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掲載日:2023年10月17日
Q 飯塚俊彦 議員(自民)
先日、新型コロナウイルスの流行で、婚姻や妊娠を控える傾向があるとの報道がありました。報道では、婚姻届の受理件数が前年同期に比べ2、3割程度減少した事例や、妊娠を希望していた母親の3割が妊娠の断念や延期を決めていたという調査結果が紹介されていました。
妊娠中に感染した場合の胎児への影響については、まだ明らかにはなっていない面も多く、感染リスクを考えてこうした動向になることも十分予想できます。これで妊娠を強く望み、不妊治療を継続されていた方においても、外出自粛や感染への不安により、治療から遠のいてしまうことが懸念されます。
不妊治療の公費助成には年齢制限があり、治療を中断している間に公費助成の対象年齢の上限を迎えて諦めてしまうかもしれません。こうしたことは、大きな社会的課題である少子化傾向に一層の拍車がかかるリスクがあると考えます。私は県としてこのような方々を応援すべきと思います。
また、既に妊娠している方においても、感染リスクへの不安や外出自粛から、通院が必要な妊婦健診の受診が減っているとの話も聞いています。ただでさえ不安の多い出産に向けて万全のサポートが望めないと考えると、今は妊娠を控えたいという気持ちも理解できます。妊婦さんに対して、このような状況下でも心配なく受けられるサービスが充実していることを周知することができれば、少しずつ不安が解消され、妊娠、出産への後押しになると考えます。
このようにコロナ禍においても、安心して妊娠、出産できると感じられる取組が必要と考えます。保健医療部長に御所見を伺います。
次に、婚姻につながる出会いについてです。
外出の自粛傾向が続いており、他人との接触の機会が大いに減っていることについては、皆さん実感しているところであります。当然ながら出会いの機会自体も減少し、少子化傾向のリスクは更に高まるのではないでしょうか。
今年6月に内閣府が実施した「新型コロナウイルス感染症の影響下における生活意識・行動の変化に関する調査」では、20歳代の4割、30歳代も3割が「結婚への関心が高くなった」と回答しており、結婚についての意識が高まっていることを示しています。感染拡大が懸念される中でも、県は結婚を希望する県民の皆様へ出会いの機会を確保していくことが重要と考えますが、どのように取り組んでいくのか、福祉部長にお伺いいたします。
A 関本建二 保健医療部長
「コロナ禍においても安心して妊娠し出産できると感じられる取組みについて」お答えを申し上げます。
新型コロナウイルス感染拡大により、不安から不妊治療を延期した方や、両親学級等の母子保健事業の中止により、支援が受けられなくなった妊産婦もいます。
このような状況の中、国は時限的に、不妊治療の助成対象の上限年齢を1歳引き上げたほか、対面で実施していた母子保健事業や妊婦健診の一部を、電話やオンラインによる実施も認めることとしました。
県においても、独自事業の早期不妊治療の助成や不妊検査、不育症検査の助成などについて、国と同様に対象年齢を1歳引き上げました。
また、産後うつ病のスクリーニング検査や産後健診への助成を行う、県独自の事業についても、オンラインなどによる実施を認め、市町村が柔軟に対応できるようにしました。
県の「不妊・不育症・妊娠サポートダイヤル」においても、感染拡大に不安を抱える妊婦の相談に対応しています。
さらに、感染不安を抱える妊婦のために、9月1日から分娩前ウイルス検査の費用の助成を開始しています。
こうした取組は、ホームページや市町村などの関係機関を通じて周知しておりますが、妊娠、出産の後押しのためにはより情報の拡散が期待できるSNSなどの新たな手法も活用し、更なる周知に努めてまいります。
A 山崎達也 福祉部長
「出会いの機会の確保について」お答えを申し上げます。
県では、平成30年度にSAITAMA出会いサポートセンターを官民連携で立ち上げ、結婚を希望する県民への支援を行っており、本年8月末までに4,505組がお見合いをし、うち1,744組が交際に至っています。
センターでは、感染拡大が懸念される中でも出会いの機会を確保するため、オンライン化を推進しておりますが、今後、更に新規登録者の拡大と既存登録者へのきめ細かな活動支援が必要と考えております。
新規登録者の拡大のため、11月を「PR強化期間」と位置付け、市町村や企業等と連携した広報紙等でのPRに加え、フェイスブックやユーチューブなどの活用を強化し、利用者の体験談やセンターの紹介動画等の発信を通じて、積極的に登録を呼びかけてまいります。
また、既存登録者へのきめ細かな活動支援として、利用者の約7割がオンラインでの活動を希望していることから、相手の心をつかむコミュニケーション方法を習得するオンラインセミナーの取組を拡充してまいります。
今後も結婚を希望する県民に出会いの機会を提供できるよう、積極的に支援を行ってまいります。
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