのようにお考えか、教育長のお考えをお聞かせください。
三つ目として、財政支援について。
特別支援学校の設置義務は都道府県にあります。今回、さいたま市が市立特別支援学校の設置を検討していることを踏まえ、その実現に向けて県として最大限の財政支援を含めた支援を行うべきと考えますが、御見解を伺います。
A 日吉亨 教育長
まず、閉校後の浦和工業高校跡地の活用も含めた市立知的障害特別支援学校の設置の経緯についてでございます。
さいたま市内の児童生徒が通う県立知的障害特別支援学校は、受入規模を上回る過密状況であり、その環境改善に向け、令和2年度から、さいたま市と協議を開始し、令和3年度には、市立知的障害特別支援学校の設置も視野に入れて協議を続けておりました。
一方、県では、令和4年10月、「魅力ある県立高校づくり第2期実施方策」を策定し、さいたま市内では、浦和工業高校及び岩槻北陵高校を閉校することを公表いたしました。
その後、浦和工業高校及び岩槻北陵高校の施設の情報提供を行いながら、さいたま市と協議を重ね、議員お話しのとおり、令和6年11月に、できる限り早期に市立知的障害特別支援学校を設置していただけるよう、さいたま市に対して依頼いたしました。
現在、さいたま市が、浦和工業高校も候補地の一つとして、具体的な検討を進めているものと承知しております。
次に、教員の確保及び専門性を備えた人材の育成についてでございます。
特別支援学校の開校にあたっては、県立特別支援学校の児童生徒を受け入れていただくことも考えられるため、転学する児童生徒が安心して学校生活を送れるよう、教員の確保や専門性を備えた人材の育成も重要と認識しております。
県といたしましては、さいたま市による市立の特別支援学校の設置に当たり、特別支援教育に関する専門性を有する教員の積極的な人事交流を進め、人材を育成してまいります。
次に、市立知的障害特別支援学校の設置の実現に向けた最大限の財政支援も含めた支援についてでございます。
市立知的障害特別支援学校の早期設置と円滑な運営に向けて、さいたま市への支援は、大変重要であると考えております。
国では、特別支援学校の校舎等の整備費用について、財政支援制度を設けております。
県としては、国の財政支援制度を最大限活用できるよう、情報提供などを行い、さいたま市をしっかりと支援してまいります。
また、候補地の一つである浦和工業高校跡地が活用される場合には、学校用地の取得に係るさいたま市の財政負担の軽減についても、市と協議してまいります。
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