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掲載日:2023年3月14日
Q 吉良英敏 議員(自民)
2020年3月に全国で初めてケアラー支援条例を制定した埼玉県ですが、ケアラーはまだその支援を実感できていないという声を聞きます。普及啓発においては、支援計画どおりにまず進みました。マスコミにも取り上げられ、ヤングケアラーに至っては総理の答弁や流行語大賞にノミネートもされ、言わば日本全国に広がりを見せました。そして、この春創設のこども家庭庁でも大きく明記されました。
そこで、まず埼玉のケアラー支援の価値について伺いたいと思います。
先日、埼玉県ケアラー支援に関する有識者会議がオンラインで開催されました。毎回傍聴をさせていただいておりますが、県庁に行かないと傍聴することができません。オンラインで開催しているのにリアルでしか傍聴できない。なぜでしょうか。日本のケアラー支援のモデル県である埼玉県は、今後どのような支援を行っていくのか、全国が注目しています。私からすると、埼玉県自身が有識者会議の価値を分かっているのだろうかと疑問を持たざるを得ません。
さらに、その有識者会議ですが、今年度は6月と2月の2回開催、1回目の会議では前年度の事業が示され、その年度の主な取組が説明されます。新たな事業提案の余地はなく、実質的な議論はできませんでした。2回目の会議では、その年度の事業の取組状況の報告と翌年度の関係予算が示され、その時点で翌年度の事業は決定しています。また、委員は15名で構成されていますが、開催時間は事務局からの説明も含めて90分、委員同士の意見交換や議論も十分にできていませんでした。事業計画については、当事者団体やケアラー支援団体への聞き取り調査がないまま作られているように思われます。「県民が主語、県民目線」、これがキャッチフレーズの知事ですが、私にはケアラーの声、県民の声を聞く姿勢ができているとは思えません。それで、ましてやヤングケアラー、子供たちの声を聞くことができるのか。
イギリスのヤングケアラー支援で活躍するヘレン・リードビターさんの講演に行ったとき、「一番大切なことは何ですか」と、そういう質問に「子供の声を聞くこと」、そう教えてもらいました。私は、ケアラー支援を本気でやる気があるのか疑問です。
日本一暮らしやすい埼玉の実現は、そんなに簡単ではありません。最近は、多方面から支持されている知事ではありますが、ケアラーからは切実な声が、ヤングケアラーの6割が支援してほしいと訴えているのです。ケアラー支援について、知事のやる気を聞かせてください。
A 大野元裕 知事
「全国が注目する埼玉のケアラー支援について」でございます。
県では、ケアラー支援条例が制定された後、ケアラー、ヤングケアラーへの大規模な実態調査の実施やケアラー支援計画の策定など、全国に先駆けて支援に向けて取り組んでまいりました。
また、ケアラー月間の創設や、ヤングケアラー向けのオンラインサロンの設置についても、全国で初めて実施をしてまいりました。
こうした本県の取組を参考にして、国では、新たにヤングケアラー支援の補助事業を創設し、令和6年度までの3年間をヤングケアラー支援の集中取組期間として設定するなど、本県の取組が国の施策にも大いに影響を与えたところでございます。
この結果、全国の自治体に条例制定や支援の動きが広まったほか、報道でもケアラー、ヤングケアラーを取り上げていただくことが大変増え、ケアラー、ヤングケアラーの課題が広く認識されることにつながったと考えております。
私自身も介護者サロンを訪問し、参加されている方のお話を直接お伺いし、ケアラー支援の大切さを改めて感じたところであります。
誰もが自分らしい生活を送れるよう引き続き、ケアラー、ヤングケアラー、支援団体等の意見を幅広くお伺いしながら、条例の規定に従い市町村や関係機関等とも連携して支援に取り組んでまいりたいと考えます。
再Q 吉良英敏 議員(自民)
知事からは現場を見た、あるいは支援に取り組んでいくというお話を頂いたんですけれども、私のやる気を聞かせてくださいという質問にしては、ちょっと寂しかったなというのが率直なところです。
なぜ、これ、やる気を聞くかといいますと、埼玉県はある程度支援をやってきたんです。例えば、ヤングケアラー、サポートクラスもやりました。啓発でリーフレットも作りました。いろんな調査もしました。今度、手が挙がってくるんです。手が挙がってきたところに、今度は私たちの方から一歩、アウトリーチです。支援してほしいという子に向けて、例えばアセスメント、そういった段階に入ってきて、研修とかもそうだと思うんです。研修をしました、何回やりました、何人受けました、そういうレベルではなくなってくる。一度研修を受けた先生は、今度はそれを教える側、人材を育成する側に変わるとか、そういった段階に私はきているというふうに思っています。
そういった中で言えば、非常にやる気が重要。そして、今日も2回ほど申し上げましたけれども、個人を尊重して社会全体でやっていくには、そのやる気と、そして社会全体で伝播をするような、そういったやる気の部分が非常に大切になってくると思います。親亡き後問題もそうです。あるいは複雑に絡み合っているからこそ、社会全体で支援するというには、そこのところまでをしっかりと理解をして施策を講じていかなければいけない。だから、改めてやる気が必要なんだという、そういった思いを込めた質問でございましたので、再度御答弁を頂ければと思います。
再A 大野元裕 知事
我々といたしましては、ケアラーが身近な地域の中で気軽に悩みを相談できる場所が増えるよう支援するなど、ケアラーが孤立したり、孤独を感じたりしない社会の実現を目指し、これらのケアラー支援を通じて、すべての人が自分らしい生活を送れるようにすることが極めて重要だと考えております。
そのような中で、議員からはプッシュ型の支援等を含めてフェーズが変わっているので踏み込んだ対応をといったご指摘もございました。
我々といたしましては、ケアラー支援条例が定めている必要な支援については、現状をしっかりと把握をしながら状況が変化しているのであれば、それに応じて取り組まなければいけないと考えており、先ほど申し上げた目標に到達することができるよう一歩進めて力を注いでいきたいと考えているところでございます。
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