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掲載日:2020年7月10日

令和2年6月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(渡辺大議員)

学校教育の充実について - 読解力の向上

Q  渡辺大  議員(自民)

これからの情報科学技術の発達により、社会で求められる能力は大きく変容してくると思われます。人間に固有の能力が求められ、知識を蓄えるようなAI(人工知能)、ICTが得意とする分野は、AI、ICTに奪われます。もっともAIは意味を理解することができず、その部分は人間に固有の能力で、ここがAIに置き換わることは難しいとされています。
PISA、いわゆる国際学習到達度調査によれば、「読解力」とは、「自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発達させ、社会に参加するために、テキストを理解し、利用し、評価し、熟考し、これに取り組むことをいう」としています。子供たち自ら、生きる力、確かな学力をつけるという教育の最重要課題にとって最も効果的で基礎的な養成であり、学習指導要領においても教育の重要な目標とされています。これを育てることこそ、教育の本旨です。
経済協力開発機構(OECD)が77カ国の15歳、16歳を対象にPISAを実施していますが、2012年4位、2015年8位、2018年15位と、日本の読解力低下が顕著になっています。特に課題とされたのが、文章の要旨を捉えたり、自分の考えの根拠を示して説明するといった思考力や表現力です。この点、国も読解力の重要性については強く認識しており、既に平成17年には「読解力向上プログラム」を公表しています。
高校生の教科書は2022年度に改訂され、そこでは「論理国語」なる新しい科目が設定されます。これまでの教科書は小説などの比率が高く、論理的な文章を用いた論理的読解力のトレーニングが不十分であると考えられ、とられた措置です。国が新たな取組をスタートさせる今、県としてこれまでの取組を検証し、データに基づいた科学的アプローチの下、読解力の向上に取り組んでいくべきと考えます。教育長の御所見を伺います。

A  高田直芳  教育長

議員お話のとおり、科学技術の発達など、大きく社会が変容する中、未来を生き抜くためには、読解力の向上は重要であると考えております。
令和元年度の全国学力・学習状況調査の結果によると、本県の小・中学生は、目的に応じて、文章やグラフなど複数の資料から必要な情報を読み取り、自分の考えをまとめることに課題が見られます。
読解力の向上のため、国では、講義型の授業だけではなく、子供が主体となって課題を解決したり、グループ等で考えを発表し合ったりする、「主体的・対話的で深い学び」の実践を進めることとしております。
県では、独自の学力・学習状況調査の結果のビッグデータを、慶應義塾大学SFC研究所と連携して分析をしております。
その結果、「主体的・対話的で深い学び」が、子供たちの非認知能力などの向上を通して、読む力を含めた学力向上につながることなどが確認されております。
そこで、これまでのデータの分析結果に基づいて、今年度から新たに教員向けの研修プログラムを作成し、各小・中学校において、授業改善を進めております。
また、県立高校につきましても、生徒同士が協力しながら、主体的に課題を解決する協調学習に取り組んでおります。
今後も、小・中・高等学校を通して、学校での様々な取組の効果を分析し、継続的な授業改善を進めることで、読解力の向上を含めた子供たち一人一人の学力向上を図ってまいります。

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。
  • 氏名の一部にJIS規格第1・第2水準にない文字がある場合、第1・第2水準の漢字で表記しています。 

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議会事務局 政策調査課 広報担当

郵便番号330-9301 埼玉県さいたま市浦和区高砂三丁目15番1号 議事堂1階

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