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掲載日:2023年12月1日

平成29年12月定例会 一般質問 質疑質問・答弁全文(高木真理議員)

 産める場所が減っていく現実にどう対応するのか

Q 高木真理議員(民進・無所属

本県の医師不足は喫緊かつ長期的な課題です。先月下旬に厚生労働省で開かれた医師需給分科会での議論は、深刻な医師不足に悩む本県にとって厳しい内容ではないかと行く末を心配して見ておりますが、産科は更に診療科偏在の要素が加わり深刻です。
そんな中、来年度予算に向けての予算要望で埼玉県医師会さんから会派でヒアリングをさせていただいた際、県産婦人科医会調査の結果、本県の分娩取扱施設の3割が10年後には「閉鎖の可能性あり」とする衝撃的なお話を伺いました。「10年以内に分娩取扱いを中止する」と回答した施設が7病院17診療所に及ぶそうです。実際、私が10年前に双子を産んださいたま市内の病院もお産をやめてしまいました。
また、今は妊娠が分かったら早目に産む場所を予約しないといっぱいになって、近くで産めないという話も聞きます。今後に向けて安心して産める環境の整備が必要です。県内では出生数が平成23年からの5年で6.2%減少のところ、分娩取扱施設のベッド数は9.2%減少しています。このまま県産婦人科医会調査のように10年で3割の分娩取扱施設がなくなるとすると、その影響は大きいと考えます。
この調査を受けてどのような対応策を県としては考えているのか、保健医療部長に伺います。

A 本多麻夫   保健医療部長

議員御指摘のとおり、将来の出産場所の確保は、県としても大きな課題であると認識しております。
これまでも、県内の分娩を取り扱う医療機関数は減少しており、平成23年に112施設あったものが、平成28年には95施設へと17施設減少いたしました。
この17施設のうち15施設は、病床数が少ない診療所であり、病院の減少は2施設のみにとどまっております。
一方、平成23年と平成26年の比較になりますが、分娩取扱施設数が16%減少したのに対し、分娩取扱数の減少は3%、分娩に従事する産科医師数の減少も4%にとどまっております。
施設数の減少に比べ、分娩取扱数や従事医師数の減少割合が少なく、お産の場が診療所から病院へと、徐々に集約されている傾向となっております。
診療所が減少する背景には、出生数の減少のほか、後継者の不在、24時間365日出産に対応する勤務条件の過酷さなどがあると考えられます。
県産婦人科医会の調査によると、診療所の約半数が常勤医師1人の体制で、分娩取扱いをやめる最も大きな理由が医師御自身の高齢化とお聞きしており、今後も診療所の減少は続かざるを得ないのではないかと思われます。
分娩取扱施設の集約化が進む中、県民が安心して子どもを産めるよう、地域バランス、ハイリスク出産への対応などを総合的に考えながら、分娩取扱施設の整備に取り組んでいく必要がございます。
体重が2,500g未満である低出生体重児の割合が9%を超えて推移するなど、診療所での対応が難しい、いわゆるハイリスク出産の割合が多い状況となっております。
今後、安心・安全に出産できる環境を整えるためには、正常分娩のほか、ハイリスク出産にも対応できるよう、医療従事者と設備が十分に整った病院の確保に努めてまいります。
これまで、県は周産期母子医療センターの整備、新生児集中治療室NICUの整備に取り組んでまいりました。
本年1月には、県内2か所目の総合周産期母子医療センターをさいたま新都心医療拠点に整備し、NICUの数は平成23年4月に101床であったところ、現在は、149床まで増加したところです。
今後も、休止中のNICUの再開や空白地域における周産期母子医療センターの整備に取り組んでまいります。
また、将来を担う若い産科医を継続的に確保し、育成する必要がございます。
県では、平成25年12月に埼玉県総合医局機構を創設し、県医師会、県内の主要病院と一体となって医師確保対策に取り組んでまいりました。
特に、産科をはじめ医師が不足している診療科などへの勤務を条件として、医学生への奨学金や研修医への資金を貸与することにより、医師の確保、診療科の偏在解消を図っているところでございます。
今後、地域医療教育センターを活用した母体救命講習などの実践的な研修の充実や、医学生や研修医向けに産科の魅力について情報発信を継続するなど、一人でも多く若い産科医を確保できるよう取り組んでまいります。
ハイリスク出産に対応可能な病院の整備や将来を担う若手産科医の確保の必要性・重要性につきましては、県医師会や周産期母子医療センターなどの関係機関と共通した認識に立ってございます。
県内で安心・安全に産める環境を確保するため、県医師会をはじめとする関係機関と密に連携しながら、周産期医療のあるべき姿を検討し、一致協力して実現に努めてまいります。

 

  • 上記質問・答弁は速報版です。
  • 上記質問・答弁は、一問一答形式でご覧いただけるように編集しているため、正式な会議録とは若干異なります。

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議会事務局 政策調査課 広報担当

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