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掲載日:2022年3月30日
Q 岡 重夫 議員(県民)
令和元年2月1日に指定感染症COVID-19と指定されてから、未知のウイルスとの闘いは今年で3年目に入りました。また、日本では昨年後半に第5波が収束に向かいましたが、11月30日に国内で初めて感染が確認されたオミクロン株の急速な感染拡大によって第6波となり、過去最大の新規感染者数を更新し続けました。最近は減少傾向となっても、2月22日現在、県内の1日の新規感染者数が3,879人という状況です。確かに第5波に比べると重症者は少ないといわれていますが、一般病床使用率は60%を超えて増え続けています。
ところで、今回の新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、当初約100年前のスペイン風邪が例に挙げられましたが、現在の発達した医療体制や公衆衛生の発達から、多くの国民は短期間で収束すると楽観視していたと思います。ところが、スペイン風邪に比べて感染者数や死者数は少ないものの、現在の状況を見るに収束までにはまだ期間を要すると予想されます。
また、新型コロナウイルス感染症は歴史上類を見ないウイルスとの闘いですが、これまで我々が過去に経験した感染症との闘いの歴史、そして今後予想される地球温暖化による異常気象などで新たなウイルスの発生が考えられ、人類とウイルスとの闘いは今後も続くものと予想されます。
そこで、知事に次の3点について伺います。
まず、第1点、新型コロナウイルス感染症のこれまでウイルスの度重なる変異などを見て、その特性をどのように分析し、今後の対策などをどのように取ろうとお考えなのか、知事に伺います。
2点目、県民はこれまでの2年間、度重なる緊急事態宣言などにより我慢の生活や生活の変化を強いられ、多くの県民に疲れが見えています。また、オミクロン株の急激な感染拡大で疲労感が大きくなると同時に、オミクロン株は重症者が少ないとの報道を受けて、危機感や緊張感が薄れているのではないかと危惧しています。また、去る1月19日に発令されたまん延防止等重点措置が、更に3週間延長されたことで疲労感は一層増し、3回目のワクチン接種が思うように進まない要因の一つには、危機感や緊張感の希薄化によるものと指摘する声もあります。
そこで、この危機を乗り切るためには、県民の協力を得て、県民と一体となってワンチームで危機を乗り越えることが大事です。そのために大切なのは、大野知事が県民のこのような感情を感じ取ることです。知事にも、飲食店の営業が制限される中で働く場を失った人がたくさんいること、さらに、保育園の急な休園でやむを得ず休業をしないといけない家庭のつらさなどの生の声が届いていると思います。
知事は、そのような県民のつらい立場も分かった上であらゆる媒体を使い、自らの言葉で県民の協力を呼び掛けることが必要ではないかと思いますが、知事のお考えをお聞かせください。
3点目、1月19日に政府が埼玉県にまん延防止等重点措置を発出した際、大野知事は「感染対策を講じながら経済活動を併せて行うウィズコロナの段階に入った」と述べられ、埼玉県だけがワクチン検査パッケージを採用しました。また、令和4年度予算案でもウィズコロナでの経済の回復、成長の項目が明記されています。
さて、オミクロン株の発生とその特性を踏まえ、専門家の中には、感染症法上の新型コロナの位置付けを季節性インフルエンザと同様の5類相当まで引き下げるべきで、これにより感染者は保健所を通さずに診療所で診察することが可能になり、感染者が急増しても医療ひっ迫を招かずに、重症者を手厚く治療できるという意見もあります。現在、国内でも3回目のワクチン接種に移行し、飲み薬も承認されました。そして、ウィズコロナで経済社会活動を続けていくにも、もちろん検査体制をしっかりと整備することも当然必要です。
小池東京都知事は国に対して、5類への変更も含めて科学的知見を集めてほしいと発言しています。そこで、感染法上の2類から5類への変更について、知事のお考えをお聞かせください。
A 大野元裕 知事
新型コロナウイルスの特性をどのように分析し、今後の対策をどのように取ろうとしているのかについてであります。
新型コロナウイルスの特性については、この2年間で様々な知見が積み重なってきていますが、ウイルスは流行していく中で少しずつ変異を起こし、新たな対応が必要になるため、今後も更に知見を積み重ねていく必要があります。
現在、感染が拡大しているオミクロン株は、デルタ株に比べて感染力が強く、感染拡大のスピードが極めて速いことが特徴です。
さらに、子供の感染が拡大しており、学校等での感染を原因として、家庭内で感染が拡大する事例が見られます。
まず軽症者の数が急激に増加し、併せて中等症患者も一定程度増加する中で高齢者患者も増え、重症者、入院者も増え医療全体がひっ迫していくことが懸念されるとともに、基礎疾患が悪化をし、重症化するケースが増えることとなります。
このようなオミクロン株の特性を踏まえ、保育所や放課後児童クラブにおける対策として保育士等のワクチン接種を促進し、園内での基本的な感染防止対策の徹底を進めています。
高齢者施設においても、感染予防のため、入所者等への3回目のワクチン接種を進めるとともに、施設職員に対するPCR検査を定期的に実施するよう要請しています。
また、病床のひっ迫を防ぐ必要があることから、コロナの症状が軽快した入院患者を転院させる後方医療機関の拡大を図っています。
今後は変異が発生する場合にも専門家の知見等を踏まえ、それぞれの変異株の特性に応じ、ウイルスに感染した方の重症化や命にかかわるケースを最小限にとどめることを戦略目標とし、社会経済活動との両立にも配慮しながら、新型コロナウイルス対策に粘り強く取り組んでまいります。
次に、あらゆる媒体を使い、自らの言葉で県民へ協力を呼び掛けることが必要ではないかについてであります。
議員御指摘のとおり、この危機を乗り切るためには、県民一人に御ひとり協力をいただき、県民一体となりワンチームで対応することが大変重要です。
このためには、議員御指摘のとおり県民の生の声を聞くことが欠かせません。
私の元には、知事への提案をはじめ、毎日県民の皆様から多くの御意見・御提案が寄せられています。
寄せられた御意見の中には、新型コロナウイルスの影響で仕事を失ったり、休まざるを得なくなったりした方の悲痛な声も含まれています。
私はこうした御意見に全て目を通し、できる限り県民の皆さんの気持ちに寄り添えるようにしています。
また、県民に協力をお願いする際は、記者会見やSNSで呼び掛けるだけでなく、できる限り現場に足を運び、一人でも多くの県民に御協力をいただけるよう、自らの言葉で直接語り掛けるようにしています。
まん延防止等重点措置がスタートした1月21日には、さいたま市の清水市長と、延長された2月14日には川口市の奥ノ木市長とともに街頭に立ち、感染拡大防止のために県民の皆さんのお力をお借りしたいことを繰り返し訴えました。
また、感染防止に取り組む飲食店や認定こども園等に足を運び、現場の声を丁寧に伺うとともに、感染防止対策の徹底を直接呼び掛けたりもしています。
今後とも、県民の気持ちに寄り添いながら、あらゆる媒体を使って県民に協力を呼び掛け、県民と危機感を共有してまいります。
次に、新型コロナウイルス感染症の位置づけを、季節性インフルエンザと同様の5類へ変更することについてであります。
現在、新型コロナウイルス感染症は2類相当とされているため、感染者への就業制限や入院勧告、県民への外出自粛要請などを感染症法に基づき行うことができます。
他方、これを季節性インフルエンザ相当の5類に変更すると、こうした措置はできなくなります。
さらに、入院費等の公費負担は法的根拠がなくなり、自己負担で検査や治療を受けることになり、あるいは陽性者や濃厚接触者が休む場合には欠勤扱いとなります。
新型コロナウイルスについては、科学的知見が蓄積されてきてはいるものの、まだまだ分かっていないことが多いことも現状です。
ウイルスが変異を繰り返して強毒化する可能性も否定はできません。
こうしたことから、5類への変更については、十分な科学的知見を集めた上で、あらゆる事態を想定した議論・検討を行い、慎重に判断するべきものと考えております。
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