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掲載日:2020年7月10日
Q 渡辺大 議員(自民)
中学校の学習指導要領では、部活動は生徒が自主的、自発的に参加するべきものとされています。また、「埼玉県の部活動の在り方に関する方針」では、運動部活動がスポーツに親しむ基盤となるように、部活動の活動時間、休養日の設定、その他適切な部活動の取組について定められています。それを踏まえて、更に埼玉県教育委員会により、運動部活動の運営等に係る指導の手引が定められています。そこでは週2日以上の休みを求めていますが、実施されているのは14.6%以下です。前述の方針の中では、1週間の総運動時間が男女とも二極化の状況にあること、生徒のスポーツに対するニーズは、競技力の向上だけでなく、友達と楽しめること、適度な頻度で行えることなど、多様であることも認識されていますが、実態に鑑みると、運動部活動が生徒にとって真に自主的、自発的に参加するものとなっているかについては疑問があります。
前述の方針の中では、外部指導者の積極的活用がうたわれていますが、外部指導者は専門的技術指導、勝利至上主義的側面が強調されやすく、前述したように多様なニーズに対応するという意味では、適切とは言い切れません。また、外部指導者は人数面、予算面で現実的に確保は難しいという課題も明らかとなっており、中学校学習指導要領で定められている部活動の持続可能な運営体制という点からしても、現実的解決策とはなりづらいと考えます。
このような現実の状況を踏まえ、生徒が真に自主的、自発的に参加できる運動部活動の運用を考えると、ファシリテーターの活用が現実的打ち手として考えられます。ファシリテーターとは、グループや組織で物事を進めていくときに、その進行を円滑にし、目的を達成できるよう中立的な立場から働き掛ける役割を担う人のことをいいますが、専門技術がなくとも、顧問やキャプテンや地域の協力者がファシリテーターとなり、部員の自主的な意思決定をサポートするという運営方法が適切で現実的であると考えます。
そして、部活動の教育的意義やファシリテート技術については、部活動ファシリテーターに対する研修やサポートをすることで対応が可能です。競技の専門性についての養成は、部員間での意思決定によればよいことですし、ユーチューブなどで専門技術についても十分に学べる環境があり、充足が可能であると考えます。従来の指導者型の部活動ではなく、並走型のファシリテーターを活用するなど、生徒がこれまで以上に自主的、自発的に取り組めるような運動部活動の環境を構築し、持続可能な運動部活動の運営をしていくことが重要と考えますが、教育長の御所見を伺います。
A 高田直芳 教育長
教育活動の一環として行われている部活動は、責任感や連帯感の涵養など、生徒の多様な学びの場として大きな役割を担っております。
一方で、議員御指摘のとおり、運動部活動が生徒の多様なスポーツニーズに、必ずしも十分には応えられていない状況もございます。
こうした中、県では、生徒にとって望ましい部活動の環境を構築するという観点から、平成30年7月に「埼玉県の部活動の在り方に関する方針」を策定いたしました。
この方針では、必ずしも競技大会に参加することを求めないなど、生徒の多様なニーズに対応した運動部活動の考えも示されており、徐々にではありますが、そのような理解が広がってきております。
部活動の指導者は、生徒が自ら進んで活動計画を作成し、チーム全体で意思決定するなど、主体的・自発的に取り組むような指導を行うことが重要であると考えております。
県では指導者の育成に重点を置いた部活動指導者講習会を実施しておりますので、今後は、指導者がファシリテーターとしての視点を持てるよう工夫してまいります。
引き続き、中学校体育連盟等の関係団体と連携を図りながら、生徒が自主的・自発的に取り組むことができるような運動部活動となるよう、学校に働き掛けてまいります。
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