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掲載日:2022年3月30日
Q 西山淳次 議員(公明)
1月31日付け埼玉新聞一面に掲載された日本骨髄バンク評議員の大谷貴子さんの寄稿「尿もれパッドはどこへ」は、出色の記事でした。
近年、前立腺がんや膀胱がんなどの増加に伴い、男性で尿もれパッドを着用する人が増えていますが、男性用の個室トイレにはほとんどごみ箱がないため、使用した尿もれパッドの捨て場所に人知れず苦労している男性が多い、何とかする必要があるのではとの御提案です。一読して、とても重要な御意見と敬服しました。
前立腺の摘出手術を受けた人の大半は、術後しばらく脳のコントロールが難しく、尿もれパッドが必要だそうです。そのほか、膀胱の手術やその他の疾患でも尿もれパッドが必要な男性は少なくはありません。
では、今までどうしていたのか。やはり捨て場所がないので、ビニール袋に入れるなどして持ち帰っている人が多いようです。考えてみますと、多ければ250ccもの水分を含み臭いもする尿もれパッドを外出先から家まで持ち帰るのは、神経も使い、しんどいことです。男性特有のプライドでしょうか。人に知られたくないという心理もあって、この問題は余り表立って語られてこなかったようです。私も全く認識がありませんでした。
そこで、埼玉県民でもある大谷さんの勇気ある提言に是非お応えしたいと思います。以下、知事に質問いたします。
まず、本県県有施設の男性用個室トイレへのごみ箱、サニタリーボックスの設置状況はどうなっているでしょうか。
次に、尿もれパッドが捨てられるようなごみ箱、サニタリーボックスを男性用個室にも是非設置していくべきです。まずは県有施設の男性用個室トイレへの設置を進めていただきたい。なお、その際は清掃される方への配慮が必要なことは言うまでもありません。
そして、市町村や不特定多数の県民が利用する施設にも働き掛けるなど、県は率先してこの課題に取り組むべきと考えますが、知事のお考えを伺います。
A 大野元裕 知事
県有施設の男性用個室トイレへのサニタリーボックスの設置状況についてでございます。
がん患者が適切な医療や支援により社会とのつながりを維持し、生きる意欲を持ち続けるような社会をつくるためには、県有施設の管理者としてもきめ細やかな配慮をすべきと改めて議員の御質問に考えさせられました。
前立腺がんで前立腺全摘除術を受けた直後には多くの患者さんが尿漏れを経験しますが、その多くは数か月から半年後までには日常生活に支障がない程度に回復をしています。
一方、半年を過ぎても尿漏れが続き、その後も症状が改善しない患者さんもおられるとのことです。
議員お話しのとおり、トイレにサニタリーボックスがあれば使用済みのパッドを持ち帰らずに廃棄できるため、安心して外出をすることができます。
県ではサニタリーボックスの有無について一般の県民の方が利用する県の施設225か所の調査を行いました。
そのうち、男性が利用できる多目的トイレにサニタリーボックスが設置されていたのは158か所、男性用個室トイレに設置をされていたのは31か所でございました。
次に、県有施設の男性用個室トイレへの設置についてでございます。
パッドの交換には男性用個室トイレに比べ、多目的トイレの方が広さに余裕があり、より多くの方の利用が見込まれます。
まずは、全ての多目的トイレにサニタリーボックスを設置することを最優先に進め、多目的トイレであればサニタリーボックスがあるということも周知に努めていきたいと思います。
多目的トイレ以外の全ての男性用個室トイレについても、サニタリーボックスを置くのが理想と考えますが、スペースが狭く設置が困難な場合もございます。
施設の実情に応じ、個室のうち少なくとも1か所はサニタリーボックスが設置できるよう、取り組んでまいりたいと考えます。
併せて、設置されている個室を利用者がすぐに見つけることができるよう、例えばでありますけれども、「サニタリーボックスあります」といった表示についても検討したいと思います。
次に、県のこの問題への取組についてでございます。
サニタリーボックスの設置は、施設側にとっても衛生管理の面でのメリットがあります。
このため、がん診療の専門家やがん経験者などで構成されている県がん対策推進協議会などの場において、様々な立場からの御意見をお伺いしながら、市町村や不特定多数の方が利用する特定建築物の所有者等に働き掛けを行ってまいりたいと思っています。
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