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掲載日:2022年10月13日
Q 宮崎吾一 議員(自民)
まず、感染症を取り上げるに当たり、今回の豚コレラの被害に遭われた養豚農場の方には心よりお見舞いを申し上げます。また、封じ込めのため、日夜不休の作業を行う関係各位の御努力に敬意を表します。
そして、改めて、豚コレラは人に感染せず、感染した肉は市場に流通することはない、そして市場に流通している肉については、安心しておいしくいただけることを述べさせていただき、質問に入らせていただきます。
豚コレラは、昨年、約26年ぶりに岐阜県で発生しました。感染は他県へと拡大し、9月13日、国内41例目の豚コレラが埼玉県で発生をしてしまいました。現在、全庁を挙げて拡大防止に取り組んでいただいておりますが、まずは感染症に感染させないための常日頃からの準備が重要です。長期間発生していない感染症への対策はしっかりと図られているのでしょうか。国内で長期間発生していない感染症として、狂犬病について伺います。
狂犬病は、ウイルスを原因とする感染症で、犬だけではなく、全ての哺乳類に感染をします。発症すれば、ほぼ100%死亡します。かつて国内で猛威を振るい、県内でも多くの発生がありました。狂犬病予防法の下、昭和31年を最後に60年以上、狂犬病の国内感染は発生をしておりません。一方、海外では狂犬病が常態化しており、年間で5万人以上、10分に1人が死亡しています。幸い日本では、先人の努力により現在はその脅威にさらされておりません。そのことが狂犬病を遠い過去の病気、あるいは海外の病気と認識させてはいないでしょうか。
近年、人も動物も国境を越えて移動をしております。現在開催されているラグビーワールドカップ、そして来年開催予定の東京オリンピック・パラリンピックにより、この動きは更に加速します。海外から人と動物の共通感染症が持ち込まれることも懸念されています。世界各地で発生している狂犬病の防疫対策として、海外から持ち込まれる動物の水際対策はどのように講じられていますか。保健医療部長に伺います。
また、日本では、犬の所有者は年1回の狂犬病予防接種が義務付けられています。WHOによると、国内に狂犬病ウイルスが入ったとしても、国内の犬のワクチン接種率を70%以上にすれば、犬及び人へのまん延を防止できるとしております。
一方で、昨今のペットブームの中、飼育される犬も小型化しており、室内で人と犬が家族の一員としてともに生活することが一般化しております。野犬の数も減り、狂犬病に対する危機感も薄れつつある中で、狂犬病予防接種の接種率低下が懸念されます。県内の予防接種率は71%前後で減少傾向にありますが、接種率の向上にどのように取り組むのか、保健医療部長に伺います。
A 関本建二 保健医療部長
海外から持ち込まれる動物の水際対策はどのように講じられているのかについてお答えを申し上げます。
我が国では、国内に持ち込まれる動物の水際対策として、狂犬病予防法に基づく輸入検疫が実施されております。
輸入検疫に関する事務は農林水産省の所管とされ、その実務は空港などに配置される動物検疫所で行っております。
検疫所では、輸出国で発行された狂犬病予防注射証明書及びマイクロチップによる個体識別データに基づき、持ち込まれる犬の予防接種実施状況を確認します。
さらに、最長で180日に及ぶ健康状態の観察を行うなど、厳しい検査に合格しなければ国内に持ち込めないことになっております。
次に、狂犬病予防注射接種率の向上にどのように取り組むかについてでございます。
狂犬病予防注射に関する事務は市町村が行っており、議員ご指摘のとおり、県内の接種率は過去5年平均で71%となっております。
市町村では毎年4月から5月に、公園や公民館などで臨時の注射場を設けて狂犬病予防注射を行う、いわゆる集合注射を実施しております。
県は集合注射に協力するため、獣医師会と共同で広報用ポスターを作成し、市町村や動物病院へ配付するとともに、県広報紙やFMラジオ放送などを通じて、広く飼い主への周知を行っております。
また、狂犬病予防を推進するため、県・市町村・開業獣医師の3者で狂犬病予防協会を組織しており、啓発リーフレットを作成して、動物病院や保健所、市役所などで配布し、飼い主に注射の実施を呼びかけております。
さらに県では、犬に関する苦情が保健所に寄せられた際には、その犬の狂犬病予防注射の実施状況を市町村へ照会し、未実施の場合は確実に実施するよう飼い主に指導しております。
引き続き市町村や獣医師会との連携を密にするとともに、新たにペットショップ等に対して、顧客への注射実施の呼びかけに協力を求めるなど、あらゆる機会を捉えて飼い主への啓発を行い、接種率の向上に努めてまいります。
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