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ページ番号:260072
掲載日:2024年10月23日
Q 鈴木まさひろ 議員(自民)
近年、子どもの視力低下が急速に進行している現状は極めて深刻です。文科省の調査によると、裸眼視力が1.0未満の児童生徒の割合は小学生が約38パーセント、中学生が約61パーセント、高校生が約71パーセントと過去最悪を更新していることが判明しました。特に、学年が低いほど近視の進行が早く、小学1年生時に近視だった子どもたちの割合は12.4パーセントでしたが、小学3年生になるまでにその割合が35.8パーセントへと急増していることも明らかとなりました。これらの結果が示す傾向は極めて憂慮すべきものです。
視力低下の要因として、主にデジタル端末の長時間使用や近距離での画面凝視、屋外活動の減少などが専門家から指摘されており、こうした生活習慣の変化が子どもの視力に深刻な影響を及ぼしていると考えられます。
近視は初期段階での発見と予防が極めて重要であり、一度進行してしまうと視力回復は非常に困難です。視力の低下は、単に学習や日常生活に支障を来すだけではなく、子どもたちの将来にわたる目の健康にも悪影響を及ぼします。
特に、近視が進んだ場合、網膜剥離や緑内障などの深刻な疾患を引き起こすリスクが高まることが分かっており、真に実効性ある対策を講じることが急務です。
こうした背景を踏まえ、以下2点の質問を行います。
まず、(1)現状と今後の対策強化についてです。
子どもの視力低下の傾向は、日常生活の中に深く根付いており、特にコロナ禍を通してデジタル機器の接触時間が急増したことも問題を加速させています。
そこで、県として学校や保護者に対して子どもたちの屋外での活動を適切な範囲で増やし、デジタル端末などの長時間使用のリスクを根気強く伝えること、また、目と端末を30センチ以上離す重要性などについても啓発を強化することが重要と考えますが、現在の取組と今後の対策強化について、教育長の見解を伺います。
また、低年齢の子どもほど近視が進行しやすいことが明らかとなっていることから、就学前の子どもの総合的な視力低下対策の現状と啓発などの強化について、保健医療部長の御見解を伺います。
A 日吉亨 教育長
議員お話しのとおり、屋外で過ごすことの重要性やデジタル端末等の適切な使用などの予防対策を学校や家庭に啓発することは重要と認識しております。
そこで、県では、養護教諭や学校保健を担当する教員を対象とした研修会において、視力低下のリスクや予防対策をテーマに取り上げて指導しております。
また、保護者に対する啓発として、令和5年度に、県のホームページに子供の目の健康を守るための情報を掲載し、令和6年度には、国が作成した資料を保護者に対し周知するよう市町村教育委員会に通知いたしました。
今後の対策について、まずは、管理職を含む全ての教員が、児童生徒の視力低下の予防対策の必要性を認識し、学校全体で実効性のある取組を行うことが重要です。
そこで、市町村教育委員会の担当者や、校長を対象とした会議など様々な場面において強く働き掛けてまいります。
また、県では、保護者が、子供の目の健康に関する情報をより容易に得られるよう、県教育委員会公式の「インスタグラム」や「X」などのソーシャルメディアを活用し、積極的に情報発信してまいります。
A 表久仁和 保健医療部長
タブレットやスマートフォン等のデジタル端末の画面などを長時間、近くで見ることは、近視の原因の一つとされております。
視力低下を含むこどもの健全な発育のため、こどもの情報通信機器の使用を周囲が注意して管理することは重要です。
国では、保護者の振り返りや気づきにつなげることを想定し、母子健康手帳の中の2歳から6歳の各年齢のこどもの保護者の記録欄に、デジタル端末の長時間の視聴に関する対応を尋ねる項目を設定いたしました。
また、県において、令和4年度に乳幼児のメディア利用に関するアンケート調査を実施いたしました。
乳幼児にデジタル端末を使わせることがあると回答した方は9割以上に上りました。
また、デジタル端末を利用させることで、目が悪くなると考える保護者が半数以上いる一方、利用させるに当たり利用時間などデジタル端末利用のルールを特に決めていない保護者が約3割いることが分かりました。
この調査結果は県のホームページで公表するとともに、市町村と共有し、市町村では乳幼児健診などの機会に、デジタル端末を長時間近くで見ることを防ぐなど、こどもの目を守るための注意事項を啓発しています。
就学前のこどもの視力低下を防ぐことは、大変大切なことですので、市町村と連携し、しっかり保護者への啓発に努めてまいります。
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