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掲載日:2022年1月20日
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動物由来感染症とは、人と動物の間で感染が成立する病気の総称です。人も動物も重症になる病気、動物は無症状でも人が重症になる病気、その逆で人は軽症でも動物は重症になる病気など、病原体によって様々なものがあります。
中には死に至る病気もあり、近年では、マダニから感染する重症熱性血小板減少症(SFTS)や、犬・猫から感染するコリネバクテリウム・ウルセランス菌に感染した人が死亡した事例が報告されています。
世界保健機関(WHO)が現在把握しているだけでも200種類以上の動物由来感染症がある上、従来知られていなかった新しい感染症も次々と見つかっています。そのうち、日本に存在している動物由来感染症は数十種類程度と考えられています。
動物由来感染症の代表的なものは次のとおりです。
病名 |
感染源 |
感染様式 |
主な症状 |
---|---|---|---|
狂犬病 |
犬、猫、アライグマ等のほ乳類 |
感染した動物に咬まれる。 |
咬まれた部位の知覚異常が現れ、恐水症、興奮、錯乱等の神経症状の後、呼吸麻痺で死亡。発症すると100%死亡する。 |
猫ひっかき病 |
猫 |
感染した動物の咬み傷、ひっかき傷から感染する。 |
患部の発赤、潰瘍。発熱やリンパ節腫大。 |
レプトスピラ症 |
ねずみ |
感染した動物の尿中に排出された病原体に汚染された水や土壌から感染する。 |
悪寒、発熱、腹痛や頭痛、おう吐。重傷型(ワイル病) |
パスツレラ症 |
犬、猫 |
動物の咬み傷、ひっかき傷から感染する。 |
患部の発赤、疼痛、腫脹。傷が深い場合には、骨髄炎になることもある。 |
トキソプラズマ症 |
猫、加熱不十分の食肉 |
感染した猫の糞中に排出されたオーシストや、感染した家畜の食肉中のシストが口に入ることで感染する。 |
多くの場合は無症状。妊婦が感染すると流産、死産の可能性あり。 |
回虫症 |
犬、猫 |
虫卵が存在する毛、糞、砂等が口にはいることで感染する。 |
小児に多い。発熱、肺炎、神経症状、眼球内移行、皮膚移行など。 |
Q熱 |
野生動物、家畜、ペットなど |
感染した動物の尿、糞や獣皮等に含まれる病原体を吸い込むことによる。ダニが病原体を媒介することもある。 |
発熱(38~40℃)、頭痛、悪寒、筋肉痛など。感染者の50%は無症状。 |
オウム病 |
鳥類(セキセイインコ、オウム、ハトなど) |
鳥類の糞に含まれる病原体を吸い込んだり、口移しでえさを与えることで感染。 |
発熱(38℃以上)、せき、たんや食欲不振、筋肉痛など。 |
エキノコックス症 |
キタキツネ及び北海道で放し飼いをして感染した犬 |
感染した動物の糞中に排出された虫卵を食物、水や手指を通して口に入ることで感染。 |
上腹部の不快感、膨満感、肝機能障がいなど。自覚症状が現れるまでに数年~数十年かかる。 |
重症熱性血小板減少症(SFTS) |
マダニ |
ウイルスに感染したマダニに刺されて感染。 | 発熱、消化器症状、頭痛、筋肉痛、意識障害や失語などの神経症状、リンパ節腫脹、皮下出血や下血などの出血症状。 |
コリネバクテリウム・ウルセランス感染症 | 犬、猫 | 感染した犬や猫から感染。 |
ジフテリアに似た症状を呈し、咽頭痛、咳、扁桃や咽頭への偽膜形成や白苔が見られる。重篤化すると呼吸困難を起こし、死に至ることもある。呼吸器以外に皮膚病変やリンパ節腫脹などの症状が出ることもある。 |
サルモネラ症 |
ミドリガメ、犬、猫など |
感染動物の糞に汚染された手指や食品を介して感染。 |
発熱、急性胃腸炎。 |
動物には感染予防能力はありません。感染を防ぐのはあなたです。
動物からの病気の感染を防ぐため、また、動物に病気を感染させないために、こんなことに注意しましょう。
健康な動物でも、口の中や爪に細菌やウイルスがいる場合があります。キスをしたり、口移しで餌を与えたり、スプーンや箸の共用はやめましょう。動物を布団に入れて寝ることも、知らないうちにひっかかれたりするので要注意です。
動物は、自身には病気を起こさなくても人に病気を起こす病原体を持っていたり、毛にカビの菌糸や寄生虫の卵等がついていることがあります。知らないうちに、だ液や粘液に触れたり、傷口などに触ってしまうこともあるので、必ず手を洗いましょう。
飼っている動物はブラッシング、爪切りなど、こまかく手入れをするとともに、寝床も清潔にしておきましょう。小屋や鳥かごなどはよく掃除をして、清潔を保ちましょう。タオルや敷物、水槽などは細菌が繁殖しやすいので、こまめな洗浄が必要です。
また、糞尿が乾燥すると、その中の病原体が空中に漂い、吸いこみやすくなります。糞尿に直接ふれたり、病原体を吸い込まないように気を付け、早めに処理しましょう。
羽毛や乾燥した排泄物、埃などが室内に充満しないよう、定期的な換気を心がけましょう。ケージや室内のこまめな清掃も大切です。
飼い主がわからない犬や猫、野生動物はどのような病原体を持っているかわかりません。むやみに触ることはやめましょう。
動物が排泄を行いやすい砂場や公園は注意が必要です。野良猫が残した寄生虫の卵が潜んでいるかもしれません。砂あそび、ガーデニングの草とりや土いじりをした後は、十分に手を洗いましょう。
また、糞を見つけたら速やかに処理しましょう。
飼い犬は、登録(生涯1回)と狂犬病予防注射の実施(年1回)が法律で義務づけられています。
ご相談は市町村等の窓口で。
動物由来感染症に感染しても、風邪やインフルエンザ、ありふれた皮膚病等に似た症状が出る場合が多く、病気の発見が遅れがちです。特に、小さい子供や高齢者は発症すると重症化しやすいので要注意です。医療機関を受診する際は、ペットの飼育状況や健康状態、またその他動物との接触状況についても医師に伝えましょう。
ペットが動物由来感染症に感染したとしても、軽い症状で終わったり無症状のことがあるため、知らないうちに飼い主が感染してしまう場合があります。また、ペットに寄生するノミやマダニが病原体を媒介することがあるので、定期的な駆除と、定期健診を受けさせる等のペットの健康管理に注意し、病気の早期発見に努めましょう。
もし、ペットが病気と診断された場合は、人にうつる可能性があるか獣医師に確認しましょう。
動物たちと節度ある接し方をすれば、動物からの病気の感染を防ぐことができます。
一度飼い始めた動物は、その生涯の最後まで責任を持って飼いましょう。
※動物由来感染症について、さらに詳しい情報を知りたい方のための参考HP
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