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掲載日:2022年3月30日
Q 岡 重夫 議員(県民)
昨年12月定例会の一般質問で、埼玉民主フォーラムの木村勇夫議員が大野知事に、2040年問題についてその認識と政策展開について質問しました。その際、知事は「少子化による人口減少が進み、高齢者人口が最大となる2040年に本県は更なる高い峰を迎える。この高い峰に向かって中長期的な視野を持ちながら、やるべきことを今からしっかりと取り組んでいく」と強い決意を述べられました。
そして、埼玉県5か年計画にも針路3に「介護医療体制の充実」を掲げておりますので、この点について伺います。
厚生労働省は、昨年7月に2040年度に介護職員が約280万人必要となり、現状と比較して約69万人が不足するとの推計を発表しました。埼玉県でも、2040年度の介護職員の必要数約14万人に対し、約4万6,000人が不足すると見込まれています。そのような中、埼玉県5か年計画では、介護人材の確保、定着に向けて介護職員に対するきめ細かい支援を行い、2026年度までに介護職員を11万7,500人確保する目標を定めています。
一方、国は介護職の給与を9,000円アップする処遇改善策を出しましたが、県もまた介護人材の確保や定着率向上に努め、あわせてロボットやICT導入により職場環境改善などを進めています。しかし、これらは介護職の短期の定着率に向上するもので、中長期で介護職の確保、定着率向上を考えた場合、介護職員の社会的評価を上げない限り、慢性的な人材不足は解消しないばかりか、介護現場の人材不足は更に深刻化するおそれがあります。
多くの介護職の人は高齢者や人の役に立ちたいという思いで職を選び、一所懸命働いています。しかし、重労働で腰やひざなどを壊してしまい、残念ながら離職せざるを得ない人が多くいるのが現状です。そのような人たちも含めた現場の話を聞くと、仕事のやりがいや若い人たちや他職種からの参入を促す意味でも、介護職の社会的評価を上げてほしいという声を多く聞きます。
では、どうすれば、社会的評価が上がるのでしょうか。
まずは、介護職の職務内容や範囲の拡大と高度化が必要ではないかと考えています。例えば現在、オミクロン株により新型コロナウイルス感染症の感染が急拡大し、高齢者施設においてクラスターが多数発生しています。利用者に最も接する介護職員の一人ひとりが感染症予防に関する知識やスキルを更に身に付け、施設内での感染拡大を防止することができれば、利用者や家族、そして地域からも、より一層高い信頼を得ることができると考えます。
さらには、制度改正が必要となりますが、医師の指導の下に看護師ができる仕事の一部を介護福祉士でも行えるよう技術を修得する、また、介護職員が自宅で家族を介護している人の相談を受けて的確なアドバイスができるなど、看護師と同じような専門的な知識を持つことができれば、患者やその家族から信頼を得て社会的評価の向上につながる可能性があります。
そこで、介護職の社会的評価を上げることの必要性について、知事のお考えと今後の施策について伺います。
A 大野元裕 知事
介護の仕事は、利用者お一人お一人の心身の状況を踏まえ、その人らしい生活の実現を支援する大切な仕事だと思います。
介護職の社会的な評価をより高めることで、更に多くの優秀な人材が集まるという好循環が期待されることから、議員と同様に私も社会的評価を向上させることが重要と考えます。
介護の仕事に従事される方々は、日常生活を支える介護技術を必要とすることはもちろん、感染症への対応や看取りケアなどを行うために、医療に関する専門的な知識や技術も求められます。
また、これからの介護職には経験だけに頼らず、科学的な根拠に基づいて質の高いサービスの提供も求められると考えます。
介護職の社会的評価を高めていくためには、こうした介護職の専門性を更に向上させるとともに、その専門性に見合った賃金の改善が必要だと思います。
このため、国に対し、高度な専門性を有する介護職員がその評価にふさわしい賃金を得られるよう求めてまいります。
また、県といたしましても独自に介護福祉士などの資格の取得を支援するとともに、感染症や医療的ケアに関する各種研修などを実施し、キャリアアップが図られるよう支援をしてまいります。
さらに、介護職の社会的評価を高めるために、関係団体と連携し、介護職の役割の大切さや魅力を積極的にPRしております。
今年度は、コロナ禍の中で、高い使命感を持って高齢者の生活を支えてこられた介護職の方々に対して、県内の多くの企業や団体から感謝の気持ちを伝えるメッセージをいただき、ホームページで公開をいたしました。
私もビデオでメッセージを贈り、感謝を述べさせていただきましたが、こうした事も社会的評価の向上につながることを期待しての行いであります。
今後とも2040年を見据えた長期的な視野に立ち、介護職の社会的評価を高めながら積極的に介護人材の確保に努めてまいります。
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