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掲載日:2024年3月8日
Q 岡 重夫 議員(県民)
埼玉県の基幹産業の一つである農業に従事する総農家数は、平成7年から令和2年までの25年間に50.1%、4万6,581軒も減少し、また農業就業人口の年齢構成では64.1%が65歳以上と高齢化も進んでいます。そして、これらに伴い耕作面積も減少し、このまま農業従事者が減少すれば、安全で安定的な県内の食料供給がこれまでのようにできなくなるおそれがあるばかりでなく、長年受け継いできた貴重な農業の知恵や技術が途絶えてしまいます。そのような中、年間の新規就農者の人口は、平成21年度の248人から令和元年度には321人と10年前より73人も増え、取組の成果が出ています。
そこで、私は、埼玉県の農業を発展させるためには、県が力を入れている稼ぐ力、人材力、地域力を高めることに更に力を注ぐべきだと思っています。そのためには、まず、農産物の市場を人口増の影響で食料不足の問題が出ている世界市場にこれまで以上に目を向け、グローバル化を図るべきだと考えています。そして、稼ぐ力を高めるためには、農業の法人化を一層進めること、また農業従事者のコスト削減や生産力向上のための経営力を磨くことが重要になってきます。人材の活用については、農業のグローバル化やICTを活用したスマート農業を押し進めるための人材の育成が特に必要です。現在、農業の未経験者でも農業技術を学びながら新たな発想で頑張っている若者がいます。また、農業経営で成功している例を見ると、グローバル化とICTの活用ができる経営者がほとんどです。
これまで県では、農業の法人化にも力を入れてきた結果、平成21年度末の417法人から10年後の令和元年度には1,128法人と、711法人も増えています。これからの埼玉農業の発展のためには、まずは新規就農者を増やすことと担い手の育成が課題だと思います。
そこで、その課題を解決するための施策について、知事のお考えを伺います。
あわせて、これからは農家を育てるのでなく、農業法人の経営者を育てることが大事だと考えますが、知事のお考えを伺います。
A 大野元裕 知事
新規就農者を増やすことと担い手の育成についてでございます。
渋沢栄一翁は、農業の盛衰は国家の盛衰に関わるという言葉を残しておられます。
私も、農業はいつの時代においても人々の食と命を支える基幹産業であり、魅力的な産業であると考えています。
本県の農業は、良質な食料の供給や県土の保全を通じて、県民の豊かな暮らしに大きく寄与するだけではなく、東京をはじめとする首都圏に食料を供給するなど、重要な役割を果たしております。
こうした本県農業を更に発展させていくためには、次代の埼玉農業の担い手となる新規就農者を確保し、経営を軌道に乗せ、経営力の高い農業経営者に育成していくことが重要であります。
このため、就農希望者のために相談窓口を設置するとともに、農業経営をはじめとする農業大学校での実践教育や就農直後の経営安定のための資金の交付などを実施しています。
また、コロナ禍にあるからこそ、幅広い分野から多様な人材を農業分野に呼び込めるよう、オンライン就農相談も活用し、就農を促してまいります。
一方、新たに農業を始める上では、栽培技術や経営能力の習得、農地や資金の確保など、解決しなくてはならない課題もございます。
これらの課題の解決を地域ぐるみで一体的に支援する本県独自の仕組みとして、「明日の農業担い手育成塾」を県内24カ所に設置しており、今後はこの取組を更に広げてまいります。
就農した後は、新規就農者に対して栽培技術の向上や販路開拓、さらには規模拡大など、普及指導員が伴走しながら支援をしてまいります。
次に、農業法人の経営者の育成についてでございます。
私は、旧来の農家の枠にとどまることなく、デジタル技術や世界に目を向けるなど新たな発想でビジネスモデルを創出し、稼ぐ力を持つ農業経営者が、本県農業の未来を切り拓いていくのだと考えます。
そこで重要になるのが、優れた経営感覚を持った農業経営者を育成することであり、これが農業経営の法人化の進展にもつながると思います。
このため、優れた農業経営者を増やすことができるよう、埼玉農業経営塾を開設し、自らの経営戦略を策定し実行できる経営者の育成を進めております。
今後の経営塾の運営においては、革新的でグローバルな経営理念を掲げる農業者を1人でも多く輩出できるよう、スマート農業や農産物輸出に関する講座の実施などカリキュラムの充実を図ってまいります。
引き続き、本県で農業を志す人材の確保から優れた農業経営者の育成まで、切れ目なく支援を続け、将来の埼玉農業を担う人材の育成に努めてまいります。
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