令和6年2月定例会 代表質問 質疑質問・答弁全文（田並尚明議員）

児童虐待のない埼玉県に向けて-児童相談所の体制強化について-

Q　田並尚明　議員（民主フォーラム）

誰一人取り残さない埼玉県を目指す大野知事は、就任以来、児童虐待対策を含む子育て支援策を精力的に進めてきたと感じております。特に、児童虐待から子供を守るとりでである児童相談所の強化・整備については、力を入れてこられました。具体的には、令和7年度開所に向けて建設中の朝霞児相の整備や、昨年、整備された熊谷児相への一時保護所の整備などが挙げられます。
我が会派といたしましては、これらの歩みをとめることなく、更に進めていくことを知事に強く求めたいと思います。
そこで、お伺いいたします。
一時保護所が設置されている熊谷児相以外の4つの児相では、一時保護所では大部屋で個室化されておりません。子供の人権や心身の安全・安定を考えれば、全ての一時保護所の個室化を進めていくべきと考えますが、知事のお考えをお聞かせください。
また、大野知事は就任以来、児相の人的体制の強化も進めてこられました。相談業務に当たる児童福祉司の増員は、就任当初の令和元年度の197人から、令和5年度は316人と119人の増となっております。令和6年度では325人にまで増員予定と伺っております。児相の職員の総数で言いますと、令和元年度が378人に対して、令和6年度は608人と大幅な増強となっております。
時代に求められる必要な部署については大胆に職員を増強してきた大野知事でありますが、今後の児相の人的体制の強化について、知事のお考えをお聞かせください。

A　大野元裕　知事

私は知事就任以来、児童虐待対策に力を入れ、特に児童相談所の体制整備には全力で取り組んでまいりました。
令和5年度に熊谷児童相談所に新たに一時保護所を設置するとともに、令和7年度には朝霞市に、一時保護所を併設した県で8番目となる児童相談所を開設する準備を進めており、これにより一時保護所の定員は180人に拡充いたします。
親からの虐待等により一時保護所に入所せざるを得ない子供たちにとって、一時保護所は安全で安心して生活を送れる場にならなければなりません。
そこで、熊谷及び朝霞の各一時保護所については、小学生以上の児童の居室を個室とするなど、児童一人一人の権利擁護に配慮した過ごしやすい空間となるよう整備しております。
他方、既存の4か所の一時保護所については、議員お話しのとおり、4人部屋などが中心であり、児童の年齢や状態によってはプライバシー確保の観点から課題があると認識しています。
このため、まずは最も築年数の古い中央児童相談所の一時保護所について、個室化等に向けた建て替えを行うため、令和6年度にはその設計に着手するための事業費を予算案に計上しております。
また、残りの3か所の一時保護所については、朝霞市内に整備する児童相談所一時保護所開所後の状況を検証しながら、建て替えや改修について検討を行ってまいります。
次に、今後の児相の人的体制の強化についてであります。
私は、児童虐待に迅速かつ適切に対応するためには、最前線で働く児童相談所の職員体制の強化が不可欠であると考えます。
これまで虐待相談に当たる児童福祉司や心理的ケアに当たる児童心理司といった専門職員を増やし、この5年間で約2倍に増員いたしました。
令和6年度には、更に児童相談所職員を29人増員いたします。
また、リスクが低いと判断した事案の安全確認の民間委託や、音声認識によって記録の自動作成を行うシステムの導入などICTを活用した業務効率化なども進めており、職員がリスクの高い事案やフェイス・トゥ・フェイスのきめ細かい対応に注力できるよう取り組んでおります。
引き続き、児童相談所の人的体制の強化を図るとともに、業務改善も一層進め、増加傾向にある児童虐待相談への対応に着実に取り組んでまいります。

 

• 上記質問・答弁は速報版です。
• 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
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