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掲載日:2022年3月30日
Q 西山淳次 議員(公明)
現在も正に第6波の渦中にあり、私たちの身近にり患した方、濃厚接触で自宅待機中という方が多数おられる状況です。心よりお見舞いを申し上げます。
また、最前線で奮闘される医療従事者の皆様には本当にお世話になっております。深甚の感謝と敬意を申し上げたいと思います。
そして、知事はじめ担当部局の職員の皆様にも大変な御尽力をいただいております。特に保健所の皆様は、本当に大変だろうと思います。改めて、その御労苦に感謝申し上げます。
さて、オミクロン株の感染爆発は、私たちの想像を全く超えていました。新年が明けて、あっという間に1日の新規感染者数が1,000人を超え、ピークとなった2月5日には、何と7,353人を記録しました。一昨日、2月23日時点で本県の累計患者数は約29万人となり、実に県民の25人に1人がり患したことになります。第6波に備えて様々な対策を準備してきたわけですが、これだけ急速な感染拡大では、あちこちで問題が生じてもおかしくありません。
以下、3点について知事に伺いたいと思います。
第一に、医療提供体制であります。
現在、本県のレベル判断は、レベル2、一般医療及び新型コロナへの医療の負荷が生じ始めているが、段階的に対応する病床数を増やすことで、医療が必要な人への対応可能というものです。爆発的な感染増加でありながらレベル2にとどまることができているのは、オミクロン株の特性と、これまでの教訓に学んだ対策が功を奏している点もあるでしょう。そこで、医療提供体制の現状についてどう評価しているか、総括的にお答えください。
2点目として、自宅療養者への対応についてです。
オミクロン株の特性により、自宅療養者の数がこれまでと比べて圧倒的に多くなり、2月23日現在で3万1,048人に上りました。そこで重要になってくるのは、できる限り自宅療養者の不安を取り除くことだと思います。
毎日のように、数千人の新規感染者が発生している状況では、保健所からのファーストタッチや健康観察をショートメールなどのSNSに変更するのはやむを得ないと理解をいたしますが、一部の自宅療養者、家族から、分かりにくいといった声を聞いております。電話からSNSへの変更をしっかりアナウンスするとともに、その文章や内容を、患者さん本位に親切で分かりやすい表現に工夫していくべきと思いますが、いかがですか。
また、こうした状況になると、我が党が推進した、県と市町村が患者情報を共有して市町村が食料品やパルスオキシメーターを自宅療養者にいち早く届ける仕組みが非常に重要です。うまく機能し、迅速に患者のもとに支援物資は届いているでしょうか、確認をさせていただきます。
さらに、家庭内感染が多いことも第6波の大きな特徴です。家族内に感染者が出て、様々な努力をしたにもかかわらず、同居家族が感染してしまうケースが少なくないようです。そこで、陽性患者の隔離という意味で、自宅療養者が希望した場合には宿泊療養施設をもっと積極的に活用すべきです。この点についてはどうお考えでしょうか。
3点目として、県と保健所設置自治体との連携について伺います。
本県では、さいたま市、川口市、川越市、越谷市の4市が独自に保健所を持っています。現行の感染症法では、都道府県と保健所設置自治体は横並びであり、県が指揮権を持っているわけではありません。平時はともかく、コロナのような緊急時には県全体として足並みをそろえて動いていくことが必要になりますが、これまでのところ、県と保健所設置自治体との連携はうまくいっているでしょうか。この点についても伺います。
A 大野元裕 知事
医療提供体制の現状についてでございます。
現在感染が拡大しているオミクロン株は、感染拡大のスピードが極めて速いことが特徴です。このため、陽性者が急激に増大し、それに伴い入院者数が増え医療全体がひっ迫することが懸念されております。
現在、重症病床使用率は20%台にとどまっており、48時間を超えて入院調整ができないケースは出ておりませんが、急速な感染拡大とコロナ以外の一般入院患者の増加を受けて医療に対する負荷が徐々に高まっており、予断を許さない状況にあります。
そこで県では、コロナ病床のひっ迫を防ぐため、コロナの症状が軽快した入院患者を後方支援医療機関に転院させる取組を積極的に推進しております。
2月21日現在、167医療機関が後方支援医療機関となっており、2月1日より20日までに27名の患者の方を後方支援医療機関に転院させました。
今後、こうした患者の転院をさらに拡大できるよう医療機関に働き掛けているところです。
また、一般医療への影響を最小限にとどめるため、医療機関と随時情報交換しながら、その時の状況に応じて、一般の救急患者をコロナ病床に入院させることを認めるなど、柔軟な対応を行っております。
国に対しては、救急などの一般医療を圧迫することなく感染症患者の受入病床を確保するため、今回の新型コロナウイルス感染症対応を踏まえ基準病床数及び必要病床数の加算を可能にするなど、感染症対応を想定した病床制度とするよう要望しているところであります。
今後とも、ウイルスに感染した方の重症化や命にかかわるケースを最小限にとどめるよう戦略目標を定め、しっかりと医療提供体制を確保できるよう取り組んでまいります。
次に、自宅療養者への対応についてです。
1月から、オミクロン株の陽性者が爆発的に増加をいたしました。
このため、陽性者へのファーストタッチを行う保健所や、自宅療養者の健康観察を行う支援センターの業務が急激に増加をいたしましたが、埼玉県では、諸外国で先行したオミクロン株の特性を踏まえて自宅療養者の急増に対応できる体制を準備し、国が想定する最大の自宅療養者の倍以上の方々でも対応ができる体制をつくりあげ、議員御指摘のとおり不安を取り除く必要に鑑みても、県民の方々に不安にお感じいただく状況にはないと考えております。
その一環として、第5波直後から保健所のデジタル化を徐々に推進し、My HER-SYSの利用促進や1月下旬以降にはショートメールも活用し、自宅療養者にいち早くファーストタッチできる仕組みに切り替えました。
ショートメールには、県のホームページのリンク先も記載しており、リンク先を見ていただくことで、自宅療養に必要な様々な情報を得ることができます。また、My HER-SYSの使用方法についても分かりにくいという御意見がありましたので、親切で分かりやすい表現に改めました。
さらに、問い合わせ先の電話番号も掲載し、丁寧に対応できる体制を整えており、容体急変の場合のセンターの受電率は100%を一貫して維持し、容体急変の場合の酸素ステーションにつきましても、余裕がある状態であります。
この新たな仕組みについて、県のホームページなどで県民にお伝えし、自宅療養者の皆様の声を反映させ、より分かりやすい表現となるよう工夫を重ねてまいります。
次に、自宅療養者を支援するための仕組みづくりであります。
昨年10月、「自宅療養者への生活支援にかかる連携事業に関する覚書」を、保健所設置市を除く59市町村のうち、54市町村と締結をいたしました。
現在、保健所が陽性者の情報を確認した後、市町村と情報を共有し、市町村からパルスオキシメーターを、県からは食料品を配送しております。
新規陽性者数が第5波をはるかにしのぐ事態となったことから、2月上旬以降、一時的に県からの食料品の配送に遅れが生じています。
食料品については、各市町村でも配食サービスの仕組みを整えて市民に提供しており、県の配食サービスの補完機能を担っております。
県としては、地域住民に身近な存在である市町村と連携することで、迅速に、切れ目のない支援を行ってまいります。
次に、宿泊療養施設のより積極的な活用についてです。
議員御指摘のとおり、家庭内感染を防止するためには、宿泊療養施設の積極的な活用が大変有効です。
県では、第6波に備え、新たに3施設359室の宿泊療養施設を新規開設いたしました。
この結果、受入体制はこれまでで最大の17施設2,284室となっております。
最近では、高齢者や小さなお子さんの感染者が多くなっていることから、宿泊療養施設の入所対象者が減少しています。
このため、宿泊療養施設の稼働率は、現時点ではあまり高くなっておりません。現在、医療上の判断で宿泊療養とすべき方のみならず、議員御指摘の家庭環境も含め、保健所が隔離して療養すべきと判断した陽性者にも活用していただいており、今後もこの体制を継続をさせていただきたいと考えております。
今後とも、必要な方が宿泊療養できるよう、受入体制の更なる拡充を図るとともに、円滑な搬送調整に努めてまいります。
次に、県と保健所設置自治体との連携についてです。
議員御指摘のとおり、コロナのような緊急時には、保健所設置自治体も含めて県全体で足並みを揃えてコロナに対峙していくことが重要です。
そこで昨年、私が4市の市長と直接お話をし、市の保有する感染者の情報を県に提供するよう依頼をいたしました。
情報提供に当たっては、県が様式を統一し、感染症法で定める市による県への情報提供に際し必要な情報を共有できるような工夫も行っております。
また県では、月1回、県の13保健所と4市保健所の所長が集まる保健所長会議を開催しています。
この会議では、保健所間で情報の共有を図るとともに、保健所運営上の懸案事項についてそれぞれの保健所長が率直な意見交換をしています。
さらに、県内の入院調整や宿泊療養調整を県の入院調整本部が一元的に担うなど、県と保健所設置市が自治体の垣根を越えて連携を行っています。
今後とも、未曽有の危機に対応するため、保健所設置自治体と連携を深めてまいります。
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