With You さいたま > 講座・イベント > 講座終了報告 > 令和5年度 > 「困難を抱えた女性への支援とは~現状と課題~」講演会
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掲載日:2023年11月6日
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場所 |
参加者 |
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令和5年8月19日(土曜日) 13時30分から16時 |
埼玉県男女共同参画推進センター(With You さいたま) |
参加 86人 |
はじめに、なぜ女性支援が必要か、相談内容から見る女性たちの生活困難からの分析を紹介してくださいました。女性が生活困難に陥る要因として、日本社会のジェンダー格差が大きいとの説明がありました。
そして、これまでの女性支援は婦人保護事業として行われており、個人の尊厳の尊重、権利擁護や自己決定といった社会福祉の価値からは遠い存在であったことについてお話いただき、そのうえで、厚生労働省の資料を参照しながら新法の概要と意義について分かりやすく御説明くださいました。
また、今後は、「法制度・施策の充実」と「ソーシャルワーク実践力の向上」が支援の両輪であり、ジェンダー視点、当事者中心、自己決定尊重など人権擁護の視点が求められるとのお話がありました。
おわりに、新法の理念である「当事者中心の支援」を具現化するには自治体・支援関係者の意識転換と実効性のある基本計画が必要であり、そのためには、体制整備、当事者の自己決定支援、公民の協働、そして当事者に寄り添い、つながり続ける支援が求められると締めくくられました。
講師 堀 千鶴子(ほり ちづこ)さん 城西国際大学福祉総合学部教授
【プロフィール】専門は社会福祉学、研究領域は婦人保護事業の歴史と現状、女性福祉。著書に『婦人保護事業から女性支援法へー困難に直面する女性を支える』信山社 2020年(共著)など。
昨年度、当センターが実施した「若年期の女性を対象とした支援に関する調査」の概要を
報告しました。
この調査では、県内在住・在学・在勤の10代~20代女性へのアンケート、県内で女性や
子供への支援を行っている団体を対象としたアンケート及び聴き取りを行いました。
団体への調査では、この講演会で日頃の活動を御報告くださった団体にも御協力をいただきました。
「どこに相談したらよいかわからない方には相談窓口や支援団体の存在を周知し、悩んだときは気軽に「誰かに話していい」という気持ちを持ってもらいたいとの思いが募りました。」と締めくくりました。
調査報告書は後日、当センターホームページに掲載予定です。
埼玉県内で女性支援の活動をしている3団体の方々から活動報告がありました。
1 認定特定非営利活動法人女性のスペース「結」 まずは、スタッフの高田さんから、相談につながった経緯や本人の課題、支援者として大変だったことや困ったことについてお話いただきました。 続いて、理事で事務局長の松本さんが、事例女性の自立に向けての支援や民間団体という立場での支援の限界など現場で感じた様々な思い等を語ってくださいました。 【団体紹介文】女性のスペース「結」はDVやモラハラの被害にあった女性たちの声を聞く中で、生きづらさを抱えた女性たちが安心して集えるようにと、2020年の夏、「さいたま・りぷろの家」を立ち上げました。居場所、相談、アウトリーチ、アドボケート、住まいへの展開も視野に入れて活動しています。 |
2 合同会社のら 代表の新井さんから、さいたま市南区で主宰している「ヘルシーカフェのら」の14年のあゆみ、そして「のら」が横断的な課題解決の場づくりをしているとの報告がありました。 「人が集まれば、ことが始まる、広がる、つながる、続く」と、のらに集うことでいろいろな人が出合い、解決のために知恵を出し合い、さらに繋がっていくという循環がSDGsにも通じることをお話ししてくださいました。 【団体紹介文】「ヘルシーカフェのら」は、2019年より地産地消での飲食の提供と社会・個人の課題解決のワークショップの2本柱で多くの方々の出会いの場を作っています。大学生がワークショップを企画したり、ワークショップの参加者が主宰者に変わっていく人もいて、課題を力に変えていく場となっています。 |
3 特定非営利活動法人クッキープロジェクト 代表の若尾さんから、平成29年度から4年間実施した当センターの受託事業「しごと準備講座」で出会った「半歩さん」との活動報告がありました。「半歩さん」とは若年無業の女性のことです。「半歩さん」と触れ合いながら、クッキー製造や飲食店体験、清掃体験等を「おしごと体験」メニューとして実施し、終了後はマーブルテラスでケーキ販売をしている方もいらっしゃるとの紹介もありました。 これからも様々な人たちが「まぜこぜ」で働く場を提供し、地域とつながるイベントを企画しながら、地域に根差した支援を目指すとのお話がありました。 【団体紹介文】障害のある人ない人まぜこぜな社会をめざして、福祉のアンテナショップを運営。カフェ併設の店舗「マーブルテラス」では、障害者やひきこもり若者など、働きづらさを抱える女性らに就労体験の場を提供しています。 |
活発な質疑応答の後、最後は堀先生のコメントで締めくくっていただきました。
質疑応答の様子 |
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