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With You さいたま > 講座・イベント > 講座終了報告 > 令和6年度 > 令和6年度 女性リーダー応援講座 -あなたの行動が地域を変える!- (連続6回講座)

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ページ番号:261548

掲載日:2024年12月28日

令和6年度 女性リーダー応援講座 -あなたの行動が地域を変える!- (連続6回講座)

日時 テーマ 参加者 動画視聴
第2回 令和6年9月14日(土曜日)
12時30分~17時
開講式・オリエンテーション
「男女共同参画」とは?・埼玉県の取り組み
女性の政策・意思決定過程への参画
12人 4名
第1回 令和6年8月25日(日曜日)
13時30分~15時30分
講演会「今は時代の転換期、なりたい自分になるために!」
スタートアップ公開講座
22人 94人

第2回令和6年9月14日(土曜日) 

開講式

令和6年度女性リーダー応援講座が開講しました。
この講座は、地域等で活動できる新たな女性人材の育成、そして現に活動している方々への支援を目的としています。

 [講座の特色]

  1. 多彩なテーマで幅広く学べます。
  2. 課題解決に向けて自ら考え、行動する力が身につきます。
  3. 新たな仲間とのネットワークづくりができます。

講義1「男女共同参画基礎講座-男女共同参画社会基本法成立から25年-」講師 薄井篤子 当センター事業コーディネータ

薄井講師の画像男女共同参画社会基本法成立までの流れに始まり、男女共同参画及びジェンダーについての話がありました。「ジェンダーの視点」とは、性差別、性別による固定的役割分担、偏見等が社会的につくられたものであることを意識していこうとする視点で、「ジェンダー平等と女性・女の子のエンパワーメント」は、SDGsの重要なテーマであること、また、DV・性暴力対策、災害対応、女性活躍推進法、リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)などについても解説しました。

ジェンダーバイアスに基づく無意識の偏見(アンコンシャス・バイアス)について、「男性は弱音を吐いてはいけない」「女性は会議の場ではわきまえていなければ…」といった具体例を紹介し、親や教師などによる動機づけによってジェンダーのステレオタイプが生まれ、自己抑制を行ったり、ステレオタイプに合わない同性や異性を排除する傾向があると伝えました。

8月25日の第1回応援講座について、生涯未婚率の上昇や離婚の増加など時代の転換期の中で、自分に力をつけ社会構造を知る必要があるという内容であったと紹介し、リーダー応援講座参加者へのエールで締めくくりました。

講義2「埼玉県における男女共同参画の取組」講師 県人権・男女共同参画課 職員

男女共同参画社会基本法の前文から抜粋した基本理念について解説し、さらに2024年の「ジェンダーギャップ指数」が、日本は146か国中118位で、依然として「政治」と「経済」の値が低いとの報告がありました。

国の第5次男女共同参画基本計画では「~すべての女性が輝く令和の社会へ~」と題し、2030年代には誰もが性別を意識することなく活躍でき、指導的地位ある人々の性別に偏りがないような社会を目指すとしています。世界的な動きとしては、SDGsの目標の5番目に「 ジェンダー平等を実現しよう」が掲げられているとの話がありました。

埼玉県の現状については、以下の4項目に注目して説明しました。
(1)女性の政策決定への参画状況は、全国の割合より高くなっている。
(2)女性の就業の状況は、M字カーブの底が全国と比べ低い状況にある。
(3)家庭生活での役割分担は、「家事」「家計の管理」「子育て」で主として女性が行っている割合が高くなっており、「生活費の確保」は男性が担っている割合が高い状況にある。
(4)配偶者等からの暴力の被害経験は、心理的攻撃が最も多く、配偶者等から被害を受けた経験がある女性は約4人に1人となっており、すべての行為において、被害を経験した人の割合は女性が男性を上回っている。
令和4年から令和8年の埼玉県男女共同参画基本計画について、基本的な視点や考え方、推進指標、施策体系などの説明しました。 
ジェンダー主流化の推進のため、昨年度は幅広い県政の分野から5つのモデル事業についての点検を行ったことや、それぞれの試行結果について紹介しました。今後は、ジェンダー主流化の全庁展開を実施し、埼玉県全体に男女間格差の解消を図る取組を広げると説明しました。

最後に、男女共同参画はあらゆる領域にかかわる課題で、地域における男女共同参画の推進は、様々な担当、組織、団体との連携が不可欠と締めくくりました。

講義3 「女性の政策・意思決定過程への参画」講師 皆川満寿美さん(中央学院大学現代教養学部 准教授)

講師の皆川さんの様子

はじめに「参画」とは? なぜ必要不可欠なのか?なぜ「参加」ではなく「参画」なのか?いつから「参画」と言い始めたか?という問いから講義が始まりました。まず、1993年8月、赤松良子さんが文部大臣就任記者会見で発言した内容を紹介し、「参画」とは政策・方針の決定や企画立案に係わることであり、より主体的な参加姿勢を明確にするため「参加」とは区別していると話されました。

日本社会のジェンダー不平等な現状について、ジェンダーギャップ指数が令和6年6月12日付け日本経済新聞夕刊のトップ記事で報道されたことを紹介し、日本とアイスランドのスコアをグラフで比較しながら、日本は、先進国と位置付けられながら、国際的な男女平等度のランキングでは極めて低いところに位置しているとの指摘がありました。

「なぜ、法曹に女性が少ないとよくないのか?」という点について、夫婦同氏訴訟を例にとり、具体的なお話がありました。2015年12月16日に行われた最初の最高裁判決では判事15人のうち10人が合憲と判断したこと、その際に合憲と判断した判事と違憲と判断した判事へのインタビュー、また、NHKドラマ「虎に翼」での場面にも触れながら、夫婦間の姓について参加者と考察しました。参加者から女性の最高裁判事の人数について質問があり、「一人もいない時期があった」との回答でした。

また、医師についても、東京医大入試「女性差別」の新聞記事を取り上げ、なぜ女性の医師が増えないのかについての話や、つわりの原因が2023年に発見されたとの話もありました。

「トップを取ると何ができるか」の切り口については、埼玉県庁で知事が主導して進めている「ジェンダー主流化」を例として紹介されました。昨年度はJICAから助言を受けながら5つの分野で「ジェンダー主流化事業点検」を試行し、今年度から全庁展開していること、With You さいたまが県内の市町村や企業向けにセミナーを開催しているとのお話がありました。

最後に、今年から施行された「困難な問題を抱える女性に関する法律」に触れ、「つなぐ支援、つながり寄り添い続ける」をめざすには、関係機関と協同する民間団体や支援者が必要で、地域のいろいろなところに「入口」=「サードプレイス的な場所」があると良いと締めくくりました。

女性リーダー育成講座修了生の活動報告  岡本美保さん(令和5年度修了生)

修了生岡本さんの様子令和5年度修了生の岡本さんは、現在、川口市男女共同参画推進委員・川口市男女共同参画情報紙編集委員として活動されています。
今回の報告で、応募した動機や市民委員としての活動の様子を詳細に語ってくださいました。
情報紙編集委員として情報紙の企画や取材・編集を行うとともに、男女共同参画推進委員として、市の「DV対策基本計画及び困難な問題を抱える女性への支援計画」や「行政委員会・附属機関等の女性登用の現状について」の審議にも参加しているとのこと。
市民委員としての活動を通じて、自分の住む街をより良くしていきたいとの思いを話されました。

グループワーク

グループワークの様子参加者が3つのグループに分かれて、「講義や活動事例報告を聞いた上で、どのように感じたか」、「今より女性が職場や社会で意思決定や企画立案の場に参画していくにはどうしたらいいか」、「女性活躍の実現に向けて不足しているもの・阻害しているものは何か」を考え、意見交換しました。

付箋紙に思いついたことを書きながら、模造紙に貼って班ごとの意見をまとめました。最後に、それぞれの意見を発表して共有しました。

参加者の声

  • グループワークがとてもよかった。いろいろな人と話してみたい。生きやすい世の中になるために、私ができることを探してみたい。
  • 男女共同参画の基本的な概念からジェンダー主流化とは何か、県の取組も含め、新たに学ぶことの多い講座でした。現在、市の人権男女共同参画の市民の会のメンバーで県の方針などを基に地元の実態や課題を探っていきながら、昨年に引き続き出来る事を積み重ねていこうと思えた。
  • 皆川先生の話はとても分かりやすく興味をそそる内容でした。何が自分にできるのか少し考えさせられました。