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ページ番号:243911

掲載日:2023年10月20日

令和5年9月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(逢澤圭一郎議員)

知事公約について-保育士人材確保に向けた処遇改善について-

Q 逢澤圭一郎 議員(自民)

知事は、6月定例会において松井弘議員の保育に関する施策について、公約に位置付けて全力で取り組んでいただきたいとの問いに応えて、「新たに保育士の処遇改善のための公定価格是正など子育てに希望が持てる社会の実現に向け、全力で取り組む」と政策集に盛り込まれました。
しかしながら、選挙後の8月31日の会見では、これまでどおり県単での賃金上乗せは否定し、6月定例会の木下博信議員に対する御答弁のとおり、公定価格の上乗せをしても施設に渡すため直接人件費、つまり保育士の給与に乗っかるかどうかは保証されていないので、県としてはほかの方法をとるとのことでした。
知事、「公約は、これどこにいったんでしょうか」と現場の保育士さんから聞こえてきます。そもそも国に公定価格の是正を訴えていくことが公約なんでしょうか。
近隣都県との賃金格差があるからこそ、私も、令和4年の予算特別委員会で指摘させていただきましたし、多くの議員も保育士の賃金上乗せでの処遇改善については提言をされております。全力で取り組むという姿勢はどのように示すのでしょうか。
保育士の人材不足が顕著な市町村では、もう既に市の単独補助を上乗せして人材確保を図っています。三郷市では、保育士に対して最大4万5,000円、間違いなく保育士の給与に反映させなければならないことから、補助金要綱に基づいて民間保育士施設等運営改善費補助金請求書によって誰に対して幾ら支払われているのか、毎月確認をしているそうです。
県が補助金を出すとしても事業所には市町村を通じて補助金が支払われ、市町村が適切に確認できるわけですから、知事の2期目に当たり、いま一度、保育士の人材確保に向けた処遇改善について、埼玉県としても賃金を上乗せし、市町村の後押しをする形で支援することについて、知事の御所見をお伺いいたします。

A 大野元裕 知事

私は、保育士への最善の処遇改善は、国が定めている給与の原資となる公定価格の見直しであると強く認識しており、まずは総力を挙げてこのナショナルミニマムの問題に取り組むことが最優先と考えます。
そこで、国に対し、これまでも機会を捉えて、公定価格を適切な水準とすることや、公定価格の地域区分は地域の実情を十分に反映するよう要望してまいりました。
本年6月にも、和田義明前内閣府副大臣に対し、直接に要望したところ、副大臣からは財源確保にベストを尽くすとの回答を頂いております。
一方、公定価格や地域区分の改善には一定の時間を要することもあり、その間は効果的な取組を実施していただくことも重要と考えます。
そこで、県では、保育士自身に直接支援が届かなければならないと考え、そのための処遇改善として、就職準備金の貸付けや宿舎借上補助の県独自の上乗せのほか、今年度からは保育士への奨学金返済事業を行っています。
今後も、保育士が仕事にやりがいや誇りを持って働くことができるよう、直接支援が届く処遇改善に市町村と共に取り組んでまいります。

再Q 逢澤圭一郎 議員(自民)

今、知事、3つほど県の施策をおっしゃられましたけれども、この県が行っている施策というのは、就職準備金の貸付けですね、これは新規採用だと思います。奨学金返済事業、これも新規採用だと思います。宿舎借上補助の上乗せ、県、8分の1ですね、これも新規採用と。
知事は、直接保育士に届く処遇改善を行っているとおっしゃるんですけれども、それが届いているのは限られた保育士だけなんですね。全員に届いていないんです。
だから、千葉県とかの例も挙げましたけれども、直接賃金に上乗せをすれば、正規職員であれば全員にこの処遇改善がいくわけです。県がやっているのは本当限られたところだけなんです。
目に見える形で、要するに賃金に上乗せする形でないと本当に人材確保は難しいのではないかと私は考えます。いま一度、知事の御答弁お願いします。

再A 大野元裕 知事

そもそも職員給与費は、「運営費」として、子供への教材など保育に係る事業やあるいは光熱水費などの施設管理費などと合わせた総額が、保育所等に一括して支給をされます。その運営費からそれぞれ保育士に給与が支給されますが、額や昇給の有無も含めた給与体系は保育所ごとに定められており、一律ではなく、また給与額は保育所の経営判断に委ねられます。
誰に対していくらの給与が支払われているかは確認ができたとしても、施設側の給与体系はそれぞれ異なりますので、これまでどおり維持しつつ、県が上乗せを行ったとしても、その分を職員給与に増額させたかについての確認はできません。
よって、県といたしましては、給与への上乗せではなく、就職準備金の貸付けや宿舎借上補助の上乗せ、奨学金返済事業など、保育士自身に直接支援が届く取組を行っているところでございます。

再々Q 逢澤圭一郎 議員(自民)

知事は、この県の単独補助をかたくなに拒まれておりますけれども、他県や市町村が単独で支援していることを全否定しているように聞こえるんですね。
人材が流出して箱があっても保育を実施できない、こういったことがないように、市町村は財政難にもかかわらず単独で賃金を上乗せして人材確保をしようとしているんです。千葉県でも、そんな市町村を応援しようとして、県単補助を出しているわけです。それが不適切なことなんでしょうか。
知事は、確認だけではよく担保できないと言われるんですけれども、担保しなければならないのは幼児教育における質の担保だと私は思います。
だからこそ、埼玉県がやっているこの3つの施策、これはそれぞれ例えば就職準備貸付金は2年で返済免除であったり、奨学金返済事業は最大5年と、宿舎借上げも最大7年ですね。これが過ぎると賃金の高い方に保育士さんは行っちゃうと思うんです。その行動を我々は否定することはできません。だからこそ埼玉県では、保育士をしたいという人を作り上げて定着させるためにも、それ相応の投資が必要だと思うんです。
今、ここでやってくださいって言っても多分明快な答弁は出てこないと思いますけれども、是非とも今私が述べたことも十分考慮していただいて、検討材料にのっけていただきたいんです。そこところ、知事、御答弁をお願いいたします。

再々A 大野元裕 知事

県といたしましては、単独の補助を否定したことはなく、給与への直接ではなく、直接届く支援を行っていくということを申し上げております。
なお、ただいまの再々質問にございました、今後、その検討の材料にするかということにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、給与への上乗せの場合に、それぞれの給与体系が異なっているために、単年度に乗せたものが確認されたとしても、ベースアップをその分押し下げてしまう等の確認が一切できませんので、そこについてどのような確認が取れるかどうかということを、直接届く補助についての効果と合わせて検証していきたいと考えます。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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