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掲載日:2022年10月6日

令和元年9月定例会 「県庁舎建替え等検討特別委員長報告」

委員長   本木   茂

県庁舎建替え等検討特別委員会における審査経過の概要について、御報告申し上げます。
本委員会に付託されております案件は、「県庁舎の建替え及びこれに伴う周辺整備・地域活性化等に関する件」でありますが、今回は、「建替え等を行う場合の課題及び対応について」審査を行いました。
審査に当たりましては、執行部から詳細な説明を受けました。
その後、委員から、「6月定例会での審査を踏まえ、県庁舎の課題等について建替え及び改修の両面から比較検証した資料を作成した。執行部の資料でも建替えと改修を比較しているが、『まちづくり』や『コスト』など執行部が検証していない視点もある。審査に当たり参考になる部分も多いと思うので、説明したい」との資料提供の発言があり、資料配布後、説明がありました。
その後、質疑を行いました。
以下、主な論議について申し上げます。
まず、「委員会の審査に先立ち、先日、県庁内を見学し、庁舎の現状等を調査した。通路にハンガーラックやコピー機などが置かれ、人一人が通れるくらいの幅しかないところもあった。災害時の避難経路も考えるべきである。建物の構造や外壁などの検査だけでなく、こうした面も再検証すべきではないか。また、床の水平レベルがきちんと保たれていないのではないか。健康被害にもつながる話なので、各課室の状況を早急に調査し、対応すべきと考えるがどうか」との質問に対し、「避難通路も含めた状況改善に関しては、今後、関係部局とも協議して、必要な検討を行いたい。また、床に関しては、各課からの要望を受けて個別対応している。健康被害については住宅などでも事例があるので、今後、指摘を踏まえしっかり検討したい」との答弁がありました。
次に、「躯体の耐用年数については、平成27年の調査において『今後20年の使用は可能』とのことだが、調査時点から換算すると、築80年という庁舎の目標使用年数を超える。この調査結果はどういうことか」との質問に対し、「鉄筋コンクリート構造物の主な劣化要因は、コンクリートの中性化やひび割れによる鉄筋の腐食と考えている。本庁舎については、長期保全計画を策定した平成27年に外観調査やコンクリートの強度試験、中性化試験などの劣化調査を行っており、少なくとも20年以上の使用が可能であるという結果であった」との答弁がありました。
次に、「長崎県庁舎の例では、平成30年の供用開始まで、平成元年に基金の積立てを開始してから30年、平成19年に知事が新たな庁舎を建設すると表明してから11年の期間を要している。本県の場合は、築80年まで残り12年しかない。知事は、さきの一般質問で、『時期を見て建替えを検討する』と答弁したが、既にその時期にきているという認識はないか」との質問に対し、「まずは現在の庁舎の分析や検討が必要であると考えている。できる限り建物性能を客観的な形で把握するため、外部の専門家による調査が必要となる。それらの結果を踏まえて、庁舎の在り方などを検討していくものと考えている」との答弁がありました。
次に、「県庁舎の在り方については、現在あるこの場所に限定して議論する必要はないと思う。仮に移転も検討するならば、県内全域から土地の無償提供も含めて誘致を希望する市町村が出てきたり、県庁舎の土地の売却により建設費用を捻出し、県予算も抑制できるといった可能性もある。市町村の新たなまちづくりの一翼を担いながら、建設経費の削減が期待できるこうした手法についてはどう考えるか」との質問に対し、「県庁所在地については、地方自治法上、『住民の利用に最も便利であるように、交通の事情等について適当な考慮を払わなければならない』と規定されている。広大な県庁舎の敷地を利便性の高い地域で探すのは、現時点では難しい面もある。また、明治4年以降この地で使用されてきた歴史もあり、全国的に認知もされている。こうしたことも含めた幅広い議論の中で、様々な可能性を考えていくことが必要となる」との答弁がありました。
次に、「先日記者発表した知事公約に係る『取組の方向性』の中で、県庁舎の建替えに関しては、『現庁舎の建築環境性能評価や劣化診断を実施した上で、県庁舎のあり方や必要な機能について分析を行う』とある。この性能評価や診断は今年度中に行うのか。予算措置はどうするのか。また、どれくらいの期間が必要なのか」との質問に対し、「予算措置がないため、今年度中の開始は困難である。今後の予算化に向け、調査項目やその内容、方法等について検討を進めていきたい。また、他の自治体の例などによれば、おおむね1年くらいかかるものと捉えている 」との答弁がありました。
次に、「県庁舎の課題と現状の資料について、今回、調査し取りまとめた結果を見て、執行部としてはどう感じ、どう評価しているか。また、建替えすべきと考えたのか、又は改修で大丈夫と考えたのか」との質問に対し、「執務室の狭あい化やセキュリティ対策などの課題を再認識した。各課で様々工夫しているものもあるが、対応しきれていない部分もある。今後、地震の際などの職員の安全確保を優先して、改善可能なものは早急に対応していきたい。ハード面で対応が難しいものは、ペーパーレス化などソフト面での対応も考えていきたい。また、建替えと改修を純粋に比較すると、自由度の高い建替えの方に利があるのは事実だと思っている。しかし、改修についても今の技術では様々な手法がある。建替えに係るコストへの対応や政策の優先順位などの要素も関係してくる。様々な可能性について、この特別委員会はもちろん、幅広い視点からの議論を踏まえて、結論を見出していくことになると考えている」との答弁がありました。
その後、次回の審査について協議したところ、審査事項については、「建替えと改修の深掘りした比較検証など」とし、日程については、12月定例会中に開催することと決した次第です。
以上、審査経過の概要について申し上げましたが、「県庁舎の建替え及びこれに伴う周辺整備・地域活性化等に関する件」につきましては、今後とも引き続き審査する必要がありますので、閉会中の継続審査として御決定くださいますようお願い申し上げまして、本委員会の報告を終わります。

  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。

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