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掲載日:2022年6月21日
Q 小島信昭 議員(自民)
5か年計画の指標の中で成果が出ていないのが、安心して子供を産み育てることができる環境づくりに関する指標であります。4項目のうち、3項目の指標が計画策定の時点より数値が悪化しており、保育所待機児童数は1,026人から1,083人へと増加しています。待機児童の解消が進まない要因の一つ、それは保育人材の確保が難しい点であります。県内の保育士の給与が近隣都県に比べ低い水準にあるため、県内の保育所で保育士を十分に採用することができないのです。
そして、給与水準が低いのは、保育施設の運営費に充てられる国の公定価格が地域の状況を十分に反映することなく、不当に低い水準で抑えられていることが原因にあるのです。
そこで、昨年11月に埼玉県議会自由民主党議員団が調整し、大野知事同席の下、坂本少子化対策担当大臣及び三ツ林副大臣に直接、公定価格の見直しの要望を行ったところであります。国政与党との強いつながりを生かして、我々は今後も二元代表制の一翼を担う埼玉県議会の最大会派として様々な埼玉県の課題解決に向けて尽力する所存ではありますが、国の公定価格の現状の見直しについて、知事はどう考えているのでしょうか。
また、医療従事者をはじめとするエッセンシャルワーカーが安心して働くことができるよう、そして少子化対策を進める上でのポイントとなる保育人材の確保のために、県独自の処遇改善策など積極的に取り組むべきと考えますが、知事の御所見をお伺いいたします。
A 大野元裕 知事
国の公定価格の現状と見直しについてどう考えているのかについてでございます。
保育に関する公定価格の地域区分は、埼玉県の実情と合っておらず、非常に不合理なものであると考えています。
そこで、公定価格の見直しを求めるため、これまでも機会を捉えて、県選出国会議員や大臣に対しても要望してまいりましたが、昨年11月には小島議員お話しのとおり、坂本哲志少子化対策担当大臣に対し、次の4点について要望を行いました。
1点目は、隣接する地域において大きな格差が生じない地域区分の設定方法を導入することです。
本県と東京都との間では地域区分に大きな差があり、このことが保育士給与、ひいては人材確保に多大な支障を与えていることを強く訴えました。
2点目は、地域区分の設定に当たり公務員の地域手当に準拠するだけではなく、運営費に影響を与える土地の価格など他の指標も考慮することです。
3点目は、抜本的な見直しが行われるまでの間、特定の地域に不利益が生じないよう新たな特例を導入することです。
4点目は、見直しを求めている県や市町村の意見を丁寧に聴き、抜本的な見直しについて検討することです。
坂本大臣からは「埼玉県にとって切実な問題であるということを身をもって感じた。しっかり取り組んでまいりたい」とのお話をいただきました。
見直しを実現するためには、様々な関係者に粘り強く継続的に働き掛けを行っていくことが重要です。
現在、公定価格を議論する国の「子ども・子育て会議」の委員に対し、個別に埼玉県の現状と問題点について説明し、御理解と御支援をいただけるよう働き掛けを行っているところであります。
県議会の皆様の御協力もいただきながら、この問題の改善に向けて全力で取り組んでまいります。
次に、県独自の処遇改善策など積極的に取り組むべきについてでございます。
私は、最善の処遇改善策は公定価格の見直しであると確信しており、まずは総力を挙げてこの問題に取り組むことが最優先課題であると思います。
しかしながら、この問題の改善には一定の時間も要することもあり、その間は効果的な取組を独自に実施していくことも重要です。
そこで、県独自の保育人材の確保策として、新卒保育士1人当たり20万円の就職準備金や宿舎借上補助の上乗せなどの処遇改善を実施しています。
また、保育士の処遇改善策としては、職場環境の改善も重要です。
管理者の意識啓発を図るため、管理者向けのセミナーの開催や専門家の派遣などを行うとともに、保育補助者の配置費用の助成などを行い、長く働き続けることができる職場環境づくりを進めています。
さらに、潜在保育士に対し、短時間勤務を希望する者への20万円の就職準備金制度を今年度新設するとともに、令和3年度は復職支援プログラムを実施することで、安心して職場復帰ができるよう支援してまいります。
今後も、保育士が仕事にやりがいや誇りを持って働くことができるよう、効果的な処遇改善策に積極的に取り組んでまいります。
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