平成29年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文（柿沼トミ子議員）

県北東部水田地域の排水改良について

Q   柿沼トミ子議員（自民）

かつて利根川は東京湾に注いでおりましたが、徳川家康の命により、千葉県銚子市に流れております。この地域においては、平成13年に完成した水資源機構、利根中央用水事業及び平成15年に完成した国営利根中央農業水利事業により用水施設は整備をされ、安定的に供給をされております。
今、私がお話を質問の中でさせていただいた地域は、埼玉県全体のここの地域でございます。利根川が今のここの流れですが、ここを流れていたということで、分かりますか、利根川の流れが変わったということでございます。
それで、これによって利根川右岸の一級河川中川の上流、羽生市、加須市、久喜市に広がる県北東部の水田地域は、県を代表する穀倉地帯となっております。しかしながら、排水については抜本的な整備がなされないままであり、より生産性の高い営農に支障を来しております。さらには、急激に農地が宅地化されたことなどによる排水量の増加を背景といたしまして、近年は地球の気候温暖化もありますが、集中豪雨の増加や長期間にわたる降雨が多く、その際には農地の湛水被害のみならず、市街地の道路や建物の浸水被害等、生活面も多大な支障を生じております。
このような状況の中で、この地域の農業用排水路は全て一級河川中川に流れ込んでおります。これは中川に流れ込んでおるんですが、この網の目のような青い線が1本の中川に流れ込んでおります。雨が、この間21号台風が豪雨になりましたが、水田及び宅地が全部水に浸って、羽生市はひどい状況でございました。ここは中川ですけれども、そこの中川の元締めがここのJR宇都宮線の橋が、この全てが集まったところにあるということでございます。
この排水路の整備の前提としては、この中川の川幅を広げるというのがまず必要なんですが、そのためには中川を渡るJR宇都宮線橋りょうの架換えの実現が不可欠となっております。新たな橋りょうは現在の3倍の長さとなる大規模な工事を要しますが、この早期実現に向けまして、私は野本県議会議員とともに、平成28年3月23日にJR東日本の新宿本社に大塚陸毅相談役を訪問いたしました。早期実現に向けて協力をお願いし、快諾をいただいたところでございます。今工事は着々と進んでおります。
中川改修に合わせまして農業用排水路の整備を行うことで、中川上流地域の6,000ヘクタールを超える農地の営農条件が改善をされます。県北東部水田地域の農業用排水路の整備により湛水被害が解消され、水稲のみならず野菜等の作物の導入が図られ、地の利を生かした都市型もうかる農業を実現できると考えます。
そこで、今後の取組に対する農林部長の所見を伺います。

A   篠崎   豊   農林部長

本地域は、埼玉平野とも呼ばれる平坦な地形とともに、排水路の整備の遅れや施設の老朽化などにより排水機能の低下がみられております。
このため、県では平成2年度から久喜市及び幸手市の大堀(おおぼり)排水路、平成9年度から久喜市の大(だい)排水路などの整備を行うとともに、平成11年度からは加須市及び久喜市の稲荷木落(いなりぎおとし)排水路の整備を進めております。
しかしながら、台風などの大雨の際には、一部地域で湛水被害もみられております。
そこで、広域的かつ抜本的な対策を講じるため、平成26年度に関東農政局をオブザーバーとし、県・市・土地改良区からなる検討会を設立いたしました。
その中で、具体的な取り組み方策などの検討を進めるとともに、関東農政局でも湛水被害軽減に向けた調査を実施しております。
本県の穀倉地帯である本地域において、排水路などの営農条件を整備することで、水稲だけでなく野菜などの導入も可能となり、収益性の高い農業の実現につながるものと考えております。
県といたしましては、今後とも国をはじめ、関係する土地改良区や市と連携して、本地域の排水対策にしっかりと取り組んでまいります。

 

• 上記質問・答弁は速報版です。
• 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。