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掲載日:2024年10月17日
Q 新井一徳 議員(自民)
政策を担う知事直轄の組織、つまり器ができれば、当然ながらその器には魂を込めねばなりません。それが人材ということだと思います。人材を集めるために採用を抜本的に見直すべきだと私は考えます。
現在、県庁職員の採用上級試験は、筆記試験、小論文、面接が課されます。協調性やコミュニケーション能力があり、上司の指示を的確にこなせ、法規に従い、行政権を奉仕できるゼネラリストの採用に主眼が置かれているのはやむを得ない面もあると思いますが、この試験では政策形成やその検証に優れた能力を有する人材を集めることは困難だと思います。
民間では同様の問題意識から、採用方法を工夫する企業が幾つもあります。例えば、東京ガスは2017年からフリースタイル採用を導入しています。学生が自らの強みを60分間で自由に表現するプレゼンテーションが課されます。従来とは異なる東京ガスらしくない異質な人材を採用しており、人事担当者によれば採用方法に魅力を感じるという声が多く、変化に立ち向かえる人材が入社してきているとのことです。
本県もこのように政策に強く異質な人材、つまりはスペシャリストをより積極的に採用すべきです。給与体系も既存の体系とは別にし、高い志と能力を有する者を別枠で確保し、その能力を発揮させることで、より効果的、効率的な政策立案とその遂行が可能になると私は考えます。
本県の近年の採用状況を見ますと、一般行政職で内定者の約4割が辞退をしています。都庁や東京都内の特別区に流れているとよく聞きます。残念ながら職場としての魅力で負けているのかもしれません。
今こそ採用改革を起爆剤にして、本気で埼玉県を変えようと高い志を持つ人材を取り込むべきだと考えますが、知事のお考えをお伺いします。
A 大野元裕 知事
DXやSDGsの目標達成に向けた取組の推進など、新たな課題に対応した政策形成を行うためには、職員自身が多様な感性や価値観、経験を持っていることが重要な要素だと思います。
県では、社会人として培った経験と柔軟な発想、広い視野や優れたコスト意識などを持つ人材を採用するため、民間企業などの職務経験を持つ方を対象とした採用試験を行っております。
情報や金融をはじめとする各分野の専門性を持つ人材も採用しており、例えばシステムエンジニアなどの経験者が、高度なスキルを生かし、県のDXを推進しています。
この試験は、多様な人材を採用できる絶好の機会であると考えます。
政策に強く、変化に立ち向かえるような人材を採用していくためには、例えば議員お話しのプレゼンテーションを加えることなども一つの方法だろうと考えますので、優秀な人材に意欲を持って応募してもらえる試験となるように、検討を進めたいと思います。
本気で埼玉県を変えようとする高い志を持つ人材を採用したいという思いは、私も同じでございます。
今後も、高い志を持つ優秀な人材を確保するための採用試験の在り方については、民間企業の例も参考にしながら、不断の見直しを行ってまいります。
再Q 新井一徳 議員(自民)
現在、埼玉県においてもそういったスペシャリスト、専門性を持った職員を採用していただいているということは、私も存じ上げております。
ただ、この関東近郊で一番のライバルは東京都だと思いますけれども、実は東京都もかなりスペシャリスト的な人の採用は力を入れていると聞いています。ICT分野の専門家とか、証券アナリストの資格者とか、公認会計士なんかそうですけれども、やはりこれは東京都のケースはあくまでも例示でありますけれども、政策づくりに強い人材をより多くやっぱり採用していかなければ、県としての政策能力も強さも備わってこないと思いますし、ほかの自治体との競争も私は勝てないと思います。
そういった意味においては、現状やっている採用ももっと採用枠を増やすとか、そういった工夫も必要だと思いますけれども、知事のお考えを改めてお伺いします。
再A 大野元裕 知事
これまでも、民間企業等の経験者を対象とした採用試験においても、金融機関の関係者や情報システム分野などのシステム開発を行った人材をスペシャリストとして採用をしております。
これまでの経験でも、これらのスペシャリストの採用は、有益なことであったと考えております。
他方で、議員御指摘のとおり、他の自治体との競争にしっかりと伍していくためにも、スペシャリストの採用枠についての再検討ということだと思いますけれども、例えば、先ほど御指摘のあった採用方法の改善などについては、人事委員会とも相談をしながら進めたいと思います。
また、人事委員会が原則として行政から独立した組織でございますけれども、そことしっかりと相談しながら、御指摘のようなスペシャリストの柔軟な採用の在り方について、今後、要望を検討したいと思っております。
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